創部史上初! 悲願のインカレ優勝/全日本学生選手権

2025.11.11

 準決勝で国士大に劇的な逆転勝利を収め、創部史上初の快挙が懸かる決勝戦に臨んだ。前半から9連続得点で一気にリードを奪い折り返す。後半はオフェンスが苦しい時間帯もGK坂本京介(営1=洛北)のセーブが光り34―28で勝利。創部87年目にして初の栄冠に輝いた。

◆11・2~6 全日本学生選手権(いしかわ総合スポーツセンター)
▼11・6 決勝 対関西学大戦
○明大34{18―10、16―18}28関西学大

 前半は関西学大の攻撃で始まった。得点を先取されるも熊谷継(農1=藤代紫水)、青砥直輝(商1=駿台甲府)の連続得点でリードを奪う。すると前半5分、近藤佑樹(農4=春日丘)が倒れながら放ったシュートでオフェンス陣に火がつくと、明大の堅いディフェンスもかみ合い9連続得点。その間青砥と熊谷を中心に得点を重ね、15分には栃尾佑(法3=北陸)が相手GKと一対一のシュートで12―4とした。「ディフェンスが今日は本当によく機能していた。そこがあのようなゲーム展開で進められた一番の要因」(加藤良典監督)。シュートが決まらない時間帯もGK坂本や外種子田渓汰主将(商4=国分)を中心にディフェンスが機能。相手に反撃のスキを与えなかった。終盤に差し掛かると向谷内海都(営3=氷見)や川原温想(営1=愛知)のポストを使った攻撃で一進一退の時間帯を過ごす。24分には後藤圭汰(営4=高知中央)のサイドシュートが決まると、熊谷がパスカットからの速攻で得点。リードを8点に広げ、18―10で折り返した。「ディフェンスでしっかり守れていた。前半(相手の得点)を10点で抑えて、ディフェンスから速攻で点を取るという形でした。明大の一番いい形でゲームを運べた」(坂本)。

 悲願の初優勝に向け8点リードで始まった後半。開始わずか40秒に青砥のミドルシュートで幸先良く先制するも、その後は相手GKのセーブで得点できない時間が5分間続く。大量のシュートを放たれたが、GK坂本がビッグセーブを連発。相手ピボットからのシュートを左足で止めると、20秒後にはサウスポーからの強烈な一撃も右手一本でセーブ。3分30秒には相手GKからのロングパスが通り一対一になるも坂本がゴールを許さず、40秒後にもサイドシュートを見事止めた。栃尾の連続ゴールでようやく追加点を手にすると、坂本がLWからのシュート2本、中央からのシュート1本をなんと3連続セーブ。立ち上がりの7分間で11本のシュートを許すも4失点に抑え、スコアは21―14。点差がセーブ数と直結していることからも、坂本の貢献度が伝わる。「準々決勝、準決勝でなかなかいいセーブができていなかったので、その分たくさん止めることができて安心した」(坂本)。直後に向谷内のシュート、青砥のサイドスローが決まりリードを9点に広げると、9分に関西学大側がすかさずタイムアウトを取る。その後3連続得点を許したが、栃尾からパスを受けた青砥がスカイプレーを決め切り、坂本がポストとの一対一をまたも止める。直後にパスカットからフリーの小泉涼太(農3=藤代紫水)がシュートを決め26―18に。連続失点をしてもすぐに取り返し相手に流れを渡さない。中盤は6、7点差のまま試合が進み、29―23で迎えた22分。川原から近藤への甘いパスをカットされると、そのまま一対一を決められ5点差に詰め寄られる。ミスからの失点に加えてシュートが連続で決まらず不穏な空気が流れるも、坂本が再三のセーブでチームを救った。26分には本大会不調に苦しんだ後藤が左利きからの豪快なサイドシュートを決め、1分後に崎前風諒(政経3=北陸)が得点して33―26。崎前は秋リーグまで7メートルスローの役割が主だったが、インカレではLWのスーパーサブとして活躍した。残り40秒には1回戦ぶりの出場となった細野聖太(政経4=春日丘)が高い打点からのシュートを決め、試合終盤に4年生が活躍を見せる。直後には控えGK柳瀬陽介(政経2=浅野)が7メートルスローをセーブしボルテージは最高潮に。優勝へのカウントダウンが響き渡る中試合終了のブザーが鳴ると、外種子田はその場に倒れ込み、選手たちは互いに抱き合って優勝の喜びを分かち合った。

 明大が決勝戦で勝利し、創部87年目にして初の全日本学生選手権(インカレ)優勝を果たした。GK坂本が試合を通してセーブを続け大きく貢献。試合終了時には後藤、外種子田、近藤、細野とベンチ入りした4年生全員がフィールドに立ち、有終の美を飾った。個人賞では、青砥、栃尾、坂本が優秀選手賞、向谷内が特別賞、加藤監督が優秀監督賞に輝いた。

[堀口心遥、橋場涼斗]

※試合後のコメントは後日、特集記事にて掲載いたします。