9年ぶり三種目総合準優勝! 関東学生総合の雪辱晴らす/全日本学生三大大会

2025.11.09

 秋の寒さが厳しくなる中、兵庫県三木ホースランドパークで全日本学生三大大会(全学)が行われた。馬場馬術競技大会では、小久保利巧(営3=朋優学院)と船越琉生(政経3=関東国際)が個人入賞を果たし、団体も2位で表彰台に上った。総合馬術では初日に団体1位通過と健闘も、2日目に順位を落とし、4位の結果となったが、5日間で行われた大会をまとめた三種目総合では、見事準優勝を飾った。

◆10・30〜11・3 全日本学生三大大会(三木ホースランドパーク)
▼全日本学生賞典障害馬術競技大会
▽個人
 5位 渡邊〈ペコラM〉
 14位 本間〈カルロッタM〉
 26位 山岸〈ジェイク・ロイドM〉
 29位 小久保〈アルファ・セントリーM〉
 ※野尻〈ユキタカオーM〉は失権
▽団体
 4位

▼全日本学生賞典馬場馬術競技大会
▽個人
 2位 船越〈エヴィガ―グランツM〉
 3位 小久保〈ザリーノM〉
 19位 山岸〈ジャック・ドーソンM〉
▽団体
 2位 明大


▼全日本学生賞典総合大会
▽個人
 8位 本間〈カルロッタM〉
 13位 山岸〈アップトゥーユ―M〉
 25位 渡邊〈パトリシアM〉
 29位 小久保〈アルファ・セントリーM〉
 32位 野尻〈ユキタカオーM〉
▽団体
 4位 明大

▼三種目総合
 2位 明大

 大会4日目は、総合の馬場馬術と馬場馬術決勝戦が行われた。総合の馬場馬術では明大から5人馬が出場。チームのトップバッターを務めた渡邊麻夏主将(商4=つくば秀英)とペコラMは最終得点率7割をマークする好走を見せ、4位に入った。2番手を務めた小久保とアルファ・セントリーMはチームトップの得点で2位と躍動。その後は本間駿名(商2=北海道静内)と野尻翔麻(農2=獨協埼玉)が10以内に入り、ルーキー・山岸駿太郎(営1=関東国際)も25位と食らいついた。下級生の活躍も光り、団体暫定1位で通過を果たした。

馬場馬術決勝は船越と小久保が出場した。前日の予選で3位に収まった小久保とザリーノMは、迎えた決勝戦で音響設備の不調に苦しみながらも、繊細な走行を見せた。「内容としては今できる最大限のパフォーマンスができたと思っているので悔いはない」(小久保)。予選2位通過の船越は音楽と完璧に調和のとれた走りで予選の順位を維持し、小久保と合わせて10年ぶりの個人入賞、9年ぶりの団体入賞に輝いた。「(明日の総合馬術に向けて)明治の団体成績に貢献するためには裏方が絶対に必要なので、少しでも順位が上がるようなサポートをできるように頑張りたい」(船越)。

迎えた大会最終日のクロスカントリーは馬場馬術と同じ順番で始まった。渡邊主将が障害減点なしで駆け抜けると、クロスカントリーを得意とする山岸とアップトゥーユ―Mがチーム最速の5分21秒で減点なしと活躍し、順位を大きく上げた。「今日の役割はクロスカントリーを(減点)0で帰ってくること」と語った本間は、時間内での完走はかなわなかったが、障害減点なしでチームトップの15位となった。失権者なしでの通過となった明大は、全人馬の完走を達成し、最終種目の障害馬術へ進んだ。

 今大会最後の種目となる障害馬術は、チーム内1位の本間とカルロッタMは減点なしの完成度の高い走りで最後の追い上げに成功。8位入賞にこぎつけた。クロスカントリーで順位を上げた山岸は、最後の走りで障害物とぶつかったが、減点を4点までに抑え、13位に。この競技で全学が最後になる渡邊主将は最後まで力を出し切り、減点なしで有終の美を飾った。総合馬術では、4日目の順位を守り切れず、4位となったが、5日間で行われた大会の総得点で競う三種目総合では、日大に次いで準優勝となり、表彰台入りとなった。

 馬のケガに悩まされつつも、献身的なケアで乗り越え、9年ぶりに準優勝へと返り咲いた明大だったが、今回の結果に満足はしていない。「隣で優勝旗をもらっている日大を見た時はすごく悔しかったので、来年からは追いかける側じゃなくて、追いかけられる側になって、優勝を目指して頑張ってほしい」(渡邊主将)。宿敵・日大の打倒に向け、人馬ともにチーム一丸で進み続ける。

[ウエスト宙]

渡邊主将
――学生最後の全学でしたが、いかがですか。
 
「4年間一緒に頑張ってきたペコラMはケガもあり、出られるか直前まで分からない状態でした。最後に馬も答えてくれて、今までで一番の結果を出すことができたので、目標にしていた笑顔で締めくくるという部分に関しては達成できたかなと思います」

――全員がクロスカントリーを完走することができましたが、いかがですか。
 
「今年も関東学生総合は5頭中1頭しか完走することができない悔しい結果にはなってしまっていたので、ここ近年では見られなかった、5頭中5頭がしっかり帰ってくるという部分では、着実にステップアップできていると思います。今後ともより安定性が出るように、そしてより満点で帰ってこられるように、みんな頑張ってほしいと思っています」

本間
――8位入賞についていかがですか。
 「昨年度より、総合馬術の結果は下がってしまって、少し自分の中ではふがいないと思います。内容も完璧では決してなかったので、もちろん優勝させてくれた馬にも、周りの方にも感謝していますが、自分の中ではもっと上だったのになと、少し悔しい部分は正直あります」

――今後の意気込みをお願いします。
 「今後はエースとしてチームに少しでも貢献できるように、いい馬に乗っているという自覚を忘れず、少しでも明治の中で一番を目指したいです。個人でもいい成績を取れるように、オフシーズンでしっかりと自分の弱点を練習していきたいと思います」