佐藤2位発進 勝負のFSへ/GPシリーズN H K杯

 11月7日、大阪・東和薬品RACTABドームでGPシリーズ(グランプリシリーズ)NHK杯が開幕し、男子SP(ショートプログラム)が行われた。10月のGPシリーズ中国杯で優勝した佐藤駿(政経4=埼玉栄)は、全てのジャンプを着氷し96.67点。首位の鍵山優真(中京大)に次ぐ2位と好スタートを切った。

◆11・7〜9 GPシリーズNHK杯(東和薬品RACTABドーム)

 12月に名古屋で行われるGPファイナル進出を懸け戦う今シリーズ。五輪シーズンということもあり、今季はより一層熱気を帯びている。

 佐藤は昨季から継続している『Ladies in Lavender』で氷上へ。美しいバイオリンの旋律に合わせ、指先まで意識した丁寧な表現で観客を魅了していく。冒頭の4回転ルッツこそ回転不足となったが、その後の4回転トーループと3回転トーループのコンビネーションは確実に着氷。さらに基礎点が1.1倍となる演技後半のトリプルアクセルも決め、安定感のある演技を見せた。しかしスピン一つとステップでレベル3ととりこぼしがあり、2位にとどまった。

 「明日は加点が付くような完璧なルッツを飛べるようにようにしたい」と意気込んだ佐藤。FS(フリースケーティング)でGPファイナル進出を手繰り寄せられるかに注目だ。

[野原千聖]

試合後の囲み取材より
佐藤
――演技を振り返っていかがでしょうか。
 「まずSPをしっかりとまとめられたことが嬉しいですし、明日のFSでもつなげていければなと思います」

――初戦の中国大会から点数も伸びましたが、手応えはいかがでしょうか。
 「特にプログラムコンポーネンツの部分が前回の中国大会(中国杯)よりも伸びていたので、そこがすごくうれしかったです。ルッツが少し回転がどうかなという感じではあったのですが、いつもだったら転倒していたところで、しっかりと着氷できてよかったです」

――勝負のFSになると思います。鍵となるポイントはどこだと思いますか。
 「一番はルッツなのかなと思います。今日はすごく綺麗なルッツはできなかったので、明日は加点が付くような完璧なルッツを飛べるようにしたいと思っています」

――GPファイナルに向けて、意気込みをお願いいたします。
 「FSでもしっかりと。あまり(GP)ファイナルのことは考えないようにして、自分の演技に集中して頑張っていきたいと思っています」

――コーチとはどのようなお話をされましたか。
 「特に深い会話はしていないのですが、もう自信持っておまえならできるからという感じで送り出してもらいました」

――2位発進となりましたが、いかがでしょうか。
 「すごくいい滑り出しかなと思うので、明日のFSでも引き続き気持ちを切り替えて、SPはSPで終わった話なので、FSはFSでしっかりと最初から頑張ろうと思います」