関東王者・国士大に劇的勝利! 全国制覇まであと1勝/全日本学生選手権
全日本学生選手権(インカレ)で接戦をモノにして快進撃を続ける明大は、準決勝で関東学生春季・秋季1部リーグ戦(春リーグ・秋リーグ)の優勝校・国士大と対戦した。前半は優勢の時間が短くリードを許したが、後半に入ると懸命な守備から流れをつくり、同点で迎えた試合終了間際に向谷内海都(営3=氷見)が勝ち越しゴール。3試合連続の逆転勝利で決勝進出を決めた。
◆11・2~6 全日本学生選手権(いしかわ総合スポーツセンター)
▼11・5 準決勝 対国士大戦
○明大32{13ー15、19ー16}31国士大
明大にとって国士大は因縁の相手だ。秋リーグでは互いに無敗の状況で対戦し、わずか1点及ばず敗れ目の前で国士大の優勝が決定した。この悔しさを晴らすべく、選手たちは並々ならぬ思いで大一番に臨んだ。
前半は国士大の先制から始まった。直後の攻撃で近藤佑樹(農4=春日丘)がジャンピングシュートを放つも、国士大のGK松下幸祐がセーブ。秋リーグに続きインカレでも、世代日本代表GKが明大の前に立ちはだかる。それでも3分に小泉涼太(農3=藤代紫水)のループシュートで同点に追いつくと、4分には前回の対戦でミスの目立った7メートルスローを青砥直輝(商1=駿台甲府)が即座に決めた。序盤から相手に流れを渡すことなく、互角の戦いを演じる。しかし、7分に小嶋悠斗(営3=市川)のサイドシュートを止められたことが響いて3―5と2点を追いかける展開に。その後は双方の攻撃がさえて点差はほぼ変わらず、9―10で迎えた前半19分。国士大側のシュートが外れチャンスを迎えると、小嶋がゴール前の向谷内へノールックでパス。冷静にシュートを放ち、10―10と試合は振り出しに戻った。「チーム全員で声を掛け合って我慢できた」(向谷内)。流れが傾くかと思われたが、約1分後に長いパスからのサイドシュートで失点すると、21分には青砥の、22分には栃尾佑(法3=北陸)のシュートが外れる。国士大は着実に点数を積み重ね、10―13とこの試合初めて3点差をつけられた。前半28分には国士大のパスが通らず明大ボールとなったものの、熊谷継(農1=藤代紫水)のシュートをまたもGK松下がセーブ。ラストプレーは堅いディフェンスで失点を防いだ。流れをつかみ切れない時間が続いたが、点差は最小限に抑えることに成功。守って最後に打ち抜かれていたところはあったが、15失点に抑えられたのは良かった」(加藤良典監督)。13ー15と2点差で後半に望みをつないだ。
2点リードを許して迎えた後半、開始直後小泉がディフェンス時に反則で2分退場となり、相手に初得点を奪われるが、熊谷のシュートでリードを広げない。4分には小泉がサイドシュートを相手GKに止められるが、ボールがコート外に出たためマイボールで攻撃を再開。再びパスが小泉に渡りリベンジシュートが決まった。6分には17―21とされるも6分に青砥、熊谷の1年生コンビの得点ですぐさま2点差とする。点差を維持したまま迎えた14分、途中出場の崎前風諒(政経3=北陸)が巧みなサイドシュートを決め23点目が決まる。さらに失点後、崎前が2連続得点を決め同点に追いついた。「(ボールが)回ってきたら絶対決めないといけない場面だったので、冷静にキーパーを見て決めることができて良かった」(崎前)。その後は一進一退の攻防が続き、両者譲らぬ展開に。再びリードを許し、20分に崎前にパスが渡るが、相手GKに阻止され4得点目とはならず。22分には小嶋がディフェンスでチャージに成功し1点を守る。同点を狙った攻撃で青砥が速攻を試みシュート。しかしラインクロスとみなされ得点は認められず。ただディフェンスを中心に出場していた外種子田渓汰主将(商4=国分)の固い守備にも助けられ、拮抗(きっこう)した流れとなった。27分、30―31でGK坂本京介(営1=洛北)がセーブすると栃尾からパスを受け取った青砥がジャンプシュートを決め31―31と再び同点に。残り1分で相手のシュートを坂本が手をかけボールはコート外へ。30秒を切ったところで明大側はタイムを取る。青砥が時間をかけフリースローとすると残り5秒で栃尾が向谷内へパスを放りゴールネットを揺らした。「(向谷内は)ディフェンスの3枚目、中心選手として負荷がかかるディフェンスでオフェンスでもフルで出ていたので、疲労もあったと思う。最後決め切ってくれて本当に良かった」(加藤監督)。60分間の死闘は32―31で明大に軍配が上がった。
ついに決勝進出を果たした。「最初から接戦になることは分かっていたが、そこで選手たちが離されずに、最後の最後まで我慢して戦ってくれた」(加藤監督)。明大は9年ぶりの決勝の大舞台に上がる。相手は関西学生1部リーグ王者の関西学大。勝利すれば創部初優勝の快挙となる。「絶対勝って4年生を泣かして胴上げしたい」(崎前)。1回戦から4試合、激闘を繰り広げてきた明大戦士たち。勝利の笑みはどちらに。いよいよ決戦へ外種子田組最後の戦いが始まる。
[橋場涼斗、木曽琴乃]
試合後のコメント
加藤監督
――監督の選手交代の采配も勝負を分けたと思いますがいかがですか。
「ベンチメンバーも含めて控えの選手が出てもクオリティを落とさずに60分間戦えるメンバーがそろっているので、そこで出ている選手のその日の調子を見ながら選手を変えて、ゲームの流れを相手に渡さず、運べているので、トーナメント今4試合が終わってできているのかなと思います」
崎前
――試合全体を振り返っていかがですか。
「最後の最後まで追いかける形だったんですけど、このインカレが始まってから、2回戦の中大と準々決勝の東海、両方とも最後まで1点2点を争うゲームだったので、こういうゲームは向こうより慣れていたので、何とかできて良かったです」
向谷内
――決勝点を決めた時の心境を振り返っていかがですか。
「(ボールが)来るかもなみたいなふうには思っていたんですけど、それは多分全員思っていて。たまたま僕に最後回ってきて、決めることができました。4年生と1試合でも長くこのチームでプレーできることができてうれしいです」
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