5連覇目指す中大撃破! 大金星で頂点へ一歩前進/全日本学生選手権

2025.11.03

 初戦を突破し、2回戦で対するのは全日本学生選手権(インカレ)4連覇中の中大。今年度の関東学生春季1部リーグ戦(春リーグ)では1点差で敗北、秋リーグは引き分けと明大にとって因縁の相手だ。試合を通して中大がリードする展開が続いたが、後半終盤に明大が逆転。青砥直輝(商1=駿台甲府)が15得点と勝利の立役者となり、明大が優勝候補相手に大きな一勝を挙げた。

◆11・2〜6 全日本学生選手権(いしかわ総合スポーツセンター)
▼11・3 2回戦 対中大戦
 ◯明大39{17ー18、22ー19}37中大

 注目の一戦は明大の連続得点で幕を開けた。開始30秒に小嶋悠斗(営3=市川)のサイドシュートで先制すると、GK坂本京介(営1=洛北)のセーブから攻撃の形をつくり小泉涼太(農3=藤代紫水)が得点。続けて熊谷継(農1=藤代紫水)も鮮やかなループシュートを決め、約2分の間に3点リードを奪う。「スタートは本当に大事という話をしていて、理想通りの、守ってからの速攻ができていた」(青砥)と文句なしの立ち上がりを見せた。しかし、徐々にインカレ常勝軍団・中大が牙をむく。前半11分の相手ゴールで向谷内海都(営3=氷見)が2分間の退場になると、連続ゴールで同点に追いつかれ、カウンターから無人のゴールへシュートされ6ー7。簡単な試合運びとはいかず、リードを許した。中盤は互いに点を取り合い1点差の展開が続いたが、明大は7メートルスローを2本決め切れなかったことが響き追いつけない。13ー14で迎えた前半23分に中大の選手が2分間の退場となり数的有利になったものの1点ビハインドは変わらず。27分には小泉のシュートがゴールポストに阻まれると、ループシュートを決められ15ー18に。「相手の判断が正確だったり、(自分たちが)ディフェンスで守り切れなかった」(加藤良典監督)。リードを広げられたが、残り1分から青砥と向谷内の連続ゴールで1点差に迫り、前半は終了。残り40秒でのディフェンスで青砥が反則を取られるも、前半終了のホイッスルが鳴った後にシュートを放ったとして中大の選手が退場に。後半は互いに1人少ない状態から始まることとなった。

 1点リードを許して迎えた後半、3分に小嶋がディフェンスで反則を取られ2分退場となり、7メートルスローも与えるが、GK坂本が完璧なセーブを見せる。しかし直後にエンプティ―シュートを決められ点差は4点。9、10分に青砥が7メートルスローを決め2点差に縮めると、直後のディフェンスで相手ボールを奪い取り、すぐにゴール前に構えていた崎前風諒(政経3=北陸)へパスが渡り得点を決める。さらに12分に崎前のサイドシュートが決まり同点に追いついた。19分に3点ビハインドとなるが23分に熊谷が2枚のディフェンスに阻まれながらも得点し、約4分間で3点差を追いつく。25分の段階で35―35という勝負の行方がわからない展開となり観衆は騒然となった。しかし25分には青砥、26分には近藤の連続シュートで2点リードに成功。「前半の序盤以外はずっとリードされっぱなしだったので、その中で自分が打ったミドルシュートが決まったのは勝利への兆しとなったので良かった」(青砥)。青砥は後半10得点の大活躍を見せた。GK坂本が観客席まで飛ばすスーパーセーブを見せ雄たけびが響き渡る。29分にも7メートルスローを2本獲得しいずれも青砥が確実に得点。長いシーソーゲームを制したのは明大となった。

 インカレ4連覇中の王者・中大を破り劇的勝利をつかみ取った。試合後には涙する選手も。「60分間選手たちがルーズボールや1点への執着心を出して、体を張ってプレーをしてくれた。120パーセントの力を出し切ってくれたと思う」(加藤監督)。明日は再び同じ関東学生1部リーグの東海大戦を迎える。「チーム力で今日は勝てたと思う。先を見すぎず明日は絶対に勝ちたい」(外種子田渓汰主将・商4=国分)。ベスト4進出へ、明大戦士の戦いはこれからだ。

[橋場涼斗、木曽琴乃]

試合後のコメント
加藤監督
――中大と対戦することが見込まれた中で、どういった対策をしてきましたか。
 「相手がやりたいハンドボールはもう自分たちでも分かっていたので、そこの勝負どころの徹底と、それを組み合わせが出てから徹底してやっていたので、それが今日出せて良かったです」

外種子田
――主将から見て今試合のMVPは誰を選びますか。
 「青砥直輝ですね、彼がペナルティー(7メートルスロー)を全部決めてくれたので、流れを相手に渡すこともなく、いいところでも決めてくれました。1年生ですけどよくやってくれたと思います」

青砥
――インカレ4連覇中の中大が相手でした。
 「相手が4連覇中というのもあって、ここにずっと準備してきて、強いイメージはありましたが、早いうちにそれを払拭して、自信のあるプレーをしっかり出し切れました。並行の攻撃が上手い相手で、全部右側でフィニッシュしてくるので、それをうまく守って、最後に打たせようとやっていました」

坂本
――前半を振り返っていかがですか。
 「いつもディフェンスと会話しながらプレーしているんですけど、それもしっかり試合中喋りながらできていたし、オフェンスでいい形で点を取って、ディフェンスで守り切るっていういい流れができていたので、それを継続できたから良かったと思います」