100戦目となる慶明戦 両者譲らぬ攻防戦に「明治」コールも/関東大学対抗戦Aグループ

2025.11.03

 今年度で100戦目となる慶明戦。秩父宮ラグビー場は両校の熱烈なファンで埋まり、大盛り上がりを見せる。記念日にふさわしい大接戦の末、試合は24―22で明大の勝利となった。

◆11・2 関東大学対抗戦Aグループ(秩父宮ラグビー場)
▼対慶大戦
 ○明大24{19―5、5―17}22慶大

 明大は立ち上がりにノットリリースザボールの判定を受け、自陣へ侵攻される。しかし相手のノックフォワードからファーストスクラムを組むと右プロップ山口匠(政経3=流経大柏)のサイドを軸に回してコラプシングを獲得。エリアを戻す。慶大の激しいタックルに攻め手を欠き、後退したところでスクラムハーフ柴田竜成(営4=秋田工)がハイパントキック。相手のカウンターアタックを右ウイング白井瑛人(商2=桐蔭学園)のライン際のファインプレーで相手をタッチに出しラインアウトに。そのままモールでアドバンテージを得ると、相手は白井のキックをフェアキャッチしてプレーが切れ、再度ラインアウトになる。モールを組むとフッカー西野帆平(文4=東福岡)が早めに持ち出して11分にトライ。先制点を挙げた。拮抗(きっこう)したゲームが動いたのは22分。明大はスクラムで反則し、自陣深くでのラインアウトを許す。スキを突かれ同点トライを決められた。しかし32分、スクラムからBKに回すと、右センター平翔太主将(商4=東福岡)からフルバック竹之下仁吾(政経3=報徳学園)に渡り、コート奧へのキックを左ウイング東海隼(情コミ4=光泉カトリック)が追いかける。ボールキープはならなかったが、陣地を大幅に上げる。相手のキックを受けた左センター伊藤龍之介(商3=国学院栃木)がビッグゲインして取り戻し、最後は平主将がゴールラインまで持っていき追加点を決める。さらに38分はラインアウトからモールで西野がトライ。「ゴール前で明治のプライドのモールをまとまりよく組めたので、自分の判断で抜けた」(西野)。試合を19―5で折り返した。

 後半は蹴り合いからスタートする。ハイボールの競り合いで明大がノックフォワードを犯し、スクラムになる。相手はスライドして横に展開し、ラックを組んだところでスクラムハーフが内側に切って、トライラインの内側へ。このプレーは流れを変え、明大は苦しい時間が続く。自陣でのプレーを強いられ13分には得点が並び、19分にはオフサイドでショット権限を与え、逆転されてしまった。明大は蹴り上げたボールをキープし、FWでゲインする。スクラムで今度は相手にペナルティが下り、セットプレーを展開。柴田から代わった田中景翔(文3=常翔学園)がスティールからマイボールにするがノックフォワード。しかしスクラムで取り返し、スタンドオフ萩井耀司(商2=桐蔭学園)のキックで着実にエリアを取る。ライン際でとモールを組んでFW戦に持ち込むも相手の必死のディフェンスでなかなかラインを越えられない。会場からは明治コールが湧き起こる。計25フェーズにも及んだ攻防戦は相手に軍配が上がり、グラウンディングすることはできなかった。残り5分、今度は明大が守る番だ。こちらも苛烈な戦いを繰り広げるが、最後は相手が蹴り出して最終スコア24―22で幕を閉じた。

 予想外の終結を迎えた慶明戦。試合に勝利はしたが、平主将も「後半はフォーカスが全然体現できず、相手の波に乗られてしまった」と語るように手放しには喜べない結果であることは確かだ。二週間後に控える帝京大戦に向けてさらなるチームレベルの向上は必須だろう。

[近藤未怜]

試合後のコメントはこちら

(38)関東大学対抗戦・慶大戦 試合後コメント① – 明大スポーツ新聞部

(39)関東大学対抗戦・慶大戦 試合後コメント② – 明大スポーツ新聞部