初出場の佐藤が3位入賞!/講道館杯全日本体重別選手権

2025.11.03

 社会人も含め、各級のトップ選手が日本一を競う講道館杯全日本体重別選手権(道館杯)が開催された。グランドスラム東京の出場権争いでもある今大会。明大からは10名の選手が出場し、初出場ながら佐藤星衣(政経2=修徳)が60キロ級で3位に輝いた。

◆11・2 講道館杯全日本体重別選手権(千葉ポートアリーナ)
▼60キロ級

天野――2回戦敗退

佐藤――3位
▼73キロ級

松原――3回戦敗退
末次――5位

髙橋――2回戦敗退
▼81キロ級
伊澤――7位

笠川――2回戦敗退

祝――3回線敗退

奥田――2回戦敗退
▼100キロ級
井手――2回戦敗退  

 伊澤直乙斗(政経3=習志野)にとって今大会は4度目の正直となる。初出場を果たした高校3年時から最高記録は3回戦止まり。屈辱を晴らすべく挑んだ初戦は、背負投からの押さえ込みで一本と好調なスタートとなった。3回戦はなかなか相手のリズムを崩せず苦戦したが、延長戦に大外返で有効を獲得し、順調に勝ち進む。しかし、4回戦では中盤に背負投を決められ一本で敗北。入賞の望みを懸け敗者復活戦に臨んだが、序盤に足技で技ありを奪われると優位を覆せず敗退となった。

 今大会初出場となる末次晴倫(政経3=沖学園)。初戦・2回戦は膠着(こうちゃく)した戦いとなりGS(ゴールデンスコア)に突入すると、5分57秒に一瞬のスキを狙い抑え込み一本を獲得した。続く3回戦は7分を越える長期戦となるも、相手の反則負けを誘発し次戦に駒を進める。4回戦は序盤から両者仕掛けスピード感のある試合となったが、技は決まらずまたもGSへ。しかし、大外刈で技ありを取られ敗戦した。敗者復活戦を勝ち抜き迎えた3位決定戦は激しい組み合いとなる。ピンチをしのぎつつ、チャンスを狙うが残り50秒で技を仕掛けにいったところを逆に突かれ、小外刈で有効を奪われ敗北となった。

 末次と同じく今大会初出場となった佐藤は初戦を不戦勝、続く2回戦は豪快な一本背負投で勝ち進む。3回戦は激しい攻防でスタートした中、直後に背負投を決め有効を獲得。リードを得るとそのまま攻めの姿勢を崩さず終盤にも有効を重ね勝利した。4回戦は両者チャンスを狙い合うもなかなか技が入らず拮抗(きっこう)した展開が続く。残り39秒で激しい攻防の中佐藤が仕掛ける。浮落で技ありを獲得し、明大勢唯一の準決勝進出を決めた。しかし日本一の壁は高かった。1分11秒、体制を崩したところを返され抑え込まれる。抜け出そうとするもタイムアウト。「日本のトップの選手と戦えるのがうれしかったが、もっと強みを出したかった」(佐藤)と悔しさを胸に3位決定戦に進んだ。メダルが決まる最終戦は開始直後から巴投を狙いにいくなど果敢に攻める。「攻めまくるしか道はない」(佐藤)と終始攻撃に出続け主導権を握ると、終了間際に仕掛けにきた相手のスキを見逃さず背負投。技ありを獲得し見事初出場で入賞を果たした。

 今年度の公式戦が終わった。4年生の松原咲人(政経3=大成)と天野武蔵(法4=足立学園)は惜しくもどちらもメダル争いに食い込むことはかなわなかったが、最後の勇姿を見せてくれた。一方伊澤は昨年度の記録を超え一歩前進。末次、佐藤の2人は初出場ながら快進撃を見せ、佐藤はそのままメダルを勝ち取った。王者誕生とはいかなかったが、来年度を期待できる着実な成長が感じられた今大会。しかし、重量級が弱いという課題も残っている。「(来年度の目標は)道館杯優勝と団体で日本一を取ること」(伊澤)。それぞれ個人の頂、そして団体全国制覇へ。今年度、明大が掲げた夢は来季へと託される。

[藤原茉央]

試合後のコメント
伊澤
――印象に残っている試合を教えてください
 「3回戦です。自分の組み手に持っていくことができなくて、相手の形で柔道することになってしまいましたが、勝てたのは少し強くなれたのかなと思います」

――今後の改善点を教えてください
 「強い相手だと長期戦になってくるので、競り勝つスタミナと集中力をつけたいなと思います」

末次
――コンディションはいかがでしたか
 「階級を上げてから減量がほとんどなくなっていい感じに結果を残せています。毎日の稽古も妥協せずにやっていました」

――今大会を通してご自身の強みは出せましたか
 「技の際だったり、ワンチャンスを逃さずできたのは良かったです」

佐藤
――初出場で3位となった率直な今の気持ちをお聞かせください
 「自分の実力はしっかり出せたなと思います。それと同時にトップの選手との差もすごく感じて、まだまだ強くなれると思いました」

――1年間を振り返ってみてご自身の成長としてはいかがですか。
 「去年は観客席で見ているだけで基本的に出る側に立つことはあまりありませんでした。その悔しさをバネに1年間頑張ってきて、大きく成長につながったかなと思います。来年は自分が主軸となってチームの優勝に貢献したいです。個人としては、世界大会に出られるように国内の大会で上位に上がり続けることが目標です」