苦難の先に見えた光 残留で見せた成長の証/関東大学2部リーグAブロック・Bブロック入替戦

 明大が関東学大との入替戦を制し、2部Aリーグの座を守った。全敗に終わったリーグ戦だが培ったものを発揮し、意地を見せつけた。

◆11・1関東大学2部リーグAブロック・Bブロック入替戦(新座市民総合体育館)
▼11・1 対関東学大戦(新座市民総合体育館)
〇明大78{26-15、16-16、19-20、17-24}75関東学大

スターターは、PG萩原加奈(文3=浜松開誠館)、SF神山南帆主将(文4=白鷗大足利)、SF藤井花(商1=日本航空)、SF尾花優心(政経2=下妻第一)、CF後藤葉の佳(理工4=鵠沼)。

 残留と昇格をかけた入替戦。全敗でリーグ戦を終えた明大は、2部Bリーグを全勝で勝ち上がってきた関東学大と激突した。勢いにのる相手に第1Pは足を動かすテンポのよい攻撃を展開。「足が動いて、自分たちの展開でバスケットができた」(神山)と立ち上がりを振り返った。

 しかし徐々に流れが相手に傾く。リバウンドやルーズボールの取りこぼしから得点を奪われ立ち上がりで稼いだリードを追いつかれてしまう。「リズムが悪くなってくると、個々のプレーが→トルに走りがちだった」(小島つばさコーチ)と今季の明大の課題の一つ、チームプレーが欠ける展開になった。

 最終第4Pでは残り2分を切ったところで相手に一時逆転となる3Pシュートを沈められ1点を追いかける展開に。それでも直後にファールでフリースローを獲得した後藤がフリースローラインに立つ。「ここは決めるしかない。自分が決めなきゃ誰が決める」(後藤)とプレッシャーのかかる場面で2本を沈め、明大が勝ち越しに成功した。残り時間わずか、タイムアウトで確認したのはしっかり時間を使うということだった。オーバータイム突入も頭によぎる中「最後は気持ちで勝てたのかな」と神山。大接戦を制し残留をつかみ取った。

 これで明大は2季連続での2部Aリーグ残留となった。今季のリーグ戦は勝ち星から遠ざかったものの、間違いなくチームとして成長した。来年もこの厳しい環境に身を置くことに大きな意義がある。全敗の悔しさを乗り越えてつかんだ勝利は、価値ある未来への一勝となった。現メンバーで戦う試合は11月の六大学対抗戦が最後となる。「基礎として当たり前なこと以外に、新しい目標を立てていけたらいいなと思う」(神山)と最後まで成長を誓った。栄えある未来へ、彼女たちは歩みを止めない。

[川瀬吾一]

試合後のコメント
小島コーチ
――今年の2部Aリーグでの戦いを振り返っていかがですか。
 「なかなか勝てないところで、メンタルはやられていたとは思うのですが、それに負けずに今年は最後までやり切れていました。大差で負けているわけじゃなくて、力が少し及ばずなどでした。その部分がやはり悔しいところではあります。2部Aリーグで戦っているとやはりかなわないなという部分があります。体格的な部分や選手層でなかなか苦しい部分はあるので、来年はそこをクリアにできるようにチームづくりをしていきたいと思います」

――来年のキーマンは誰ですか。
 「11番の萩原には頑張ってもらいたいと思います」

神山主将
――リーグ戦最終節から入替戦に向けどのように準備してきましたか。
 「2巡目の途中で関東学院とやることは決まっていたので、その中で2番(関東学大・青木らするな月)のところや、相手のセットプレーでやりたいことをやらせないように頑張ろうと言ってやっていました。しっかりビデオを見て対策はしていたんですけど、相手は自分たちがアクションを起こすと、リアクションで違うプレーに変えてきて、そこが難しかったです」

――来年も2部Aリーグで戦うことが決まりました。
 「今年は結構チームバスケットをやって、勝ち切れなかったんですけど接戦が多かったので、それを来年は1勝でもできるようにチームバスケットをしながら、精度を上げていくというところをやってほしいと思います」

後藤
――勢いに乗っている相手に対してどのように戦いましたか。
 「勢いに乗らせるとよくないので「相手にできると思わせないようにしよう」と話していました。自分たちは腹から声を出して「2部Aで戦ってきたチームなんだ」ということをしっかり伝えるくらいの気迫で、まずは声で圧倒しようと思っていました。そして、勢いに乗らせないという部分では、ルーズボールやリバウンドなど、これまで2部Aリーグ戦で戦い抜いてきた中で、自分たちが勝ってきた強みを見せつけよう、とチームで確認していました。実際にその部分はしっかりと出せたと思います」

――六大学対抗戦の抱負を教えてください。
 「チームとして今までリバウンドやルーズボールという基礎的な部分を目標にやってきたんですけど、対抗戦ではまた一回りレベルアップできるようにやっていきたいです。自分は引退となる対抗戦なので、集大成として全部出し切りたいです」

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