男女アベック4連覇 紫紺の強さを見せつける/全日本学生選手権

2025.11.02

 アベックで総合団体4連覇がかかっていた今年度の全日本学生選手権(インカレ)。王者でい続けなければならない重圧に打ち勝ち、見事に男女で4連覇を達成。大学射撃のゆるぎないトップであることを証明してみせた。

102326 全日本学生選手権(栃木県ライフル射撃場)
▼男子総合
 明大――1位
▼女子総合
 明大――1位

 インカレでは男子4種目、女子3種目が行われるが、その中で男女ともに50mライフル3姿勢と10mエアライフル立射の2種目が団体戦を兼ねている。1種目3人のレギュラー選手が撃った得点の合計を競い、点数の合計で総合団体順位が決まる。

[男子]
 50mライフル3姿勢では関口慈英主将(政経4=国際学院)、長屋光珀(国際2=済美)、富岡亮太(政経3=栄北)、大山誠道(政経2=国際学院)がファイナルに進出し、関口、長屋、富岡で表彰台を独占した。優勝した関口は「10年間(射撃競技を)やってきた中で個人で優勝したことが一度もなかったので、4年間で最も印象に残った試合になった」と喜びを口にした。団体でもライバル・日大に11点差で優勝を収めた。
 強さを見せたのは50mライフル3姿勢だけではない。10mエアライフル立射団体でも優勝し、総合団体優勝を決めた。最終日に行われたファイナルには大山、小林弥来(商1=下館一)、高岡優介(政経1=済美)が進出し、高岡がルーキーながら予選1位の選手を破って優勝。大会新記録も打ち立てた。
 関口は「周りが練習して頑張ってくれたから優勝できた」と仲間への感謝を口にした。チーム一丸となってつかんだ総合団体4連覇だった。

[女子]
 「4年間で最も印象に残った試合だった」と、昨年のパリ五輪代表選手・野畑美咲(商4=由布)は振り返った。10mエアライフル立射では本選から野畑、泰地陽詩(商2=徳島県立城北)が1位2位を独占し、ファイナルでは昨年度と同様に野畑、泰地が優勝を懸けて一騎打ちとなった。昨年度は10点代連発のハイレベルな展開の末、泰地が制した一戦だが、今年度は野畑が254.2点で日本新記録と大会新記録を更新して優勝。野畑は50mライフル3姿勢のファイナルでも優勝を収め、個人としても輝かしい成績を残した。50mライフル3姿勢団体では日大に優勝を譲るも、10mエアライフル立射団体で巻き返し女子総合優勝7連覇を達成した。

 今年度も大きなプレッシャーを抱えながらも〝明大史上初〟を塗り替えアベック4連覇を達成した明大。関口、野畑が口をそろえて今大会が4年間で一番の思い出だと語るほど、この総合優勝は大きな意味を持った。関口は「強いチームには『規律と一貫性』がある」と語った。来年度もこの言葉を胸に、5連覇へと進んでいくに違いない。

[川村暖]

試合後のコメント
関口
――最後の1年は主将としてチームを背負った1年でしたが振り返っていかがですか。
 「最後に個人で50mライフル3姿勢で優勝もできて、本当に苦しい4年間で優勝とは程遠かったのですが、結果こうして最後に花を持って終わることができて、本当にみんなのおかげだというふうに感じています」

――射撃の魅力を教えてください。
 「一発にかける思いというのが射撃の魅力だと思っています。本当に最後の一発まで集中しないと逆転されてしまうので、それぞれが背負って抱えている中での一発は何よりも重いものだと思います」

――改めて大会の総括と後輩へのメッセージをお願いします。
 「来年は5連覇を目指していくと思いますが、かなりの重圧を抱えるはずです。その中でやってきたことは自信につながると思うので、来年も5連覇に向けて頑張ってほしいです」

野畑
――4年間を振り返っていかがですか。
 「とても長い4年間だったと思います。五輪にも行きましたし、新しい環境で点数が落ち着くまで時間がかかったスランプも経験した4年間でした」

――明大射撃部に入部して良かったことは何ですか。
 「他大とは違う明治の良さがあります。みんな点数の目標がすごく高くて、一般試合に対する出場意欲もたくさんあって、すごく高め合っていけるチームなので、そこが良いと思います」

――これから後輩とどのように関わっていきたいですか。
 「私も一般試合でこれからもたくさん会うと思うのですが、その時にもっといろんなことで声をかけてほしいですし、聞いてほしいと思います」