プロジェクト初年度 チームの現在地を語る/ホームカミングデー

2025.10.30

 10月26日に開催されたホームカミングデー内で、競走部・駅伝チームによるトークショーが開催された。園原健弘監督、大志田秀次駅伝監督と箱根駅伝予選(箱根予選)に出場したメンバーが登壇し、大きな改革の一歩を踏み出した今年度の振り返りと今後の展望を語った。

 「2年連続(箱根駅伝)本選に出場できない中、多くの皆さまにお集まりいただきまして、誠にありがとうございます」という園原監督の言葉から始まり、紫紺の襷プロジェクト発足の経緯やそれによって現場にどのような変化があったかが語られた。今年度の箱根予選の結果について、園原監督は「やはり1年かけてきたことですから、そう簡単に立ち直れるものではありません。ですが下を向いていても何も現実は変わらないので『前を向いて進もう』と、新体制でスタートを切っています」と現状を語った。また「皆さまのご声援が大きな力となり、われわれの背中を押してくれています。この間の予選が終わりではなくスタートですので、引き続きのご支援をよろしくお願いしたいと思っております」と、支援への感謝で結んだ。

 大志田駅伝監督からは、選手との関係構築面についての話があった。スランプに悩む選手に対して「基本的には1人で物事を考えるのが最優先ではあります。ただわれわれがコーチングスタッフとしてやることは、選手が今何を考えているのか、われわれは何をやらせたいのか、何をやるのか、を互いに話し合うことが必要だと思い、重点的に取り組んできました」と大志田駅伝監督流の寄り添い方を語った。箱根予選で15キロ以降に苦戦した選手が多かったことについては「選手と、練習のどこが足りなかったかを話しています。そのヒアリング内容をまとめて、来年度の作戦につなげていきたいと思っています」と、チームが歩み始めている道筋を示した。

 トークショー内では選手一人一人が話す時間も設けられた。選手からはホールに集まった人たちへ今年度の厚い支援への感謝と、今後への意気込みなどが語られた。室田安寿(情コミ4=宮崎日大)長距離主将は、自身が思う次世代のキーマンを尋ねられ、石堂壮真(政経3=世羅)の名を挙げた。「走りの部分ももちろんですが、競技に対する熱意はチームでもトップの方だと思います。石堂の走りが来年度の箱根予選会や箱根駅伝につながってくるのではないかなと思います」と言葉を寄せた。この評価に対して石堂は「期待してもらえてうれしいです」と笑みをこぼし「もう来年度に向けての挑戦を行っていて、次の試合に向けて切り替えて練習をしています」と、持ち前の熱意が見えるコメントも残した。

 2032年1月3日という目標地点に向け、明大競走部・駅伝チームが着実に前へ進んでいることがうかがい知れる時間となった。その歩幅は決して大きくはないかもしれないが、一人一人の努力は大地を耕し、やがて確かな実を結ぶ。未来を紡ぐ彼らの歩みに、ぜひ今後も注目し続けてほしい。

[春田麻衣]