立大を12トライで撃破 後半戦に向け勢いに乗る/関東大学対抗戦Aグループ

2025.10.28

 関東大学対抗戦(対抗戦)4戦目の相手は立大。前節の「口数が少なかった」(右センター平翔太主将・商4=東福岡)という反省を踏まえて『トークアップ』をテーマに試合に臨んだ。前節と同様に悪天候の中で行われた今回の試合だったが、ハンドリングエラーやペナルティーの数は少なく終始明大のペースで試合進む。最終スコアは76―7、対抗戦の後半戦に向けて弾みをつける結果となった。

◆10・26 関東大学対抗戦Aグループ(足利ガスグラウンド)
▼対立大戦
〇明大76{33―7、43―0}7立大

 試合の序盤は明大の猛攻が続いた。前半10分、スクラムからフリーキックを獲得するとすぐにリスタート。反応する間も与えず一気に相手を押し込む。すると、ディフェンスラインの隙間からナンバーエイト利川桐生(政経4=大阪桐蔭)がラインブレーク。相手のディフェンスをものともしない豪快なボールキャリーを見せ、そのままトライエリアへとボールを運んだ。続く15分には相手ラインアウトからボールを奪い、カウンターを仕掛ける。素早く好守を切り替え攻撃に転ずると、スタンドオフ萩井耀司(商2=桐蔭学園)が空いたスペースへとボールを運び、左ウイング東海隼(情コミ4=光泉カトリック)がトライを挙げた。「1週間練習してきたことがチーム全体としてできていたので、取り切ることができて良かった」(東)。さらに18分、右ウイング白井瑛人(商2=桐蔭学園)のキックを左フランカー最上太尊(商4=仙台育英)が再獲得し敵陣深くまで入る。するとラックからスクラムハーフ柴田竜成(営4=秋田工)が大きく展開、外までパスをつなぐと最後は東が得点を追加した。「前半はキックで主体的にエリアを狙おうという形で、それがうまくいったのでアタックで前に出られた」(平翔)。勢いに乗ったように見えた明大だったがキックオフ直後、立大に自陣深い位置でのキックチャージをされてしまいトライを許してしまう。しかし34分に柴田のスティールからペナルティーを獲得。敵陣深くでのラインアウトからモールを組み、相手トライラインまで迫る。近場の攻防となるも利川がグラウンディング。さらに42分にはラインアウトから左センター伊藤龍之介(商3=国学院栃木)が相手のディフェンスを切り裂き抜け出す。相手に捕まることなくそのまま走り切り、得点を追加し33―7で前半を折り返した。

 後半も明大のペースで試合は進む。後半6分、相手のペナルティーから敵陣5メートルでのラインアウトを得る。モールはサックされ崩れるもフォワードで押し込み続け、利川がハットトリックとなるトライを挙げた。10分にはラインアウトから平翔がラインブレークを見せ、アタックラインを自陣から敵陣まで押し上げる。立大に素早くディフェンスラインをつくられるも伊藤龍が裏を突くグラバーキック。これに反応したフルバック竹之下仁吾(政経3=報徳学園)がボールを抑え得点を追加した。続く16分にはスクラムからペナルティーを獲得。ラインアウトからモールを組むと、そのまま押し込みフッカー西野帆平(文4=東福岡)がグラウンディング。「今週は色々新たな試みがあったので、そこを確認する意味でも今日のモールトライは自分たちの自信にもなった。やっていることに間違いはないというのを再認識できたかなと思う」(利川)。その後の23分にも相手ゴールライン前でのラインアウトを得る。FWのメンバー入れ替えがあるも、変わらぬモールの強さを見せ高比良恭介(政経2=東福岡)がトライを挙げた。そして30分、フェーズを重ねながら前へボールを進めると、伊藤龍の内に返すパスから古賀龍人(商1=桐蔭学園)がトライを奪った。さらに35分には敵陣深い位置でのラインアウトからボールを素早く外に展開。最後は高比良がパワフルなランを見せトライを取り切った。「前がBKということもあり、自分が縦に強いキャリーをしてトライできたらいいなと思っていたので、トライまで行けて良かった」(高比良)。そして試合終了にもラインアウトのチャンスを得ると、モールを押し込み高比良が利川に続きハットトリックを達成。キックも決まり76―7で試合を終えた。

 前回の日体大戦に続き悪いコンディションの中での試合となったが、反則が少なく終始主導権を握り続けた。「前回と前々回の両方でシンビンが出て、規律のところはチームメイトで口酸っぱく言っていた。今週のチームのフォーカスでもペナルティーのところが出ていたので、自分たちで80分間遂行できて良かった」(利川)。副将の楠田知己(政経4=東海大仰星)の復帰もあり着々と力をつけていく明大。対抗戦はこれで折り返しとなるが、後半の戦いにも期待したい。

[虻川隼人]

試合後のコメント
平翔
――試合を振り返っていかかですか。
 
「先々週の試合から切り替えて、自分たちでフォーカス決めて挑んだ試合でした。フォーカスしていた『トークアップ』をしっかり体現できたので良かったと思います」

――次戦の慶大戦に向けての意気込みをお願いします。
 
「100回目というのもあるんですけど、そこはそこまで意識せずに、相手に対してリスペクトも持ちつつ、自分たちにフォーカスしてやっていきたいなと思います」

利川
――個人としてアタックとディフェンスを振り返ってみていかがでしたか。
 「さらにボールに関わる機会を増やさないといけないですし、アタックやディフェンスももっとコンタクトの回数を増やしていくというのが自分の役割だと思うので、もっともっとボールに関わっていきたいなと思います」


――今年度の対抗戦で初のウイングでの起用について、何か普段のポジションと比べて意識したことなどはありましたか。

 「1年から3年までウイングをやっていたので、そんなに難しいことではなかったんですけど、自分の役割と責任だけを全うしようと思いました」

高比良
――今回の雨のコンディションについてはいかがでしたか。
 「ハンズアップであったり、縦に強いキャリーだったり、あとはキックを蹴って全員でチェイスしてボール取り返すっていうところだったり、雨の中でしっかりできることを80分間一貫性持ってやれたことが今日の勝利につながったかなと思います」

楠田
――初出場となった対抗戦はいかかでしたか。
 
「楽しかったです。復帰明けだったので久しぶりの試合で、自分の役割しっかり遂行できるようにというのだけ意識していました。対抗戦デビューというのは意識していませんでした」