日本のエース水谷、メダル獲得へ/世界選手権

1999.01.01
 ついにその日がやって来る!!卓球をしている者なら誰もが一度はあこがれる世界選手権。卓球界で最も権威のある国際大会だ。参加国・地域は約150、出場選手は1000人以上――オリンピック(五輪)をも上回る規模のその大会に、明治の水谷隼(政経2)が、日本のエースとして出場する。

 水谷が世界選手権個人戦に出場するのは今大会で3回目。今回も男子シングルス、ダブルス、混合ダブルスの3種目すべてに出場する。10代にして全日本選手権単複3連覇、世界ランキングでも22位(09年4月現在)と、日本男子のトップに立った水谷。「全体的な自分の技とかも、今、高いところに来ている」。世界選手権の舞台で、彼はどこまで魅せてくれるのか。

 北京オリンピック(五輪)が終わった後、水谷は中国超級リーグに参戦。〝世界〟で勝つための訓練を積んだ。世界選手権前最後のITTFプロツアー・ドイツオープンでは、当時世界ランキング10位の荘智淵選手(台湾)を準々決勝で破り、堂々3位に入賞。ダブルスでも準優勝と、「自信になった」。特に岸川選手(スヴェンソン)とのダブルスは、前回大会でメダルの一歩手前のベスト8にまで進出している。だからこそ、「今大会はメダルを狙う」と意気込んでいる。

 中でも特筆すべきは混合ダブルスだ。同じく全日本選手権覇者の平野早矢香選手(ミキハウス)と初めてペアを組む。水谷自身、「(どこまで勝ち進めるか)未知ですね」と話す。新生コンビで世界一の座をつかむかもしれない。

 どの種目にしろ、「絶対倒さなければならないライバル」が中国だ。日本やヨーロッパとは違い、「中国は2球目からすぐ攻めてくる。そこを自分から攻めていけるようにしなければならない」と高山監督。水谷も「中国を倒すところを見せたい」と声を大にする。

 今年は地元日本での開催ということもあり、選手たちの懸ける思いも強い。「いろいろな人に励ましてもらっているし、昔からの友達も応援に来てくれる。そういう多くの応援してくれる人たちのためにも、力を出し切ってプレーしたい」と水谷は話す。そこには、10代を感じさせない、日本のエースとしての顔があった。

 かつては世界一を輩出するほどの卓球王国だった日本。しかしここ数年、個人戦ではメダルから遠ざかっている。今年のゴールデンウイークは、横浜で、日本復活の時を目の当たりすることができるかもしれない。その重責を担うのが水谷だ。明治の、そして日本の水谷から、〝世界の水谷″へ。その瞬間をぜひとも自分の目で見に行こう!!

◆水谷隼 みずたにじゅん 政経2 青森山田高出 172㎝・66kg

☆ナショナルトレーニングセンターでの日本代表練習☆ 

 赤羽にあるナショナルトレーニングセンターで世界選手権日本代表の練習が行われていた。水谷も、4月1日から練習に参加し世界選手権に向け猛練習した。

 4月19日、日本男子代表宮崎監督らが見守る中、水谷はじめ、韓陽選手(東京アート)、松平健太選手(青森山田高)、吉田海偉選手(個人)、松平賢二選手(青森大)、丹羽孝希選手(青森山田中)ら、日本男子代表の面々が練習に励んでいた。

 その日の午後は、15時半から練習が始まった。まず30分交代のシステム練習を行い、休憩の後7セットマッチのゲームを1試合。17時から20時まで食事などの休憩を取り、20時から21時までまた1試合、といった具合だ。

 それらの試合は日本代表の練習に参加している外国人選手も加わった、レベルの高い試合だ。また、本番の大きな歓声に慣れるため、試合中には以前の世界選手権の映像を音声付きで流すなど、まさに間近に迫った世界選手権に照準を合わせた練習を行っていた。

 日本のトップが集い、行われたこの合宿の成果が、明日からの本番で発揮される。日本の代表たちは、きっと期待を裏切らない結果を残してくれるだろう。

[荒井りな]

 

☆明大卓球部の仲間からのエール☆

「隼は日本代表として出るけど、それ以前に明治大学卓球部の大事な仲間なので、全員で全力で後押ししたい。隼も僕らの分もあわせて実力を十二分に発揮してきてほしい」(平屋主将・政経4)

「部員みんなで応援してるから、隼はとにかく自分のプレーに集中しよう!必ず結果はついて来る!」(武田・政経4)

「頂点目指して暴れてこい!」(遠藤・法3)

「メダル目指して頑張れ」(甲斐・営2)

「日本のエースとして頑張ってほしい」(北村・商2)

「自分のベスト尽くして、表彰台を目指してほしい」(松渕・文2)

                        

年度 シングルス ダブルス(ペア) 混合ダブルス(ペア)
◆水谷の過去の成績(※世界選手権個人戦のみ)◆
2005年 ベスト32 1回戦敗退(吉田海偉) 2回戦敗退(梅村礼)
2007年 ベスト32 ベスト8(岸川聖也) ベスト32(福岡春菜)

日付 テーブル 試合時間
◆水谷の世界選手権横浜大会日程表(予定)◆
4月29日 混合ダブルス1回戦 21:00~
4月30日 男子シングルス1回戦 12:15~
男子ダブルス1回戦 16:00~
男子シングルス2回戦 18:00~
5月1日 混合ダブルス2回戦 10:00~
混合ダブルス3回戦 12:00~
男子ダブルス2回戦 15:15~16:00、16:45~17:30
男子シングルス3回戦 18:15~
混合ダブルス4回戦 21:00~
5月2日 混合ダブルス準々決勝 10:00~
男子ダブルス3回戦 12:30~
男子シングルス4回戦 15:30~16:15、18:45~19:30、20:15~
混合ダブルス準決勝 17:00~
5月3日 男子ダブルス準々決勝 11:30~
混合ダブルス決勝 13:00~
男子シングルス準々決勝 16:30~17:15、19:30~
5月4日 男子ダブルス準決勝 16:30~17:15、19:31~
男子シングルス準決勝 16:30~17:15、19:32~
男子ダブルス決勝 16:30~17:15、19:33~
5月5日 男子シングルス決勝 16:30~17:15、19:34~