接戦制せず またも天理大に敗れ3位/全日本学生体重別団体優勝大会  

2025.10.20

 兵庫県尼崎市・ベイコム総合体育館にて全日本学生体重別団体優勝大会が行われた。 シード校として2回戦から参戦した明大は準決勝まで順調に勝ち進むも、天理大に無念の敗北。今年度は全国の舞台で決勝に進むことかなわず、3位に終わった。

◆10・18~19全日本学生体重別団体優勝大会(ベイコム総合体育館)

▼明大――3位

 初戦は6連続一本勝ちと、好調の滑り出しとなった。3回戦・清和大戦では、先鋒・中濱洋希(商1=崇徳)が一本勝ちで流れをつくる。副将・高橋叶(政経2=習志野)が豪快な背負投を受け、1ポイントを失うも最後は引き分けで締め、3-1と勝利した。準々決勝・順大戦は次鋒・佐藤星衣(政経2=修徳)が序盤から積極的に攻め、一瞬のスキを逃さず横四方固で抑え込み、先制点を挙げる。続く五将・伊澤直乙斗(政経3=習志野)は激しい組み合いの末、中盤に巴投で有効を奪い、そのまま優勢勝ちを収めた。さらに、甲木碧主将(政経4=木更津総合)が浮落で一本を決めると、三将・末次晴倫(政経3=沖学園)も技あり2つで一本勝ちを収める。3回戦で唯一一本を許した髙橋も開始直後わずか11秒で鮮やかな出足払を決めて勝利。大将戦は引き分けに終わったものの、5-0と圧倒的な内容で準決勝進出を決めた。

 準決勝の相手は、6月の全日本学生団体優勝大会で敗れた因縁の天理大。「試合前に優勝大会の借りを返そうと話した」(甲木)。先鋒・堀悠隼(政経1=埼玉栄)は序盤から押され、大内刈で技ありを奪われる。立て直しを図るも再び技ありを献上し、悔しい黒星スタートとなった。しかし、次鋒・佐藤はその負けを引きずらず、果敢に攻め込む。抑え込まれそうになる場面も粘り強くしのぎ、引き分けに持ち込んだ。五将・伊澤は積極的に仕掛け、中盤に横四方固で技ありを奪取。そのまま攻めの姿勢を崩さず、内容勝ちでチームに流れを引き戻す。続く中堅・甲木は「引き分けるのが自分の仕事だと思って挑んだ」と語るように、冷静な試合運びで引き分けに持ち込み、三将・末次も粘りの試合で引き分け。勝負の行方は副将・髙橋と大将・片山涼(政経2=國學院栃木)の2年生コンビに託された。

 髙橋は相手の果敢な足技にリズムを乱されるも、徐々に持ち味を発揮し主導権を奪い返す。しかし惜しくも得点には至らず。会場全体の視線が注がれる大将戦は、両者の激しい攻防が続く一進一退の展開となった。応援席からは「片山、やるしかないぞ」という声が飛び交い、重圧と熱気が入り混じる中、片山は最後まで攻めチャンスをうかがう。しかし、試合は膠着(こうちゃく)状態のまま終了。天理大が内容勝ちを収め、明大は今大会も準決勝での敗退となった。

 今年度も、団体日本一の夢には届かなかった。しかし、戦力ダウンが予想された中で「甲木が頑張ってチームを引っ張ってくれた」と中濱真吾監督が語るように、明大は見事3位の座を勝ち取った。2、3年生が中心のチームは、まだ成長途上だ。「この経験を次につなげられるよう、またしっかり稽古に取り組んでいきたい。来年度も目標は優勝大会(全日本学生優勝大会)と体重別団体(全日本学生体重別団体優勝大会)での優勝。そのためには、日本一にふさわしいチームにならなくてはいけない」(中濱監督)。この敗北を糧に、来年度こそ悲願の日本一をつかめるか。再び決勝の舞台に立つ彼らの姿に期待が高まる。

[藤原茉央]

試合後のコメント

中濱監督

――今大会を振り返って選手たちに一言お願いします。

 「準決勝は天理大ということは予想していて、相手は学生チャンピオンだらけで格上なのでしぶとくいこうと話していました。今持っている力は出してくれたかなと思っています」

――準決勝を振り返っていかがですか。

 「接戦になるか、ワンサイドゲームになるか分からなかったですが、上手く引き分けるところは引き分けて、接戦にしてくれました。ただ1つ力が足りなかったかなという感じです」

――今回得た成果と課題を教えてください。

 「軽量級はそれぞれ力を出してくれて、格上の相手もいましたが、団体戦なのでしぶとく。課題としては、重量級です。90キロ級、100キロ級、100キロ超級は個人大会(全日本学生体重別選手権)でも勝てなかったので、そこの強化が課題になってくると思います」

甲木

――3位という結果になりましたがいかがですか。

 「2年連続決勝進出していて、今年も決勝に行って優勝するという気持ちだったのですが、準決勝で天理大に負けてしまい、3位ですが悔しい気持ちです」

――明大生として、主将として最後の大会でしたがいかがですか。

 「伝統と歴史ある柔道部の主将を務めさせていただいて、日本一を目標にやってきましたが、届かず終わってしまいました。来年は後輩たちが日本一になれるように卒業までサポートしていきたいなと思います」