
(男子)佐藤が優勝! 三浦は3位入賞/東京選手権
大会最終日は男子FS(フリースケーティング)が実施された。佐藤駿(商4=埼玉栄)FSでは2位にとどまったものの、前日のSP(ショートプログラム)で築いたリードを生かし、総合優勝を果たした。一方、三浦佳生(政経2=目黒日大)はジャンプの乱れ、思うように得点を伸ばせず、総合3位という結果に終わった。
◆9・19~9・21 東京選手権(辰巳アイスアリーナ)
▼選手権男子

SP首位の佐藤は「朝の練習と本番の1時間前くらいに痛み止めを飲んだ」と、足首の痛みを抱えながらFSに臨んだ。冒頭の大技・4回転ルッツで転倒し、出だしから流れを乱す。続くトリプルアクセルには加点がついたものの、その後のジャンプでも回転不足や減点が重なり、TES(技術点)を伸ばすことができなかった。それでも148.81点で2位となり、吉岡希(法大)に次ぐ得点を記録。総合では首位を守り、優勝を果たした。

SP2位からの巻き返しを狙った三浦は、甲冑をモチーフとした存在感のある衣装で登場。冒頭の4回転ループで回転不足を取られると、続く2連続ジャンプも着氷が乱れ、なかなか流れに乗れない。それでも中盤のステップシークエンスで立て直し、後半には3連続ジャンプを決めて演技をまとめた。結果は総合3位と課題を残したものの、4回転を3本入れて全て着氷まで持っていけ、内容としては光の見えるものだった」と前向きに振り返った。

菊地は新しいFS『アリス・イン・ワンダーランド』を披露した。冒頭の3回転フリップと2本目のトリプルアクセルを含むコンビネーションジャンプを加点のつく出来で着氷。しかしその後のジャンプではミスが続いた。演技中盤のコレオシークエンスでは「自分のできる技最大限見せて加点がもらえる場所だと思う。音ハメは意識できた」とGOE(出来栄え点)1を記録。最後はチェンジフットシットスピンでレベル4を獲得して演技を締めた。菊地はSPから順位を上げ総合6位。「SPで失敗して出遅れた分巻き返さないといけないという状況で、前半はまだまとめた方ではあったが、後半は体力が続かなかった。そこは東日本(東日本選手権)に向けての課題だと思う」と振り返り、次戦を見据える。

「最初と2本目に4回転を組み込んでいて、そこの2本を降りるのが今日の目標だったが、2本とも失敗してしまって立て直せなかった」と振り返った磯和。スケート靴の調整に苦戦し演技を通して安定感に欠けた。それでも「一番はシニアでの初の公式試合で、その周りの選手とのレベルの差が、知れるいい機会だった。東日本では感じた差を埋められるように、1カ月集中してやっていきたい」と前を向く。総合12位で今大会を終えた。

「少しもったいない部分が多かった」と演技を振り返った丸山。冒頭の3回転ルッツで回転不足を取られ、続く3回転サルコー、3回転トーループも着氷こそしたものの、ミスが続いた。全体的にジャンプの精度に課題を残したが、スピンやステップでは着実にレベルを取り、演技を途切れさせることなく滑り切った。今後に向けては、ジャンプの安定感と加点をどこまで積み上げられるかがカギとなる。

FS全体としては、技術面、表現面ともに精度を欠く場面が目立ち、各選手にとって課題が明確となる試合となった。一方で、それぞれの個性や可能性も随所に光り、次戦に向けてどのように修正、成長していくかが注目される。
[堀口心遥、藤岡千佳]
試合後のコメント
佐藤
――GPシリーズ(グランプリシリーズ)に向けて意気込みをお願いします。
「GPを含め、全日本(全日本選手権)に向けてあっという間だと思うので、まずは自分の中で2カ月間できなかった部分を取り戻して、ロンバルディアでいいFSが滑れて、今回はSPでいい演技が出来たのでその両方をGPで出来るよう1戦目から頑張りたいです」
三浦
――GPシリーズに向けてどのような練習をしていく予定でしょうか。
「プログラムを通してやる力はできていると思うので、あとは細かい部分、特にサルコーのコースがきつくてパンクしてしまっている部分を見直したいと思っています。そこを直せば、サルコーの調子もいいので成功できると思います。プログラムの微調整を行ってGPシリーズに万全な状態で臨めれば期待できる内容になると思っています」
菊地
――ブロックを総括して、収穫はありましたか。
「いいところを見つけたというよりかは、駄目なところが複数見つかって、これを改善していけばもっと伸びしろがあるなと感じたのでそこを次の試合に生かしたいと思います」
磯和
――東日本まで具体的にどのような調整していきたいですか。
「もともとトリプルアクセルが武器だったんですけど、最近跳べなくなってしまって。で、東京ブロックまでに調整が間に合わんかっ→なかったので、まずはトリプルアクセルを東日本までに戻すことと靴の調整をしていきたいです」
丸山
――次の試合に向けて意気込みをお願いします。
「今回は夏季フィギュアさらに滑り込んでいたので、いい演技が出来ると思っていたのですが、まだまだ滑り込みが足りないと感じたので、東日本までの1カ月間もっと滑り込みたいと思います」
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