(男子)佐藤が95.29点で貫禄の首位発進/東京選手権

 東京選手権(ブロック)2日目にはシニア男子のSP(ショートプログラム)の演技が行われた。明大からは佐藤駿(政経4=埼玉栄)、菊地竜生(政経3=目黒日大)、三浦佳生(政経2=目黒日大)、丸山英希(法2=宇都宮短大付)、磯和大智(営1=京都両洋)の5人が出場。佐藤は4回転ルッツを含む全てのジャンプを着氷し、95.29点をマークし首位につけた。

◆9・19~21 東京選手権(辰巳アイスアリーナ)
▼選手権男子

 圧巻の演技だった。「ルッツはロンバルディア杯が終わってから一度も降りられなかった」と不安が残る中で今大会を迎えた佐藤だったが、冒頭の4回転ルッツは流れるように着氷を決めた。その後の4回転トーループを含むコンビネーションジャンプでは2.22点の加点を記録。曲調が盛り上がる場面での3本目のトリプルアクセルも危なげない着氷でジャンプを全てそろえ、95.29点をマークした。演技後には「(4回転トーループは)空中で『あ、終わったな』と思ったが、軸が戻ってきて跳び切れた。全部がいいジャンプとは言えないが、しっかりまとめることができた」と笑顔で振り返った。

(写真:SP2位発進となった三浦)

 木下グループ杯、ロンバルディア杯、そして今大会と連戦続きの三浦は、体に疲労が溜まった状態での演技となった。「始まる前からすごく疲れていたので。サルコートー(ループを着氷できたのが)が奇跡くらいな感じ」と振り返ったものの、3.23点の加点がつくダイナミックなジャンプとなった。2本目のトリプルアクセルもスピードに乗って流れるように着氷。その後の4回転トーループでは転倒したものの、迫力あるステップで魅せた。得点は79.92点で佐藤に続く2位発進となった。

(写真:新プログラムを披露した菊地)

 新プログラムの初披露となった菊地は『くるみ割り人形〜こんぺいとうの精〜』の独特な世界観を再現した。こんぺいとうの精が動き出す人形らしい振り付けから始まり、冒頭のトリプルアクセルと3回転ルッツ―3回転トーループのコンビネーションジャンプを着氷。しかし3本目の3回転ループは回転が抜けるミスとなった。結果は55.41点で8位発進。演技後には「試合でノーミスをしたことがないので、今シーズンはノーミスの演技を目指したい。そうすればおのずと点数はついてくる」と意気込んだ。

(写真:シニア初の公式戦となった磯和)

 今シーズンシニアデビューを果たした磯和は、昨シーズンから継続のプログラム『INSANE』を披露。冒頭のアクセルジャンプはダブルアクセルを選択し、確実に着氷する。2本目に予定していた3回転フリップが1回転になるミスがあったものの、後半の3回転サルコーと3回転トーループのコンビネーションジャンプは加点つきで着氷。「連続ジャンプは普段からよく入っているジャンプだった」と練習の成果を見せた。終盤のステップでは音楽に乗った軽快な滑りを見せ11位で終えた。

(写真:軽快な動きを見せた丸山)

 丸山は『Take me to Church』を披露した。冒頭のコンビネーションジャンプは、回転が抜けるミスとなったが、2本目の3回転サルコーと3本目のダブルアクセルはしっかりと着氷。「ジャンプは降りられたが、ジャンプの前に体が動かなかったりとか、動きが硬くて跳びにくくて、加点がもらえるジャンプではなかった」と実戦での悔しさを口にした。得点は39.72点で19位発進となった。

[髙橋未羽、吉㟢帆奏]

試合後のコメント
佐藤
――この大会で確認しておきたかったことは何ですか。
 「点数とか目標はあまりなくて。GP(グランプリシリーズ)前にSPで4回転ルッツを入れたいと思っていたので、まずは第一目標をクリアできたので。FS(フリースケーティング)でもその流れでいい演技ができるように頑張りたいです」

――足の状態はいかがですか。
 「いいとは言えないんですけど、付き合っていくしかないのかなと思っていますし→トル。練習でもしっかりといいジャンプが降りられていければ、あまり痛くはないので。ステップアウトとか回転不足で降りるとずーんと重い感じの痛みが出る感じなので。完治はしたいんですけど、練習とかはそれをうまく調整して、今後やっていければいいのかなと思っています」

三浦
――連戦で疲れていると思いますが、この大会の目標はいかがですか。
 「もう、あまりないですね。早く終わりたいなと。めちゃ言い方悪いけど、終わってほしいという感じで。疲れた」

――疲労ゲージ的にはいかがでしょうか。
 「80%くらい。もちろん、ケガには気を使っていますけど、ジャンプ自体の頻度も落としてやっているんで。とりあえず早く終わって、ちょっと休憩したいです(笑)」

菊地
――今シーズンの初戦となりましたが、振り返っていかがですか。
 「正直言って出だしはあまり良くないかなと思っています。まずはSPで出遅れた分、FSでしっかり挽回して、東日本(選手権)では今回のSPのミスを生かして、ノーミス(の演技に)につなげられるように頑張りたいと思います」

――このプログラムの見どころはステップとのことですが、実際に披露してみて、ステップの感触はいかがでしたか。
 「ステップも自分の中では頑張っていたと思いますが、まだできるかなと思います。やはり試合に出て成長できるものがあるので、試合を重ねるごとにもっと成長した姿をお見せできるかなと思います」

丸山
――演技を振り返っていかがですか。
 「今シーズンの中で一番緊張していて、全然体が動かなかったなという印象です」

――緊張というのは、本戦1戦目というのが要因でしょうか。
 「そうですね。やはり東日本(選手権)につながってくる試合なので。今シーズン2回SPをやって2回とも良くなくて、ブロックでは絶対にいい演技がしたかったので、その部分で緊張が出ちゃったのかなと思います」

磯和
――本日の演技はいかがでしたか。
   「トリプルアクセルは調子が良ければ入れる予定でしたが、今日はダブルアクセルで挑む形になりました。フリップのパンクに関しては自分の中ではイレギュラーなミスでした」