強敵・東農大を撃破! 3季ぶり優勝へ大きな一歩

2025.10.14

 初戦を快勝で飾り、続いて相手に迎えたのは関東学生春季リーグ戦(春季リーグ)で敗戦していた東農大。開始早々にFW齋藤偉颯(法4=今市)がPC(ペナルティコーナー)から得点を挙げるなど、一進一退の攻防が続く。相手も追い上げを見せるが、PCで得点を重ね3-2で2連勝を果たした。

 昨年度の全日本学生選手権(インカレ)、今年度の春季リーグと敗戦を喫していた東農大に対し、明大は序盤から攻勢を仕掛けた。「絶対決めようと思った」と第1Q1分に獲得したPCを齋藤が低めにゴールへと叩き込み、先制に成功する。しかし東農大も手強く、なかなか主導権を握ることができない。9分には相手にPCを与えてしまうが、FB徳岡隆治(商1=須知)が止めてピンチをしのぐ。リードを広げたい明大はMF小林育人(法3=岐阜総合)が積極的に相手ボールを奪うなどチャンスをつくるが、相手の守備に阻まれる。14分に相手に与えてしまったPCは決まらず、カウンターからMF吉田登以(商3=丹生)がシュートを打ったものの、惜しくも止められて得点とはならなかった。

 第2Qは開始から東農大に流れを握られ、防戦の展開となる。2分には相手にシュートを打たれるが、これをGK松崎弘樹(政経2=横田)が好セーブで防ぐ。しかし直後に相手にPCから得点を奪われてしまい、同点に追いつかれる。さらに相手のPCでピンチに陥るが、MF芝田悠揮(理工2=丹生)がクリアすると、続くPCも間一髪でしのいだ。「こちらの守りがしっかりとできた。相手の得意なPCでもしっかりと守れた」(松崎)。第2Q中盤には吉田が相手の陣内へ切り込み、PCを獲得。これを齋藤が決め、再びリードを奪う。「最初はバリエーションでサイドに当てて決めるという流れを提案したが、打つ寸前にストレートで決められると思ったので臨機応変に対応して決めた」(齋藤)。

 後半が開始するとさらに激しい攻防が繰り広げられた。選手たちは「(東農大は)スクープを多用して落ちてきたところを狙うという戦術に変わってきていて、特に今年の春に0-3で負けたところから振り返って、そのスクープへの対策というところをかなり対策としては練ってきた」(FB高橋澄世主将・商4=横田)と苦戦してきた相手の戦術にしっかりと対応し、決定機を許さない。第3Q7分にはPCから徳岡が右下へと鋭いシュートを決め、これが決勝点となった。「接戦だったので、絶対に決めてやろうという気持ちで打ったら入ったので良かった」(徳岡)。スコアを3-1とし相手を突き放したものの、直後、相手にPS(ペナルティストローク)を与えてしまい失点。1点差に迫られるも、守備陣が奮闘を見せる。「戦術が混乱するような試合になった時には、一対一で負けないこと、走り負けないことはしっかりやろうと伝えていた」(高橋)と選手たちが気持ちを一つに最後までリードを守り切った。

 「去年のインカレと今年の春リーグで負けている相手に、まずどんな試合内容であれ勝ち切れたというのは、選手たちにとってすごく自信になったと思う」(高橋)。因縁の相手に雪辱を果たしたが、秋季リーグはまだ2戦目を終えたばかりだ。「東農大に勝ったからといって優勝とは言えないし、予選リーグで準決勝に東農大が上がってきて、決勝で当たった時にまた勝てるかと言われたら自信を持って100%勝てると言い切れるわけではない。決勝まで残り2カ月でインカレもあるので、ここでしっかりみんなで同じ方向に向かって、同じ目標を持ってできるように練習を頑張りたい」(齋藤)。

 次戦は10月18日、一橋大との対戦となる。「2連勝してきて、とりあえず気持ちを落とさずに点差をしっかり離して、このまま勢いよく勝って準決勝まで行って勝っていきたい」(徳岡)と、試合への気合は十分だ。3季ぶりの王座奪還へ、選手たちに期待がかかる。


[大島菜央]

試合後のコメント
新井健史監督
――勝利の要因について教えてください。
 「内容が少し雑になったり、いろいろごちゃごちゃになったりしたのですが、最後まで走り切って、足をつりながらもみんなの意思が通じた試合かなと思っています」

――監督から見た今試合のMVPを教えてください。
 「やはり小林育人ですかね。冷静に後ろの方から相手の隙を見ながらボールを配球したり、ディフェンスの方も落ち着いていたりしたので、彼かなと(思います)」

高橋
――攻撃面では先制に成功するなどいい流れをつくれていたように思いますが、振り替えられていかがですか。
 「そうですね。攻撃の面では、あまりリスクを負わない、無理な攻撃をしないということを意識してやっていて、もう相手が前から来た時には、こちらもスクープで逃げて、前から前から相手の陣地でプレーする時間をつくるというのを意識してやっていました。練習として、PCのバリエーションをかなり練習してきたので、相手の陣地でボールを取って、PCにつないで、それで3点取ることができたので、攻撃はその点が良かったかなと思います」

――第4Qは試合が止まる時間が長かったですが、集中力に乱れはありませんでしたか。
 「試合が止まった時は各ポジションで集まって気を付けるところの確認とかをできていたし、その点で集中力が切れることはなかったし、選手たち自身がこの試合がもう実質上の準決勝みたいなものになるというのは最初から共通認識を持っていたので、各選手が集中力をしっかり保ってくれたのかなと思います」

齋藤
――チームで良かった点と反省点について教えてください。
 「春に3―0で負けているから、2-1、3-1で勝ってもそれは実際勝ちではないぞということで、しっかり3点離されて負けているのだから3点離して勝とうと言ってたのですが、そこができなかったのは残念でした。ただ、チームとしてみんな同じ方向に向かって勝ちにいけたのは良かったと思うのですが、カードで退場してしまったりしているのは良くないかなと思ったので、ここは改善点かなと思います」

――相手に攻められる展開が長かったと思いますが、そこに関してはいかがでしたか。
 「東農大はホッケー的にも前に飛ばして、そこのこぼれを拾って攻めてくるみたいなことが多かったので、ディフェンスからしたらしんどいだろうし、怖いだろうしと思ったのですが、そのためにFWとしてはしっかり点を取るべきだなと思ったので、ディフェンスはすごく頑張って、ただ僕はそこに対して焦りとかは感じてなくて、ディフェンスならしっかり守ってくれるだろうと思ったので、あとは点を取るって仕事やりまくってという感じでした」

松崎
――個人の反省点と良かった点をそれぞれお願いします。
 「反省点としては相手のPCが多かったので、もっと外で、サークル以外でもっとディフェンスさせるように指示できたら良かったかなと思います。良かった面では、こちらが勝っている場面でしっかり相手の攻撃を抑えれたことが良かったと思います」

――第4Q最後のセーブを振り返っていかがでしたか。
 「第4Q目で3-2で勝っていたので、やはりここでは入れられてはダメというところだったので、集中してそういうPCも止められたと思います」

徳岡
――試合を振り返っていかがですか。
 「春リーグの試合で僕がかなりやらかしてしまって、チームにも迷惑かけてしまったので、秋リーグはしっかりと一対一で負けないように相手に食らいつこうという思いで試合に臨みました」

――前回の駿河台大戦に続いての得点となりましたが、攻撃の面で意識していることはありますか。
 「特にはないのですが、セットプレーで打つことがあったら、とりあえずチームに貢献できるように決めるという気持ちで打っています」