
インカレ後インタビュー① 青松淑佳主将
今年度の全日本大学選手権(インカレ)は準優勝で幕を閉じた。それでも、創部史上初の全日本大学王座決定戦準優勝など多くの大会で表彰台へ。昨年度低迷したチームを立て直し、今年度躍進を遂げた立役者の2人の4年生にインタビューを行った。
今回は昨年度の不振を乗り越え、ラストイヤーで大輪を咲かせた青松淑佳(政経4=昇陽)主将のインタビューをお届けする。
(この取材は9月17日に行ったものです)
――インカレを振り返っていかがですか。
「結果としては素直に悔しいですし、目標に届かず悔いが残る結果でした」
――学校対抗準々決勝では神戸松蔭大に王座のリベンジを果たしました。
「神戸松蔭に勝つというのは、一つの通過点として大きく考えていて、神戸松蔭に対する対策練習もいっぱいしてきた中でみんながしっかり勝ち切れて自分たちはレベルアップしているんだなという自覚も個々に出てきてチームとしてまとまった感じはありました」
――勝っている中でサスペンデッドゲームが宣告され、試合が翌日に流れたときにチームに何と声を掛けましたか。
「相手は間違いなく覚悟を決めてくるだろうから、こっちが向かっていく気持ちを忘れたらもう負けだなと。受けて立つと負けやから、ちゃんと向かっていこう、まだ何があるかわからんからという話はしました」
――ペアを組んだ大橋玲雨選手(営1=三重)との相性はいかがですか。
「大橋自体が上手いし、それに私もすごく合っていたなと思う部分と、まだまだもっとやれたな、ペア力をもっと上げることができたなと思う部分の両方があります」
――まだまだやれたなと思う部分は何になりますか。
「ダブルスは後衛の方が球打つ数は多くて、それでも打たないといけない。大橋が打たされる場面になったら相手前衛もうまく駆け引きしてくるので、そうなったときに2人で戦う策がこっちから攻めることばっかりだったので、守る策が少なかったと思います」
――個人戦の結果についてはいかがですか。
「ダブルスの準決勝の天間・左近(日体大)戦は絶対に勝ちたかったところですし、勝てたところなのですごく悔しいですが、シングルスに関してはもっと勝ちたかったです。体が動かなかったですが、そんなことは言い訳で相手の雰囲気も違って2歳下の子で7回目の対戦で勝率は私の方が良かったのですが、相手も作戦を変えてきてそこに対応できずという感じでした。自分の中では、本当に3位も悔しい結果です」
――太田博勝監督との関係性についてはいかがですか。
「発言から前々はプレッシャーに感じる部分もあったのですが、今はもう絶対的な味方なので落ち着くし、別に発言一つ一つにいい意味で圧を感じたりもしないし流せます。いい関係を築けています」
――昨年はメンタル面をチームの課題に挙げていましたが、克服へどのような取り組みをされましたか。
「団体戦となると個人戦とは違う雰囲気やムードで実力以上の力を出せたりすることもあるので、メンタル面を鍛える時にチーム力というのを上げていこうと思って、ミーティングやチームで行う取り組みを増やして今までやってきました」
――チーム全体としてメンタルの弱さをどの場面で感じることが多くありましたか。
「チームみんなで戦っている感じがなくて、一人一人が緊張して、でもそれを周りが上手く助けられなくてパニックになって実力を出せないというところです」
――課題については新チームになる前から感じていましたか。
「元々は自分の課題でもあったのですが、主将になったからこそ余計それが強化すべきポイントだなと明確になった感じです」
――3年では個人として苦しんだ中、今年は飛躍しましたがその要因は何だと思いますか。
「1、2年のころにいい成績を残せていたのに、3年になってからはタイトル一つも取れていなくてそこで自分を見失いました。でもそこから、自分から逃げずにメンタル面も技術面もフィジカル面も全て向き合うことにして、自分軸で練習を進めてきました。それが今年の成績につながったという感じです」
――春リーグ優勝後は優勝から遠ざかりましたがチームのムードはいかがでしたか。
「優勝は遠のきましたけど、最終的に最大の目標としていたのはインカレ優勝だったので東カレや王座で準優勝だったことに関してもそれほど落ち込むこともなく、みんなが絶対に優勝できるっていうのを信じ続けてインカレに挑めたので、その通過点の結果を気にするというよりはみんなが最後まで信じてくれていました」
――王座ではあと一歩のところで優勝を逃しましたが、そこから取り組みを変えたことはありますか。
「相手の分析を増やして、それに合わせた練習を具体的に増やしていきました」

――今年度好成績を残しましたが、4年生の働きがチームを変えましたか。
「4年がどうこうというよりはチーム全体として一人一人が自覚を持ってやってくれた結果だと思います」
――チームが少人数だからこその苦悩はありましたか。
「応援にどれだけ取り組んできても、応援の人数が大体負けることばっかりでした。得点を取られたときに静かに聞こえてしまったり、声を掛けているのに相手の応援に潰されることがあって、そういうところが少人数はしんどかったです。あとは、役割分担ですね。インカレの日も洗濯に3、4年が行ったり他大だったらもうベッド入っているだろうなというときも動いていました。でも、とても楽しかったです」
――チームが一つにまとまった要因は何になりますか。
「私の声かけがあったからではなくて、一人一人がとても向き合ってくれてみんなを信じてくれて、最後まで信じ続けてくれたことが、チームがまとまった理由だと思います」
――明大での4年間で成長した部分は何ですか。
「緊張やプレッシャー、不安がある中で戦えるようになったことがすごく大きいなと思っています。その戦えるようになった理由としては、最初は緊張で球が上手く打てなかったりもしましたが、みんなで戦っていることや今までやってきた自分を信じないのは自分に対して失礼だなと思い始めたからです。何より明治は支えてくれる人が多いので、そういう人たちを思い浮かべたりしながら練習してきた時間が本番緊張する場面でも自信につながってメンタル面は強くなれたと思っています」
――高校時代からメンタル面を課題に感じていましたか。
「高校時代からメンタル面は課題と感じていたのですが、大学に入るとOBOGがたくさんいて別の緊張感が1、2年の頃はありました。でも4年になると上手くコントロールできてきたなという感じです」
――明大にきてギャップはありましたか。
「めっちゃトレーニングするなと思いました。トレーニングをそもそも大学生はあんまりしないイメージでいたのですが、明治は他大以上にトレーニングしているんじゃないかなと思います」
――明大で過ごした4年間に点数をつけたら何点ですか。
「まだ終わっていないのですが、75点です。いい部分というのは、成績を残せた部分もあって自分のキャプテンとして取り組んできたことが自分の財産になったし、いい経験ができたなと思うからですね。あと、チームで過ごした時間がすごく楽しかったので、それも大きいです」
――インカレ優勝の思いを託した下級生へのメッセージをお願いします。
「必ず来年優勝をしてほしいし、できると思うと伝えました。また、一番はその頑張る過程でいろいろな人への感謝を忘れてしまったら絶対にダメだからいろんな人の支えがあって、今、明治の選手としてコートに立てている幸せを感じながらやってほしいというのを伝えました」
――ありがとうございました。
[早坂春佑]
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