帝京大に勝利 優勝へ向け大きな一歩/関東大学ジュニア選手権

2025.10.06

 関東大学ジュニア選手権(ジュニア戦)3戦目の相手は帝京大。早大に続き強敵を八幡山に迎えた。試合は前半の最初からトライを取り合う接戦になるも、接点の部分で優位に立つことで試合を有利に進め43―26で試合を終えた。

◆10・5 関東大学ジュニア選手権(明大八幡山グラウンド)
▼対帝京大戦
〇明大43{24―14、19―12}26帝京大

 試合は序盤から動きを見せた。前半7分、明大は相手のペナルティから敵陣22メートル付近でラインアウトを獲得。モールで相手トライラインまで迫りフォワード対決に持ち込むと、右ロック菊池優希(政経4=山形中央)がねじ込み先制に成功した。続く11分にはペナルティ獲得からゲームキャプテン・スクラムハーフ柴田竜成(営4=秋田工)がすぐにリスタートし、相手の裏にボールを転がし敵陣深くに侵入する。そしてスクラムから左センター蓬田雄(政経4=流経大柏)が相手をかわしてトライ、キックも決まり12―0と幸先のいいスタートを切った。しかし、16分に帝京大にディフェンスラインの隙間を突かれると、トライエリアまでボールを運ばれてしまう。その後の25分にも相手に自陣5メートルまで迫られる。少しずつ押し込まれピンチを迎えるも、菊池のタックルがさく裂。「ゴール前で前に出てディフェンスする中で、チームの先頭に立ってコンタクトができたのはよかった」(菊池)。左フランカー大川虎拓郎(法3=東福岡)のスティールもあり危機を脱出した。「ディフェンス面で最低限のことができてよかった」(大川)。決死のディフェンスを見せるも31分に再び近場の攻防に持ち込まれる。今度は勢いを止めきれずに逆転を許してしまった。相手に流れがきたかと思われたが、36分に大川が相手陣深くでボールを奪うと、好守の入れ替えに蓬田が素早く反応、パスを受け取りトライラインを超えた。さらに42分には、フルバック竹之下仁吾(政経3=報徳学園)が自陣深くから相手をかわしながらボールを大きく前へ運びパスをつなぐと、最後は左ウイング海老澤琥珀(情コミ3=報徳学園)がトライゾーンまで走り切った。「いいランナーがいっぱいいたので、うまく連携できた」(竹之下)。一時的に逆転を許すも、トライを奪い24―14で試合を折り返した。

 後半も最初にトライを挙げたのは明大だった。後半7分に柴田がキックからチャンスを演出。「空いているスペースに蹴って味方がいいチェイスしてくれたので、結果的にいい方になってよかった」(柴田)。フェーズを重ねながら前進し最後はフッカー高比良恭介(政経2=東福岡)が相手を跳ね除けトライを奪う。このまま勢いに乗りたかった明大だったが、15分に相手に外でスペースをつくられると、相手のランを止められずに失点を許してしまう。その後も一進一退の攻防が続く。スコアが動いたのは30分、明大ボールでのスクラムから相手がコラプシングを犯し、ペナルティキックを獲得する。「交代のメンバーとして、自分の役割を遂行できたのが一番よかった」(佐々木大斗・政経1=常翔学園)。敵陣でモールを組み相手を押し込むと、佐々木がグラウンディング。リードを保つも、40分にはトライを奪われ、相手を突き放すことができない。トライ直後のキックオフからはプレッシャーをかけ続け、敵陣内でペナルティを獲り、即座にリスタートをするも上手く運ぶことはできず。このまま試合終了かと思われた中の45分、右センター大沼隼人(政経3=国学院久我山)のディフェンスからボールを奪うと、素早い好守の切り替えからボールをつなぎナンバーエイト中村つぐ希(営2=目黒学院)が飛び込んでグラウンディング。最後の最後に得点を奪って相手を突き放し43―26で試合を終えた。

 前回の早大とのジュニア戦からは一変し、好守にわたって強さを見せた明大。実力が拮抗する中でもチャンスをつかみ、難敵を相手に勝利で試合を終えた。選手は「早大とのジュニア戦の時の課題であった接点の部分が改善されて、全員コンタクトのところで引かずにいけたのが今日勝てた要因だと思う」(柴田)と成長を感じている。今回の勝利で得た手応えを生かし、明大がどこまで成長を遂げるか注目したい。

[虻川隼人]

試合後のコメント
菊池
――ラインアウトのアタックについてはいかがでしたか。
 「自分たちのミスからうまくクオリティを出せないところがあったので、改善していかなければならないなと思います」

――今回の帝京大戦を勝利で終えて、次の帝京との試合に向けて意気込みをお願いします。
 「Aチームが勝たないと日本一になれないと思うので、今回はAに向けての勝利だと思います。そこを踏まえて、チームで試合に出る際にはさらに準備して頑張っていきたいと思います」

大川
――久々の出場でしたが意識したことはありましたか。
 「(チームとして)ディフェンス面がずっと課題だったので、ディフェンスのところで自分ができることを考えて、タックルやジャッカルで活躍できたらなと思っていました。役割を遂行できてよかったですし、ラインアウトの高さを出せたので、自分の仕事を全うできたかなと思います」

――反省点はありましたか。
 
「もう少しリーダーシップを発揮する必要があるかなと思います。去年と違ってもう3年生なので、そういうところでもやっていかないといけないなと感じました」

柴田
――アタックの部分を振り返っていかがですか。
 「アタックはまずしっかりエリアを取ろうというところで勝てたのが大きかったです。接点の部分ではブレークダウンの部分で全員キルアウトしたのがいいアタックにつながったと思います」

――ディフェンスについてはいかがですか。
 
「フォワードがすごく頑張ってくれて、セットの部分で常に前出て出続けてくれたんですけど、まだホールディングが遅かったり、ノミネートの部分でまだ合ってないところがあったのでミーティングを重ねて修正していきたいと思います」

蓬田
――トライを振り返っていかがですか。
 「前の早大戦からメンバーも変わって、1人1人がフォワードのコントロールなどをできるメンバーだったので、うまくいったのかなと思います」

――帝京大の印象はいかかでしたか。
 
「帝京は確かに強いなっていうのはありましたし、やはり基礎がしっかりしているなというのを改めて思いました」

竹之下
――久しぶりの明大での試合はいかかでしたか。
 「チームの負けが続いている中で、ここで勝っておかないとダメでしたし、メンバーもそれなりにいたと思うので、内容は少しダメな部分もありましたけど、結果的に勝ててよかったです」

――ダメだった部分を具体的にお願いします。
 「
接点のところをやっぱ今まで課題にあげていて、そこに今週フォーカスしてとり組んで試合でいい成果が出ていたと思うので、これ以上のところを突き詰めて、帝大や早大にも同じようにやっていきたいなと思います」

佐々木
――試合を振り返っていかかですか。
 「入りでとても緊張してしまったんですけれど、先輩たちからのサポートもあって、練習でしてきたセットプレーやフィールドでしっかりプレーできたと思います」

――これからの抱負をお願いします。
 「試合に出続けられる選手になりたいと思います」