最高峰の舞台で手にした自信と課題/全日本選手権
男子シングルには、柴田フィギュア部門主将(政経4)と鳥居(文3)の2選手が出場した。
昨年の同大会で8位という好成績を残し、上位進出が期待されていた柴田。しかし、今年はジャンプのミスが響き、ショートプログラム13位と出遅れてしまう。巻き返しを図ったフリーでは、序盤のトリプルアクセルジャンプで転倒。得意のビールマンスピンや柔らかいステップでは観客を魅了したものの、本来の力を出し切れず、総合16位に終わった。演技後、「納得のいく演技が出来ませんでした。気持ちの部分で負けてしまった」と悔しさをにじませた柴田。だが同時に、「今まで逃げてしまっていたトリプルアクセルを全日本で挑戦できたことは、よかったと思います。次は成功させたい」とこれからの意気込みも口にした。
一方、「全日本は次につながる大会。精一杯の演技をしたい」と語っていた鳥居は、ショート、フリーともにミスのないほぼ完璧な演技を披露した。ショートでは点数が伸びずに17位に終わるも、DVDを見るなど研究を重ねたという新しいフリープログラムでは、“リバーダンス”の曲に乗せたリズミカルなスケーティングで高得点を獲得。総合14位という好成績を残し、昨年出場できなかった悔しさを晴らした鳥居は、観客の大きな拍手に包まれながら笑顔で全日本のリンクを降りた。
女子シングルには、萩原(法3)と望月(情コミ2)の2選手が出場した。
ショートプログラムを17位で折り返した萩原は、フリープログラムで圧巻の演技を見せた。最初のコンビネーションジャンプをきれいに成功させると、その後のジャンプ、スピンでもミスなく演技を続けていく。「いつも3回になってしまう」と心配していた後半の5回のジャンプもすべて成功。沸き上がる大きな手拍子とともに最後のストレートラインステップも完璧に滑り終えると、会場はスタンディングオベーションとともに大きな拍手に包まれた。このフリープログラムでシーズンベストとなる81.72点を獲得し、総合13位。「去年の17位より上の順位を目指したい」という目標を達成し、満面の笑みで大会を終えた。
昨年大会では「雰囲気にのまれてしまった」と思うような演技が出来なかった望月。今大会は「楽しんで滑りたい」という言葉通り、ショート、フリーともに芸術性の高い演技で観客を魅了した。ショート18位で迎えたフリーでは、自身も振り付けに携わったお気に入りのプログラム“シカゴ”を披露。ジャンプの失敗こそあったものの、魅力たっぷりの演技に会場からは大きな拍手が起こり、ジャッジからもスパイラルでレベル4を獲得するなど高い評価を受けた。
多くのスケーターの目標である全日本選手権。笑顔でリンクを降りた選手もいれば、悔しさをにじませた選手もいる。そんな彼らが次に挑むのは、今月6日から青森で行われるインカレだ。アイスホッケー部門、スピードスケート部門とともに臨むこの大会は、50回目となる明大スケート部の総合優勝が懸かった大一番。また、フィギュアスケートとしては特殊な“団体戦”でもある。仲が良いことで有名なフィギュア部門の選手たち。全員が笑顔で大会を終えることができれば、おのずと結果はついてくるはずだ。今大会で得た手応えと課題を力に、それぞれが最高の演技を見せてくれることを期待したい。
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