
(6)沼崎高行~スケートに情熱をかける、努力の男~
「最初の加速が弱いから、結果的にタイムが伸びない」。自らの滑りをそう分析し、今季は苦手とするスタートの改善に取り組んでいる。そんな中、11月29~30日に行われた真駒内選抜競技会では、直前に体調を崩してしまうというアクシデントが発生。入院が必要なほどの病状をおして、初日の500mに挑んだ。結果は23位に終わったものの、病をも跳ね飛ばすその気迫は圧巻だ。
沼崎がスケートを始めたのは小学校3年生の時。北海道出身の彼は、「幼稚園の時からすでに文集に“スケート選手になりたい”って書いてた」ほどスケートが好きだった。それ以来10年以上もスケート漬けの生活を送ってきた沼崎。それでも大学に入ってからは「練習がきついわりには結果が出なくて、やめたいと思ったこともあった」という。それでも、沼崎のスケートに対する情熱は今も薄れない。「自分はまだまだ。もっと上の人がたくさんいるから、もっと速くなりたい」。
現在社会人スケート選手を取り巻く状況は厳しく、大学を卒業すればスケートを選手として続けていくことは一気に難しくなる。「スケートを続けていきたいという気持ちも多少はあるけど、実際は厳しいと思う」。そんな状況の中で、沼崎はとにかく「悔いのないように」日々スケートと向き合っている。
質問の最後に、「沼崎くんにとってスケートとは?」という問いをぶつけてみた。「え~、何だろう…」と散々悩みながらも「やっぱりすべて…いつの間にか続けてたけど、なくてはならないもの」と少しはにかみながら語った。スケートへの誰よりもひたむきな情熱が、これからも沼崎をさらに強くしていくに違いない。
◆沼崎高行 ぬまさきたかゆき 政経3 白樺学園高出 171㎝・68㎏
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