
全日本選手権特集 (2)
―10月に行われた東日本選手権、優勝まであと少しというところでしたが、振り返ってみてどうですか?
ショートプログラムはノーミスで終えることができて1位だったのですが、逆にフリーでは守りの姿勢になって体が固くなってしまい、普段の滑りができませんでした。SPが良かっただけに、少し悔しかったです。でも新しくしたフリーの曲ももう4回滑っているのですが、回を重ねるごとにステップのレベルを上げることが出来ているんです。だから少しずつ体に馴染んできているのかなと思います。
―新しいフリープログラムの曲はどうですか?
曲は『シカゴ』なのですが、ホントに明るい曲で、滑っていて自分もすごく楽しい気分になれます。この曲でフリーを始めてから周りの評判もとても良くて、みんなにかわいいって言ってもらえて嬉しいです。特に、この間試合を見に来てくれた友達から『梨早の演技が一番印象に残ったよ』って言ってもらえたことがホントに嬉しくて。頑張ろうって思いました。自分も楽しくできるし、見ている人も楽しめる、そんな曲になっていると思います。
―衣装もとても可愛いですよね。
はい!衣装も曲も自分が想像していた通りのもので、ホントすごく気に入ってます。
―フリーの演技で、特にここが好き!ってところはありますか?
全部気に入っているんですが、特に最初のパートです。タバコを吸う真似をする振りのところがあるんです。そこがお気に入りなので、皆さんにも見てほしいです。
―最近の調子はどうですか?
以前から腰が痛かったのですが、やはり練習量が多くなってくると痛みます。だけど痛いのは自分だけではないので、そんなこと言ってられないと思って頑張っています。でも調子は出てきていると思います。モチベーションが下がっていても体の方は意外とちゃんと動いたりして、気分に左右されにくくなっているなって感じます。調子の波も低くて、全体的に安定した滑りが出来ています。あんまり上手くいきすぎると逆に不安でもあるんですけど。
―全日本への課題はなんですか?
ジャンプとジャンプのつなぎをしっかりできるようにしたいです。別々にやって上手くできても、ちゃんと曲にのせて出来ないと意味がないので、曲を体にしみこませていくように何度も繰り返し練習していきたいです。毎日を試合だと思って、気を抜かずに取り組みたいです。
―では全日本選手権に向けて、意気込みをお願いします。
全日本ではベストを尽くして、自分の出来る最高の演技をしたいです。実は今までの大会で、完全な演技をしたことがないんです。直前にケガをしてしまったりして思うように滑れなくて。だから100パーセント力を出し切って、自分がどこの位置にいるのか、ということを確認したいです。でも第一に、楽しんで滑りたいです。そして見てもらっている人たちにも楽しんでもらえるような演技ができたらいいと思います。
今まで実力があるにもかかわらずそれを出し切れていなかった望月。昨年は悔しい22位で終わった彼女だが、本来の実力を考えれば上位に食い込むことも十分可能だろう。12月25日から始まる全日本、今までの鬱憤を晴らすような彼女の最高の滑りが見れることを期待したい。シカゴの衣装に身をまとった明治の妖精が、全国の強豪に立ち向かう。
◆望月梨早 もちづきりさ 情コミ2 新宿高出 155cm
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