優勝への道閉ざされる 首位の国士大に敗北/関東学生秋季1部リーグ戦

2025.09.22

 中大多摩体育館で行われた関東学生秋季1部リーグ戦(秋リーグ)8戦目。対戦相手は春リーグの優勝校、国士大。前半は立ち上がりでの3失点が重くのしかかる中、7メートルスローが決まらないなど、固いディフェンスに阻まれてしまう。ビハインドで迎えた後半では、残り時間が迫った状況での追い上げで3連続得点と奮闘するも、力及ばす国士大に敗れた。

◆8・30~9・28 関東学生秋季1部リーグ戦(明大和泉体育館他)
▼9・21 対国士大戦(中大多摩体育館)
 明大30{14―16、16―15}31国士大〇 

 試合開始直後に3連続失点を受けてしまった明大は、7メートルスローを連続で外してしまう。その後、数的有利で栃尾佑(法3=北陸)と向谷内海都(営3=氷見)が2点返したが、再び連続ゴールを奪われてしまい、点差が埋まらない苦境に立たされる。しかし、栃尾が再び得点を挙げると、後藤圭汰(営4=高知中央)が7メートルスローを決める。前半中盤になると、近藤佑樹(農4=春日丘)が同点弾を放ち、6―6と国士大に追い付いた。追加点で追い抜きたいところだったが、マークを外されてしまい、失点を受けると、2点差で国士大を追いかける展開が続く。「本来の自分たちならもっと攻められたはずだったが、流れに乗れなかった」(栃尾)。相手のGKに阻まれ、思うように点を重ねられない状況で、背面パスから向谷内がシュートを決める好プレーを見せる。前半終盤、明大が数的不利になるが、6人攻撃で反撃を狙う。小泉涼太(農3=藤代紫水)がシュートを決めたが、前半終了までに状況を覆すまでには至らなかった。

 後半は序盤から互いに得点を重ねたが、2分に左サイドからのシュートをセーブされると、攻撃にミスが連発。うまくパスがつながらずに得点の機会を逸してリードを広げられ17―22。それでも後半8分に相手選手が2分間の退場となると、向谷内の連続ゴールで3点差。勢いをつかんだように見えたが、相手GKのセーブで流れを切られてしまう。「(秋リーグ通して)リードされている時間がほとんどなかったので、焦りが見えた」(加藤良典監督)固いディフェンスに苦しめられながらなんとか点差を維持するものの、相手の攻撃を抑えることができず徐々に点差が開き、後半15分で21―26。逆転は厳しいと思われたが、国士大側に反則が連発して、栃尾が決死の連続ゴール。「劣勢だったので自分が点を決めて、声を出すしかないと思った」(栃尾)。24―26まで追い上げたが、明大側の選手も退場となって失点が重なり、後半27分の時点で27―31と逆転は絶望的な状況。それでも数的有利の状況を生かして連続得点し、外種子田渓汰主将(商4=国分)のゴールで30―31と点差はわずかに1点になり、試合は残り20秒。明大が敗れた時点で国士大の優勝が決定するため、優勝の可能性を残すには同点に追いつくしか手段はない。GK坂本京介(営1=洛北)のファインセーブで明大ボールとなり、残り7秒の時点でタイムアウト。チームで作戦を決め円陣を組むと試合が再開し、明大は速攻で相手ゴールに迫る。しかしゴール前でパスをカットされてしまい試合終了。最終盤に脅威の追い上げを見せたが、1点届かず敗北。最終戦を待たずして優勝を逃した。

 優勝の可能性はなくなったものの、最終戦に勝利すれば秋リーグ2位が確定する。躍進の3位となった春リーグから、強豪として相手を迎え撃つまでに進化を遂げた明大ハンドボール部。成長を結果として示すために、いい形で躍進の秋リーグを締めくくることはできるだろうか。

[橋場涼斗、ウエスト宙]

試合後のコメント
加藤監督
――試合を振り返っていかがでしたか。
 「全勝している国士大(が相手)ということで、ディフェンスに優れているチームだったのでそこを自分たちが崩して、いいゲームに持っていきたかったです。前半立ち上がりから守られて失点が多かったので、1点差でしたがもっと自分たちでやらないといけないことが明確になったゲームでした」

――7メートルスローを止められる場面が何度もありました。
 「結果的に4本外して、ゲームの流れに大きく左右したことは間違いないです。インカレ(全日本学生選手権)など一発勝負の舞台では、あのようなゲームになると本当に終わってしまうので。選手たちはこの1点の重さというのを十分学んだゲームだったと思うので、それに関しては収穫になったと思います」

――優勝はなくなりましたが、最終戦が控えています。
 「試合を重ねるごとにチームが成長していく中で、本当に優勝を狙えるチームになったのでそこに関しては残念ですが、この負けをインカレで生かせるようにやっていきたいと思います」

外種子田
――前半のプレーはいかがでしたか。
 「なかなか自分たちのリズムをつかめずに相手のペースで、攻撃もディフェンスもうまくいかなかったとこはありましたが、2点差で終われたのは正直我慢できたと思います。内容としては良くなかったですが、しっかり我慢できていたのは良かったです」

――後半は追い上げも見せましたが、振り返っていかがでしたか。
 「後半も流れをつかめない中、相手の退場時間で少しづつではありましたが流れを引き寄せました。最後追いつければ一番良かったですが、今までと違ってうまくいかない展開が非常に多かったです」

――次戦に向けての意気込みをお願いします。
 「あと1試合しか残されておらず、3位や4位で終わるか、2位で終わるかは全然違うと思います。みんな悔しいとは思いますが、すぐ切り替えないと。最終戦に向けて今までで一番いい準備をしていきたいと思います」

栃尾
――試合を振り返っていかがでしたか。
 「なかなか自分たちの時間帯に持っていくのが難しかったです。1点差は小さいですが、その1点に実力差が詰まっていると思います」