青学大相手に怒涛の猛追/全日本大学選手権記念大会

  会場全体が明治の追い上げを後押しするかのような大歓声に包まれていた。今日の相手は優勝候補の青学大。リーグ戦1部で全勝優勝を決め、現在最も波に乗っているチームだと言っても過言ではない。本学は惜しくも勝利を手にすることはできなかったが、その青学大をワンゴール差まで追い詰めた。本学 の進化が現れた、片時も目を離すことのできない好ゲームを繰り広げた。

 富士大戦、筑波大戦と連戦が続き、そろそろ選手たちにも疲れが出てくる頃。そこで本学はゲームの入り、ツースリーのディフェンス体系をとった。しかし、その作戦が相手に3Pシュートを簡単に打たせてしまう。もちろん青学大の選手たちの放つシュートは確実にゴールに吸い込まれていく。気が付けばみるみるうちに点差は開き、前半一時は20点差以上も離された。

 しかし、後半に入ると選手たちの動きは変わった。「後半に入ってふっ切れた。相手の悪いリズムを狙っていた」(山下・営4)とガードの山下(営4)が話すように、前からの積極的なプレッシャーをかけ徐々に点差を縮めていった。ディフェンスカットから速攻を決め、要所要所でエース金丸(晃・政経2)が本来の攻撃力を発揮。第4クォーターの流れは完全に明治だった。明治の怒涛の追い上げに会場の盛り上がりは最高潮に達した。ラスト4秒で山下がシュートを決め、ワンゴール差まで点差を縮めるも、あと一歩及ばず勝利を収めることはできなかったが、ゲーム内容で負けてはいなかった。

 伊与田(政経4)、山下の4年生ツーガード体制で挑んだ新しい明治の形。見事なゲームメイクが光った。川崎(政経3)や岩澤(政経3)などの試合で活躍する3年生も「4年生の力は大きい。経験が豊富でゲームが安定する」と語るなど信頼は厚い。「下級生たちには、ゲームに対するトライの姿勢を4年生の背中を見て学んでほしい」と塚本ヘッドコーチも今大会を4年生の姿から下級生の育成に繋げていきたいと言う。

 大学王者と称される青学大相手に今回のゲームが出来たということは、本学にとって大きな自信となった。欲を言えば勝利を挙げたかっただろう。しかし、試合後の選手たちのすがすがしい顔を見れば何らかの収穫があったことは間違いない。明日の日大戦も厳しい試合になることには違いないが、今日の試合で見せた粘りで勝利を手にしてほしい。