対抗戦初戦 筑波大にまさかの敗北で黒星スタート/関東大学対抗戦Aグループ

2025.09.16

 ついに関東大学対抗戦(対抗戦)が開幕した。『完遂』を掲げる平組の初戦の相手は筑波大。水戸市で行われた今試合は筑波大のホームゲーム。前半を7―14で終えるも気持ちを切り替え後半へ。試合終了間際に24―21で一歩リードしたものの、逆転を許し24―28で敗北となった。

◆9・14 関東大学対抗戦Aグループ(ケーズデンキスタジアム水戸)
▼対筑波大戦
 明大24{7―14、17―14}28筑波大

 明大がチャンスをつかんだのは前半17分。ハーフウェーライン付近からスタンドオフ伊藤龍之介(商3=国学院栃木)がハイパントを選択すると、「明治らしく、前に出るラグビーをしようと思っていた」と右ウイング白井瑛人(商2=桐蔭学園)がキャッチし大きくゲインに成功する。そのまま白井は筑波大のディフェンスを抜き左へ展開を試みるが惜しくもトライにつなげられない。続く19分、ゴールポスト正面5メートルからタップキックでリスタートし、フッカー西野帆平 (文4=東福岡)が前進。そして左へ展開し、パスを受けた右フランカー利川桐生 (政経4=大阪桐蔭)が強靭(きょうじん)なフィジカルを見せ先制トライを奪った。「チームを勝たせることがゲームキャプテンの役割なので、1週間常に意識してきた」(利川)。しかし、このあと筑波大に立て続けにトライを決められ7―14とリードされる展開に。前半終了間際に明大は敵陣でのマイボールラインアウトからトライを狙うも取り切ることができず、リードを許したまま試合を折り返す。

 点差を詰めていきたい後半は、序盤から明大が果敢に攻める。後半9分、敵陣22メートルラインでのマイボールラインアウトはジャンパーを飛ばさず、構えていた左フランカー最上太尊 (商4=仙台育英)へ。そこから西野へボールを戻し、タッチライン沿いに走り込んでグラウンディング。「去年からあったサインを今日初めて成功できて、しっかり準備してきたプレーが出せたので良かった」(西野)。15分には敵陣左側でのラックからテンポよく右へ展開する。最後は伊藤龍が筑波大のディフェンスを破り追加トライを挙げた。「(前半を終えて)自分たちがやるべきことをやり切れていなかったので、もう1度自分たちがやることをしっかりやり切ろうと意識した」(伊藤龍)。再び筑波大にトライを奪われ17―21で迎えた38分、敵陣ゴールラインの5メートルほど手前で筑波大がディフェンスラインをそろえ待ち構える。勝利にはトライが求められる中、観客の明治コールが選手の背中を押し、物部耀大朗 (商3=中部大春日丘)が逆転のトライを決める。コンバージョンキックも成功させ、24―21で守り切りたい明大。しかし、ロスタイムに自陣でのディフェンスが乱れ筑波大にまさかの再逆転トライを許し、24―28で敗北を喫した。

 初戦敗北という、出はなをくじかれるスタートとなった対抗戦。「ラインアウトで課題が出た」(左ロック亀井秋穂・政経3=長崎北陽台)と修正点は多い。また、試合を振り返って「まずは悔しい。初戦で自分も含めチーム全員が少し固くなってしまって、自分たちのやりたいことができずに筑波大のやりたいことをさせてしまった」(左ウイング阿部煌生・政経2=流経大柏)と全国大学選手権(選手権)出場をかけて緊張感が増している。菅平でも対抗戦でも筑波大に勝ち切れなかった悔しさは、今後飛躍の糧となるに違いない。負けられない戦いが続く対抗戦の次戦の相手は青学大だ。「負けてしまったがここから切り替えて、選手権優勝までしっかりチーム一つになって頑張りたい」(物部)。日本一を『完遂』するために着実な一歩を踏み出したい。

[岩本文乃]

試合後のコメント
西野
――個人で良かった点と反省点を教えてください。
 「フィールドの部分ではしっかりディフェンスでも体を張れたので、そこは良かったと思います。課題はセットプレーで、特にラインアウトのスローをしっかり修正していきます」

亀井
――スクラムを組んだ感想と修正点についていかがですか。
 「ファーストスクラムの後は西野さんの判断を元に修正して、自立する感じでスクラムを組みました。修正という点ではスクラムもまずまず良かったかなと思います」

利川
――残りの試合に向けて意気込みをお願いします。
 「もう落とせないというのは自分たちの中でもあるので、ここから全部の試合勝ちたいと思います」

伊藤龍
――菅平での前試合で敗れていますが、その結果を踏まえて練習して意識したことはありましたか。
 「筑波に対して何かというプレーは特には用意してないです。自分たちがやることをしっかりやり切れなかったところに負けの理由があるかなと思います」

阿部
――筑波大のBKの印象はいかがでしたか。
 「個人的に相手の11番の飯岡(健人)さんが高校の先輩でもあったので、直接対決はなかったのですが注目していました。筑波大はやることが明確になっていて全体から声が出ていましたが、明治は自分たちが何をしたいかを、(伊藤)龍之介さんに依存してしまった状態でラグビーをしてしまったんじゃないかなと思います」

白井
――初戦敗北をどのように捉えていますか。
 「なあなあで入ってしまったところがあると思うので、ここで引き締めてもう3段階ぐらいレベルアップしなきゃいけないなと思います」

フルバック古賀龍人 (商1=桐蔭学園)
――対抗戦デビューでしたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか。
 「開幕戦は初戦ということもありプレーが固くなってしまったんですけど、次からは自分らしさだったり、1年生らしく思い切りのいいプレーをどんどん出して、相手にプレッシャーを与えていきたいと思います」

物部
――ご自身のトライシーンを振り返っていかがですか。
 「BEASTとしてしっかりトライを取れたことはすごく良かったと思いますが、チームで勝ち切ることがやっぱり一番のゴールだったので、それができなかったのがすごく悔しいです」