
服部・松本組が3位! 全日本個選で待望の表彰台入り/全日本学生個人選手権
学生日本一を決める全日本学生個人選手権(全日本個選)が蒲郡で開催された。6月の関東学生個人選手権で好成績を残したスナイプ級の服部輝海(理工3=横須賀学院)・松本能周(営4=高松北)組、470級の早川大翔(商2=霞ヶ浦)・渡邉駿一(情コミ2=逗子開成)・世良昂輝(文2=稲毛)組がそれぞれ出場し、服部・松本組が3位で銅メダルを獲得。目標としていた入賞を達成したどころか表彰台入りも果たし、個人、そしてチームにとって快挙となった。
◆8・27~31 全日本学生個人選手権(豊田自動織機 海陽ヨットハーバー沖)
▼スナイプ級
服部・松本組――3位
▼470級
早川・渡邉・世良組――22位
全日本個選は3年連続の出場となったスナイプ級の服部と初出場の松本。蒲郡は海面のコンディションが普段練習する葉山と明らかに違うことから、服部は過去の経験を踏まえ「とにかく安定して崩さないようにして、ひたすら固くセオリー通りに走って、相手のミスを待つ戦略でやってきた」。第1レースこそ18位だったものの、その後はシングル(1桁順位)を取り続ける快走で着実に上位争いに絡む。「こんなにもシングルをたくさん取れる大会が今まであまりなかったので、少し前で回る緊張もありつつ、楽しみもありつつ、ワクワクして挑めた」(松本)。そして第7レース終了時点でついに同率首位に浮上し、迎えた運命の最終レース。松本は「第8レース始まる前にサポートボートから『暫定1位で2、3位と3点差』という情報を聞き、その中で守りのレースをするのではなくて、攻めのレースをしようという話をした」と服部と勝負に出ることを選択。しかしスタートで出遅れたことが尾を引いて14位フィニッシュ。優勝こそ逃したものの、3位で表彰台入りを果たし、近年は縁が遠かったメダルを手にすることができた。スキッパーとして艇を率いた服部は「率直にとてもうれしいというか、自分の実力以上のものが今回は発揮できたのかなというふうに思っているので、普段応援して下さっている色んな方であったり、感謝して伝えたい」と笑顔を見せた。
470級は2年生の早川・渡邉・世良組が全日本の舞台に挑み、22位で大会を終えた。2度目の出場となったスキッパーの早川は大会全体を通して「スタートがうまくできなくて、スタートしてからの苦しいレースが続いてしまったのが、勢いに乗れなくて前を走れなかった原因」と悔やんだ。渡邉・世良のクルーコンビは初の大舞台で、蒲郡の風の強さによって交代しながらレースに参加。世良は「練習の中では走りのスピードを大事にするというところをやっていたが、レースになるとスピードが落ちてしまう場面もあり、落ちた時の対応の仕方も、次は練習していきたい」と今後の課題を見つけ、渡邉は「スタート出られた時は、自分自身の実力は出し切れる場面が多かったが、スタート出られなくて埋もれて順位を落とすことが多かった」と話した。それでも全レースの半分は20番以内でゴールし、特に第8レースは中盤から大きく順位を上げて14位。「順位が悪いとどうしてもコミュニケーションが減ってしまうのを感じていて、そこをできるだけしないように、順位が悪くても落ち着いて周り見て話し合いながらいけた。最後、いい風をつかんで前に出るとか、順位につながることができた」(早川)。下級生から貴重な経験を積むことができ、今後、チームへの還元が期待できる。
服部・松本組がもたらした久方ぶりのメダルはチームにとって快挙であることはもちろん、今後の団体戦への弾みとなることは間違いない。残り約2カ月に迫った全日本学生選手権へ向けて「できることは本当に限られていると思う。ちょっとした積み重ねだったり、今年のスローガンは『貪欲』を掲げているので、最後までこだわってレースに挑むような姿勢を続けたい」(松本)。目標は6位入賞。各クラスの1番艇たちが、チームを引っ張っていく。
[北原慶也]
試合後のコメント
松本
――初の全日本個選はどのような気持ちで臨みましたか。
「ペアを結成したのがおそらく3月頃だったのですが、そこから全日本の個人戦で入賞したいという共通の思いがあったので、それに向かって切磋琢磨(せっさたくま)し合えた結果がこういう結果につながったかなと思っています。(蒲郡には)今週の頭から入ったのですが、不安定な海面の特徴をしっかりと、入り練習で把握しようとしたことが、結果的にレースに良い意味でつながったなと思います」
服部
――大会全体を振り返っていかがですか。
「入賞を目標にやってきて、いろいろな水域にたくさんのライバルがいる中で、自分たちがどこまでやれるか一つ楽しみでもあり、挑戦を積極的にしていくようなシリーズにしたいなというふうに思っていて。特に昨日のレースで、すごくコンディションが難しい中で、安定して上位を走り切れたっていうのが、一番(入賞に)つながった要因かなと思います」
世良
――今後に向けての意気込みを聞かせてください。
「自分の役割を理解して、やることをやれば結果はついてくると思います」
早川
――8レース中半分は10番台とかなり高い成績で安定しました。
「スタートが決まった時はいつも通りの走りができて、安定して上位で回ることができました。海面の特徴をちゃんとつかめていなかったり、スタートミスをしてしまった時が悪い順位になってしまったので、最初から流れに乗れた時が、順位として比較的良かったです」
渡邉
――クルーとしての強みを教えてください。
「他の人より身長があるのと、強風になればなるほどやっぱスキッパーの視野がどんどん狭くなっていって余裕がなくなっていくと思うので、そこでクルーが余裕を出して周りを見たり、スキッパーの補助をしてあげられるのが僕の強みです」
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