4年生引退 敗戦も最後は笑顔で会場を後に/第101回日本学生選手権水泳競技大会水球競技

2025.09.10

 4年生にとっては最後の舞台となるインカレ。明大らしいカウンターからの攻撃を貫くも、リーグ戦でしのぎを削った専大に苦戦し、悔しくも初戦敗退。明大の長く険しい一年が終わった。

◆8・27~8・31 第101回日本学生選手権水泳競技大会水球競技
▼8・28 対専大戦(横浜国際プール)
明大5{0-6、1-3、2-3,2-4}16専大〇

 「試合を楽しんでやりきろうと決めた」(筒井将登・営4=明大中野)と、これまでの一年間の集大成に臨んだ明大。今季はリーグ戦勝ち点0という結果に終わり、苦しい一年を過ごしたが、水球を楽しむ気持ちは忘れていなかった。「本当に後輩主体のチームだった」(宇津野貴大・営4=明大中野)と4年生がわずか3人という状況下で、ここまでの一年を戦い抜いた。

 試合は専大のペースで進む。「試合展開的には点差はついてしまったが、いい水球はできた」と宇津野は振り返る。第1Pから専大の猛攻に苦しみ、6点差をつけられてしまったが、第2P以降はカウンターを中心とした攻撃から得点を挙げた。

今季は勝ち点からは遠ざかったものの、「かけがえのない仲間を手に入れた」(宇津野)、「みんなが素直で仲がいいのが強みだった」(筒井)と今年のチームの雰囲気の良さに胸を張った。4年生はこの試合を最後に引退となるが、「伸びしろがあるチーム」(宇津野)と、新チームへ期待をにじませる。

 新体制が発足する明大水球部だが3年生はわずか2名のみ。それでも、紫紺の伝統を背負う下級生たちには頼もしさがある。今季から加わった1年生たちはフレッシュな力でチームを押し上げ、「後輩先輩関係なく全力で主体性を持ってプレーできている点が非常に良かった」(宇津野)と4年生からも太鼓判を押されている。強豪復活へ、明大水球部の新たな挑戦が始まる。

[川瀬吾一]

試合後のコメント
筒井主将
――人生初の主将はいかがでしたか。
 「人を動かすことの難しさや、人に聞いてもらうことの難しさを実感しました」

――水球の思い出はありますか。
 「もちろん高校時代にいい成績を取れたのはそうですし、大学に入って、予選にはなってしまうのですが、今年の最終関東予選の慶應戦や三建戦に対して、自分たちのやりたい水球をできて、格上相手にしっかり勝利を収めることができたのはとてもやりがいを得た経験になっています」

宇津野
――水球をやってきて何を得ましたか。
  「なかなか大学生になってこうやってなにかに熱中できる環境や、信頼できる仲間がいるということは普通じゃないんだなということをとても実感しています。自分たちのチームはほぼ中学校から上がってきたチームで、10年間チームとして、チームメイトとして一緒に過ごせたということは、自分の中でもいい経験でしたし、かけがえのない仲間を手に入れられたなと思っています」

――水球とは今後どのように向き合っていきますか。
 「大学4年生まで頑張ろうということで思っていたので、今後はまたやりたくなったらちょこっとやろうかなと考えています」