捕えられた“逃げの竜” 表彰台逃す/全日本大学対抗選手権(ロード)

2025.09.07

 群馬県に舞台を移し行われた、全日本大学対抗選手権(インカレ)のロードに明大から6人が出場した。終盤までは永野昇海(理工4=横浜平沼)が先頭集団でレース展開をつくると“逃げの竜”の異名を持つエース・林原聖真(法4=倉吉東)が最後は決めるというプラン通りのレースを繰り広げるも、スプリント勝負となったラスト1周で逃げ切れず表彰台を逃した。

◆9・7全日本大学対抗選手権(群馬サイクルスポーツセンター)
▼男子ロード(150キロ)
ロード総合6位
林原——6位
秋元——39位
永野——DNF
中川——DNF
鈴木——DNF
辻——DNF

 トラックの総合順位は7位に終わり、ロードでなんとか順位を上げたい明大は永野を筆頭に序盤からリードする。永野が先頭集団でレースを引っ張ると、続く集団では林原と中川挺太(法3=奈良北)が前方に食らいつく。その後ろには鈴木澪(政経3=松山学院)、秋元碧(営1=北桑田)が控え、理想的な位置をキープ。一方、辻洸之介(法2=銚子商)は前日から故障したバイクに足を引っ張られレース3周目ほどで離脱することとなった。

 レース中盤は先頭集団が二つに別れる。終盤まで先頭でなんとか逃げたい永野は、先頭集団のトップに躍り出ると、そのままレースリーダーとしての位置を守り続ける。その間に、鈴木、中川は集団について行くことができず離脱。しかし永野は「いけるところまで自分が引っ張る」と変わらずに先頭をキープ。林原と秋元は「永野のおかげで終盤に体力を残すことができた」(林原)と永野の走りは明大にとって大きな希望だった。

 レースが動いたのは残り4周に差し掛かったところ。永野らレースリーダーが集団に収束されると、その後ろにつけていた林原らの集団が一気に前方に抜け出した。ラスト1周までは林原、中大、日大、京産大の4人で先頭集団を構成し優勝争いをする展開に。しかしラスト1周に入ると、そこに他大の選手2人が加わり、6人で争うこととなる。「自分以外の選手はスプリントが得意な選手だった」(林原)とかなり厳しい状況。ゴール間際の上り坂で、スプリント勝負になる頃には「自分の足(の力)が残っていなかった」(林原)と力及ばず、林原は6位でフィニッシュした。

 4年生にとっては最後のインカレのロードで表彰台に上がることができず、悔しいレースではあったが、林原の後にはルーキー・秋元が堂々と完走するという、未来の明大自転車部にとって大きな収穫もあった。沿道には明大自転車部を応援する観客も見受けられ、応援される部の躍進は期待し続けられることだろう。


[小松錦葵]