夢の3連覇へ視界良好 インカレ前半戦総括/日本学生選手権

2025.09.07

 大学競泳界で最も権威ある団体戦、日本学生選手権(インカレ)が9月4日開幕した。明大は初日から大注目のルーキー成田実生(情コミ1=淑徳巣鴨)が大会新記録で優勝。2日目は上川畑英(政経3=桐光学園)が200メートルバタフライで見事1位に輝いた。2日間を終え男子は総合優勝、女子はシード権獲得に向けて好位置に付けた。

◆9・~9・ 第101回日本学生選手権(東京アクアティクスセンター)
◆1日目
子400メートル個人メドレー
1位 成田 4分35秒66
▼男子400メートル個人メドレー
4位 上川畑 4分1371
位 阿部 4分1903
8位 庭野 4分19秒74
女子100メートル自由形
7位 伊東 56秒17
▼男子100メートル自由形
位 渡辺 4955
位 餅田 4964
◆2日目
▼男子1500メートル自由形
位 江沢 15分2147
位 鈴木麻 15分5031
▼女子200メートル自由形
2位 長尾 1分5848
▼男子200メートル自由形
位 加藤涼 1分48秒77
位 清水 1分48秒93
▼男子200メートルバタフライ
位 上川畑 1分5539
位 川野 1分5587
▼男子100メートル平泳ぎ
7位 小嶋 1分00秒73
位 川島 1分0137
女子4×100メートルフリーリレー
2位 伊東・田村・木津喜・長尾 3分42秒67
▼男子4×100メートルフリーリレー
位 餅田・成嶋・スコット・渡辺 3分17秒40

 大学競泳界の頂点を決する大舞台、インカレがついに幕を上げた。男子の3連覇がかかる今大会、明大は『mighty』(力強い、偉大)というスローガンのもと、紫紺を背負った選手たちがプールに飛び込んだ。チームの運命を左右する大事な初日では、パリ五輪6位入賞、世界選手権2位の実力者成田が400メートル個人メドレーで圧巻の泳ぎを見せつける。予選は他を寄せ付けない成績で通過するも、決勝の序盤ではリードを許してしまう展開に。「平泳ぎから後半で一気に上げる自分の得意なレースプランをやり切ることを意識した」(成田)と平泳ぎで巻き返し、2位と3秒もの差をつけフィニッシュ。自己ベスト更新はできなかったものの、大会記録を更新し初めてのインカレで明大に勢いをもたらした。

 一方、今大会がラストインカレとなる長尾佳音主将(営4=武蔵野)は1年次から優勝を狙い続ける200メートル自由形に出場。予選を1位で通過し、夢である優勝が現実味を帯びる。決勝でも好スタートを切り100メートル時点で1位につけるが、徐々に後れを取ってしまう。目標としていた58秒台を出し自己ベストを更新したものの、0.12秒及ばず惜しくも3大会連続の銀メダルという結果に終わった。しかし「すべて出し切ったので、これ以上はない」とレースを語り「ここで折れずに、切り替えて次のレースに前向きに向き合い、少しでも多く点を取りたい」(長尾)と前向きに次を見据えた。

 男子はまず長距離種目で力を見せた。OWS(オープンウォータースイミング)でも活躍するベテラン江沢陸(法4=成田)と鈴木麻央(商2=浜松商業)が1500メートル自由形で存在感を見せる。初日に行われた予選ではインカレ初出場の鈴木が自己ベストを14秒も上回る目覚ましい結果を打ち出し、江沢も自己ベストを更新した。ところが決勝では両者力を出し切れず江沢が4位、鈴木が8位という無念の残る結果となった。

 400メートル個人メドレーと200メートルバタフライに出場した上川畑は前半戦で大活躍した。1日目の400メートル個人メドレーでは上川畑、阿部力樹(政経1=日大藤沢)、庭野直樹(商4=埼玉栄)と3人が決勝に出場。オリンピアンの松下知之(東洋大)も出場した決勝のレースで熱戦を繰り広げるも、全員が表彰台を逃すという悔しい結果に。「バタフライはラスト50メートルで全員抜いて優勝したいと思う」(上川畑)と雪辱を誓い、迎えた2日目の200メートルバタフライ。上川畑は50メートル時点で7位と出遅れるも急速にスピードを上げ「自分の強みだというのをコーチと再確認して、練習を重ねた」ラスト50メートルでトップに立つ。その勢いのまま逃げ切り、自身初となるインカレ優勝を果たし「チームに絶対優勝を持って帰る」(上川畑)という目標を実現した。

 男女ともに順調なスタートを切った前半戦。思うような結果を出せずに悔しさが残る場面もあったものの、男子は大差をつけて総合得点首位に立ち、女子は目標であるシード権内の5位に位置している。大会最終日には順位に大きな影響を与える花形の4×200メートルフリーリレーが行われる。ますます盛り上がりをみせるこれからの戦いに、目が離せない。

[藤岡千佳]

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