
インカレ事前インタビュー④ 清水博斗/日本学生選手権
9月4日から4日間、大学競泳界最大の大会・日本学生選手権(インカレ)が行われる。今シーズン最後となる大学対抗戦。『mighty』(力強い、偉大)というスローガンのもと、男子は総合優勝3連覇、女子はシード権獲得を目指す。
今回は、清水博斗(政経4=日大藤沢)のインカレ事前インタビューをお届けする。
(この取材は8月28日に行われたものです)
――現在の調子はいかがですか。
「1カ月前ほど前に、FISUワールドユニバーシティゲームズ(WUG)に出場したのですが、そこではあまり自分の思うような結果を出せず、少し調子が悪いという感じでした。そして今回、明治の浜松合宿に初めて参加して、寮生と一緒に練習するという違った刺激を得て、とてもいい調子でインカレに向かって練習できていると思います」
――初めて参加した明大の合宿はどのような雰囲気でしたか。
「参加人数が多いということもあって、3年生までずっと参加していたクラブチームの合宿とは練習の雰囲気などが全く違いました。きつい練習の時の声の出し合いやライバルとの関係がクラブチームとは違い、とてもいい合宿だったというふうに思います」
――最上級生となって意識していることはありますか。
「1、2、3年生の頃は上に先輩がいたので、引っ張ってもらう側だったのですが、今度は自分たちが最上級生として引っ張る側ということを意識しています。特にインカレでは、最終種目の800メートルリレーで優勝したいと考えているので、そこで自分が4年生として他のメンバーを引っ張って、優勝に押し上げられたらと思っています」
――これまでの大会を踏まえて改善している点はありますか。
「今までは食生活を気にしていなくて、自分の好きなもの、例えばお菓子などをたくさん食べてしまうという感じでした。でも、WUGの結果が満足のいくものではなかったので、最近は結構食事とかにも気を使いながら、今まで以上に水泳以外の私生活の方にも水泳を頭に入れながら生活するようにしています。この改善で、WUGより良い結果出せたらというふうに思います」
――WUGで400メートルフリーリレー決勝のアンカーを務めて3位入賞を果たしましたが、どのようなお気持ちでしたか。
「もちろん国際大会という面でも緊張したのですが、リレーのアンカーを務めるのが高校1年生、約6年ぶりぐらいなので、今まで忘れていた別の緊張感がありました。リレー前によく、4人で泳ぐけれどアンカーが順位を決めるということを言っていて、4泳に任せろではないですけど、3泳が3位とかで帰ってきても、結局4泳の人が1位に押し上げたら1位になるという考えがあります。WUGでは監督(佐野秀匡監督)もこのことを言っていて、その監督に4泳を任してもらって、絶対にメダルを取りたいという思いで出たのでメダルが取れたのではないかなと思います。インカレも自分が泳ぐかはわからないのですが、アンカーを任せてもらえたら自分が優勝を取ってくるというような思いで泳ぎたいと思います」
――インカレの出場種目を教えてください。
「200メートル自由形と400メートル自由形に出場します。力を入れているのは200メートル自由形になります」
――今大会で最後のインカレですがどのようなお気持ちですか。
「自分自身の個人の種目もエントリーランキングが3番でメダルを取れる位置にいるのですが、やはり800メートルリレーで優勝したいという思いが一番強いです。個人がどうなってもいいという言い方は良くないですけど、個人がたとえ悪くても優勝できたら全ていいという感じで、それぐらい800メートルリレーを優勝したいという思いで今回のインカレは臨みたいと思っています」
――昨年度3位だった200メートル自由形への思いを教えてください。
「自分の出る200メートル自由形はこの間行われた世界水泳で銅メダルを取った村佐達也選手(中大)がずば抜けて早くて、優勝が堅いなと思います。でも、エントリーランキングは3位で、自分の頑張り次第で2位を目指せると考えています。順位が2、3年生と3位が続いているので、1位は取れなくても2位を取って、最後の200メートルを終えたいと思います」
――今までのインカレでの思い出はありますか。
「800メートルリレーがやはり一番思い出に残っています。1年生の頃が3位で、2年生の頃は優勝しようと意気込んで出たのですが、優勝できず4位という結果で、昨年度出たインカレで800メートルリレーを優勝することができて、その時が今までの水泳人生で一番嬉しく、一番印象に残っています」
――リレーにはどのような思い入れがありますか。
「やはり、1人でメダルを取るよりも、4人で力を合わせて取ったメダルの方がうれしいです。1人で取った時は周りの人がやったねと言ってくれるだけなのですが、4人で取ったメダルは4人で分かち合える嬉しさがあって、個人的には個人でとったメダルよりも、4人でとって分かち合える嬉しさの方がうれしいです。最終種目というのもあるのですが、そういう思いもあって800メートルリレーにかける思いはすごく強いです」
――自信はどれくらいありますか。
「正直ラストで替えがきかないというか、本当に最後なのでいつも通りやっているつもりでも、結構緊張してしまっています。不安要素が自分の中で芽生えてきてしまうところが多くて、自信があるかと言われたら、正直あまりないという感じに近いです」
――自身の注目点を教えてください。
「個人では200メートル自由形の方に注目してほしいです。前半飛び出してから真ん中のラップを揃えて最後上げてくるというところが得意なので、そこに注目しながらラストの追い上げにも期待してほしいというふうに思います」
――インカレとはどのような大会だとお考えですか。
「自分にとってではないのですがよく言われているのが、お祭りみたいな大会と言われていて、インカレまですごく調子が悪くて、タイムもまったく出ていなかった人もインカレでバーンとタイムが上がって、メダルを取ったり、決勝に残ったりという人結構が多いです。どれだけこのインカレの空気に飲まれずに乗るかみたいなところが大事な試合かなというふうに思います」
――現在のチームの雰囲気を教えてください。
「これまで2年連続で天皇杯をとって総合優勝しているのですが、3連覇という思いが強いと浜松合宿に初めて参加して感じています。練習の中でも、総合優勝だったり、天皇杯っていう言葉を監督が口に出して鼓舞したり、部員の中でもリレーメンバーの場合はリレーメンバーの中で声を出し合って、これだったら優勝いける、練習してるよとか、早いよとか言い合ったりしてるので、とてもいい雰囲気で練習できていて、過去負けないぐらいの、強いチームが出来上がっていると思います」
――明大の強みは何だとお考えですか。
「勝負強い選手が多いというところが強みだと思います。レースの結果とかを見てもそうなのですが、大一番でベスト出してきたり、メダル取ったりすることのできる選手が多いので、それが積み重なっての総合優勝に今までつながってきていると思います。なのでやはり勝負強さというのはどこの大学のよりもあるというふうに思います」
――明大で注目の選手を教えてください。
「庭野直樹(商4=埼玉栄)と加藤晃成(商4=中京大中京)です。庭野は自分と同じく初めて浜松合宿に参加して、初めて一緒に練習しました。とにかく練習が強いという印象で、400メートル自由形のベストタイムが自分と同じぐらいなのですが、練習では自分より速いこともあります。僕が言うのもなんですが、彼の400メートル自由形は速いのではないかなと思うので、彼に注目してほしいですね。加藤晃成は中学3年生から知っていて、同じ200メートル自由形で全国中学の決勝を戦ったこともあります。今、200メートル自由形はあまり泳いでいなくて、タイムも出ていないのですが、もしかしたら最後の800メートルリレーを一緒に出て、同期で共に優勝して表彰台に乗るっていうこともあり得るので、晃成にも注目してほしいです」
――具体的な目標と意気込みを教えてください。
「200メートル自由形では1分47秒台前半を出して準優勝と、400メートル自由形ではベストを出して決勝に残ってメダルを取りたいと思います。個人では2種目メダル、リレーでは800メートルリレーで優勝、天皇杯獲得したいと思います」
――ありがとうございました。
[藤岡千佳]
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