
インカレ事前インタビュー③ 江沢陸/日本学生選手権
9月4日から4日間、大学競泳界最大の大会・日本学生選手権(インカレ)が行われる。今シーズン最後となる大学対抗戦。『mighty』(力強い、偉大)というスローガンのもと、男子は総合優勝3連覇、女子はシード権獲得を目指す。
今回は、江沢陸(法4=成田)のインカレ事前インタビューをお届けする。
(このインタビューは8月26日にオンラインで行われました)
――ラストインカレを控えた今の率直なお気持ちを教えてください。
「1年の頃から選手として参加してきたインカレなのですが、今年はもうラストの4年ということで、緊張が半分と、残りはもう楽しみというか。もう同期たちとやる最後のインカレなので、ただ楽しみたいという気持ちが結構強くなってきています」
――1年時から1500メートル自由形に出場されていますが、今年もその1種目での出場でしょうか。
「1500メートルと、あと急きょ400メートルの自由形にも参加することができたので、その2種目を頑張りたいと思っています」
――それぞれの目標などお聞かせください。
「1500メートルは、去年ギリギリ決勝に残ったんですけど、決勝でタイムを落として順位が8番という不甲斐ない結果になってしまったので、それより上を目指して、大きく目標を持って表彰台に登ることを今目指しています。400メートルはまだもう2人いるんですけど、その2人は決勝ラインで、僕はまだB決勝入ってるか入ってないかぐらいのラインなので、その決勝に入って、3人全員、明治で決勝に出ることを目標にしています」
――今年度の男子部門は、3連覇のかかったチームです。寮外生という立場ではありますが、チームではどのような雰囲気を感じられましたか。
「関わる機会は少ないんですけど、顔を出したり、少し後輩たちと関わる時とかにはもうすごいみんな楽しそうにやっていて、この雰囲気なら今年も連覇を目指せるんじゃないかという雰囲気はひしひしと感じてきています」
――最上級生として挑むインカレは、今までとどのような違いがありますか。
「3年までは、僕の試合に出る前の順位は、『絶対決勝に入っている』という順位でもなくて、本番当日でベストを出して決勝に残れたという、挑戦者的な立ち位置でした。今年はベストタイムだと決勝に入っているので、決勝に出て当たり前というような。自分の中でもそう考えています。去年までよりプレッシャーは重大になってきていますし、1500メートルの予選が初日なので、後輩たちにかっこ悪いところは見せられないなという。一番槍みたいなものですけど『いくか』みたいな気持ちは強くなってきていますね」
――1年時のインカレで1500メートル自由形が予選1組というところから、3年時には決勝8位と上がってきました。この大学生活で、ご自身の成長になった要因は何だと思いますか。
「僕の中で思ったのは、1年の夏の終わり頃に出たオープンウォータースイミング(OWS)という、海で泳ぐレースに大学で初めて出たんですけど、そこでの日本選手権では5キロメートルで優勝することができて、福岡の世界水泳の代表になることもできました。そこから長距離に対しての考え方とか、すごくいろいろないい経験もさせていただいて、タイムがぐんぐん伸びていったのかなというのは感じています」
――代表経験で印象に残ってることを教えてください。
「代表のメンバーたちと、事前に合宿とか遠征とかさせていただきました。僕は初めての遠征、日本代表で緊張していたんですけど、他の何回も出場している方たちはすごいどっしり構えていて、そういう『プレッシャーに強い、頼もしい』という感覚は、インカレの4年生たちの姿とも重なって見えたんじゃないかなと。僕も今年そんなふうに思われたらいいというのは感じています」
――OWSに出会えた経験など、かなり濃い4年間だったと思います。振り返ってみていかがですか。
「高校生活3年間は1500メートルと離れていたので、1年時は種目に迷っていたというか、1500メートルを大学でもう1回始めたという感じだったので、全体的に思うような本番ができないっていうので、悔しい年だったなというのを感じますね。『練習ではうまくいったのに』というのが多々あって、本番で試合の成果を反映できないのが苦しかったのは感じました。でもそんな中で世界水泳で代表になることができて、2年は色々合宿とかでいろんなとこに連れてっていただいてるんですけど、その中でちょっとずつ1500メートルに慣れてきたというか、長距離の種目に対して自信がついてきたと感じていて。そんな中で行われたインカレで、少ないですけど16番という結果で1点取って、みんな1点ではしゃいでくれて、こんなタイムでもインカレの優勝に貢献できたんだということはちょっと実感できたので、そこで結構うれしかったのもありますし、そこで自信につながりましたね。3年では(個人では)後輩という立場ではいられない部分もあって、(チームでは)2連覇もかかっていたんですけど、そこはもう僕の1個上の先輩たちが強すぎたので、安心して僕はレースすることができました。そこで中学生の頃からベストが出ていなくて、大学3年生でそこでやっと13秒ベスト、大ベストを出すことができて、決勝に行くことができました。同期とかはみんなお祭り騒ぎになってくれて、そこで結構もういい思いができたと感じていまして。そこで同期の庭野直樹(商4=埼玉栄)と一緒に決勝で出ることができたのも、インカレでめちゃくちゃ楽しい思い出にもなりましたし、そこで優勝に貢献できたうれしさもあって、いい3年間になったとは思っています。そこの経験でも、先輩として、楽しい姿を見せないとなという自覚が生まれてきましたね」
――昨年度までのような絶対的エースは不在の状況ですが、今シーズンの団体戦戦績を見る限り、その課題に対してかなり克服できていると感じます。
「そうですよね。去年の4年生たちはもうメダは取れる位置にいる人がほとんどで、今年、僕らの同期の代は良くてメダルみたいな、彼らには一歩劣るレベルで。そこで僕らももちろん全力を出すんですけど、後輩たちにも任せられる実力があるので、そこはもう信頼して頼ることは考えていますね」
――チームに向けたメッセージをお願いします。
「優勝したら僕のおかげと言ってほしいです(笑)」
――ラストかつ、3連覇のかかったインカレに向けた意気込みをお願いします。
「ラストインカレで、決勝ラインの7番という、タイムを競っている人がたくさんいる順位なんですけど、そのプレッシャーに負けずに予選かっ飛ばして、余裕で決勝に残って、みんなの士気を上げれたらとは思っています。2日目にメダルを取って、もっと士気を倍増できたらと考えています」
――ありがとうございました。
[中川美怜]
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