OB竹中選手、プロデビュー戦に勝利!!/プロボクシング

1999.01.01
 アマチュア時代に73勝の成績を残してきた竹中良選手(平20営卒・現古口ボクシングジム)が念願のプロデビュー戦を迎えた。竹中選手は持ち前の技術の高さを見せつけ見事に勝利を飾った。

 デビュー戦のリングは明大ボクシング部時代から主戦場としてきた聖地・後楽園ホール。しかし、観客の入りは学生時代とはまったく違いほぼ満席。リングに当たるスポットライトも明るさが増していた。

 デビュー戦の相手は、この試合が16戦目となる阿部。A級ライセンスを持つキャリア豊富なボクサーだ。序盤は出方をうかがう両者。調子をうかがう間も一つ一つの動きにむだがなくスピード感のある戦いを見せる。だが、2回から徐々に竹中選手の持ち前のスピードがさえ始め、相手に的確なパンチを打っていく。ここで阿部が偶然のバッティングで前頭部を負傷。ドクターによるチェックを受け試合が一時中断する。しかし、竹中選手は気持ちが切れることなく落ち着いていた。

 迎えた3回。竹中選手の地力が阿部を上回り、フェンス際に追い込んでの猛ラッシュが相手をとらえ、ついにデビュー初のダウンを奪う。このダウンに、後楽園ホールに集まったボクシングファンは歓声を上げた。しかし、竹中選手はダウンを奪ったことで熱くなってしまったのか、その後は相手に攻撃を許す場面が見られプロの洗礼を浴びる。このまま阿部に主導権を明け渡してしまうのかと思われた矢先、4回に阿部の頭部の負傷が悪化。結果は4回途中までの判定で決着が付けられた。

 ジャッジは終始攻め続け、ダウンを奪った竹中選手の手を挙げた。勝利の瞬間、喜びの表情を見せると思ったが、意外な幕切れだったことで落ち着いた表情をしていた。試合後「プロの世界は楽しい」と竹中選手は笑顔だった。しかし「ダウンを奪ったことで、相手を倒せると思ってちょっと力んで熱くなりすぎた」(竹中選手)と反省も忘れていなかった。

 見事にプロデビュー戦を勝利で飾った竹中選手。「目標はチャンピオンになること」と力強く宣言した竹中選手の今後の活躍に、胸がふくらむばかりだ。

◆竹中良 たけなかりょう 平20営卒 九州学院高を経て明大ボクシング部に入部。学生時代には07年国体フェザー級準優勝を成し遂げるなど、実力を十分備えていた。今年9月実施のプロテストに合格。B級ライセンスを取得した。