(7)魅惑のスーパーエース、関裕也

1999.01.01
(7)魅惑のスーパーエース、関裕也
 高い打点、早いスピード、コートを打ち抜いていくようなボールの鋭さ…関のスパイクは見た者に何とも言えない爽快感を与える。一度それを見れば、その人は必ず魅了されるだろう。そんな魅惑のプレーヤー、関の思いとは…!

真剣なまなざしでプレーする関
真剣なまなざしでプレーする関

誰にも負けない向上心

 「2部から勝ち上がりたかったんで、明治を選んだんです」。こう関ははっきり言った。普通ならば、最初から1部の大学に入れる実力を持っていただろう関だが、当時2部の明治へあえて入学し、いばらの道へ進んだ。

 関は入学したころからスタメンで試合に出場し、本学の勝利に貢献してきた実力者。もちろん今回の1部定着にも、欠かせない人物だった。自分の力でメンバー争いを勝ち抜き、主力の一人として見事「2部から勝ち上がる」ことを現実にした関。それだけではなく、“1部にとどまる”ことまでも実現させた。

 しかし、彼はまだここで満足はしない。「1部と2部は(レベルが)全然違っていて、僕らのチームはまだそこまで行けていない。まだ1部で通用するチームとは言えない。個人としてもそう。スパイク、2段トスが全く通ってないんで、そこは1部で通用するような打ち方を考えてやりたいと思っている」。彼は日々向上心を持ってバレーをしている。

 「チームのプラスαになる選手」になりたいと関は言う。チームのため、関はさらに自分の技を磨き、はるか上を目指していく。

勝つために

 関がバレーを始めたのは、小学生のころ。「もともと兄がやっていたんで、それで自分も小2から始めました」。それから彼はずっとバレーを続け、高校では日本一を目指して練習に励んだ。彼にとってバレーはもはや、生活の一部と言えよう。

 どうしてここまでバレーを続けてくることができたのか。そこに、「勝つ喜び」があるからだと関は言う。彼は常に勝つことに意識を置いている。それもこれも、その先には「喜び」が待っているからだろう。
 
 関は今、両手の指をケガしている。なんと、じん帯やげんが切れているそうだ。支障はないのか、と聞くと、「支障ありますよ。でも、そんなこと言ってられない。やるしかないです」と、はっきりした声が返ってきた。チームのため、勝利のためになら、彼は痛みにも耐え続ける。

高さあるスパイクで相手を攻める関
高さあるスパイクで相手を攻める関

インカレでも勝つ!

 関のポジションはスーパーエース。カットはせず攻撃専門で、ライトの位置でプレーする。左利きの彼にとって、ライトの位置からが打ちやすい。「安定してるし、頼りになる」(木村・法2)と、コート内の関に対する周りの信頼は厚い。また、コートの外でも、「ただのバカっぽいやつです。おもしろい」(木村)、「やさしいし、おちゃめないい人」(徳重・法1)と、彼は仲間から愛されている。

 そんな関が抱く全日本インカレの目標は、やはり「勝つ!」こと。それ以外にはない。自分の技をさらに磨き、彼はチームの勝利のために力を出し切る。全日本の舞台で、関のスパイクがさく裂するだろう。すべては勝利のために…!

◆関裕也 せきゆうや スーパーエース 文2 岡谷工高出 185cm・70kg

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 次回は、本学屈指のリベロ、芳賀広大(営2)を紹介します。