インカレ事前インタビュー① 小嶋壮主将/日本学生選手権

2025.09.01

 9月4日から4日間、大学競泳界最大の大会・日本学生選手権(インカレ)が行われる。今年度最後となる大学対抗戦。『mighty』(力強い、偉大)というスローガンのもと、男子は総合優勝3連覇、女子はシード権獲得を目指す。

 今回は、小嶋壮主将(情コミ4=桐光学園)のインカレ事前インタビューをお届けする。

(このインタビューは8月24日に行われました)


――今年度の団体戦は優勝を重ねてきました。振り返っていかがですか。
 「すごく楽しい学生生活になりました。その集大成として最後のインカレで優勝して、下の世代につなげていけたらなと思います」

――チームの雰囲気はいかがですか。
 「すごくにぎやかで楽しいチームなので、この雰囲気をインカレまで持っていって、他大学を圧倒できたらなと思います」

――小嶋選手ご自身の調子はいかがですか。
 「インカレに向けてすごくいい調子で調整ができています」

――浜松での強化合宿ではどのような練習をしてきましたか。
 「最終強化という位置付けだったので、キレを意識して自分の最大出力を求めた合宿になりました」

――200メートルより100メートルの方が得意だと思うのですが、短距離の方が得意な理由を教えてください。
 「きつい時間が短いからです。200メートルはすごく苦しくて、そういうのはあまり好きじゃないので(笑)。体質的にも短距離の方が合っているところがあるので、200メートルは自分の中で苦手意識があります。ですが、200メートルで決勝に残ることも今大会の目標にしていて、実際それが手に届くような位置にありますし、上位層に決して引けを取らないようなタイムで練習できているので、最終日200メートルは苦手ですけど頑張りたいなと思っています」

――今年度のスローガン『mighty』にかけまして、ご自身の力強さ、偉大さはどこにあるでしょうか。
 「僕はこのメンバーの中でも結構背中がでかいので、そこが力強いと思います。乗っかるつもりでついてきてくれたらなと思います」

――インカレという大会はどのように位置付けていますか。
 「インカレと双璧をなしているのが日本選手権ですが、日本選手権は個人戦でインカレはチームの戦い、チームの力を使って泳ぐことができる大会だというふうに感じています。そういった意味でも自分だけではできないことがチームの力を借りてできる大会なので、チームの追い風を受けて僕も頑張ろうと思います」

――天皇杯3連覇というプレッシャーは感じていますか。
 「そうですね、プレッシャーはあるのですが、僕自身中学生の時からプレッシャーなどはたくさんありましたし、みんながいるだけで強いので、特に強いプレッシャーやネガティブな緊張などはないです。すごく楽しみな気持ちが強いので、みんなの力を借りて楽しく頑張っていこうかなと思います」

――今年度主将に決まった経緯を教えてください。
 「下級生からの投票になるのですが、水泳に対する姿勢や、後輩、先輩、監督とのコミュニケーションというところを見て選んでいただいたのかなと思います」

――主将に決まった当時の心境はいかがでしたか。
 「最悪でした(笑)。主将は得意ではないので。ですが、任された以上はしっかりやろうと思って、できているかは分からないですが、皆さん頑張ってくれているので僕も頑張りました」

――今までは主将の経験はございましたか。
 「高校でもやっていましたが、人数が少なくて1学年3人しかいなかったですし、高校3年時のインターハイ(全国高等学校総合体育大会)はコロナの影響でリレー種目がなく、個人種目で出場できたのは3人しかいなかったので、主将という立場を強く意識していたわけでもなかったです」

(写真:応援に応える小嶋)


――主将として意識していることはございますか。
 「姿勢を見せることが大事かなと思っています。結局実力社会という世界の中で(練習を)やってない人は速くない、ついてこないというのが現状なんですよね。いくら正しいこと言ったとしても、言うこと聞いてくれるのはそれなりに立場がある人だということをひしひしと感じていたので、自分は練習量は少ないのですが、練習に対する姿勢や水泳に対する姿勢は大切にしています」

――主将として過ごす中で水泳に対する意識の変化はございましたか。
 「先ほど言った通り姿勢を見せるということを重要視しているので、水泳に対する熱量ややろうという意気込みは主将としての時間と比例して上がっていったかなと思います」


――小嶋選手の代に続いて明大水泳部を背負っていく後輩たちに一番伝えたいことは何ですか。
 「本当に今すごくレベルの高いチームに育っているので、アスリートとしての自覚を持って、ありのままの君たちでいてほしいと思います」

――明大水泳部の3年半で一番印象に残っているレースを教えてください。
 「2年時のインカレです。自分より前のレースで泳いだ(チームの)2人が予選落ちをするタイムを出してしまって、それまでの明治大学は全種目1人は必ず決勝に残っていたので、自分が残らないと全種目決勝を絶ってしまうということを察した時が一番緊張しましたし、自分がやらないとと思いました。無事決勝に残れた時は自分らしからぬガッツポーズをしてしまうほど、プレッシャーに打ち勝った瞬間、チームのために何かできた瞬間というのが一番印象に残っています」

――レースの順番も勝敗に関わってくるのですか。
 「そうですね、その時は自分が最終組で、1つ前とその1つ前の組のメンバーが決勝に残れなくて自分にプレッシャーがあったので、順番も大事だと思います」

――同じ組にメンバーがいるのはどうですか。
 「嫌かもしれないです。負けたくないという気持ちが出できてしまうので(メンバーが)いない方が泳ぎやすいかなと思います」


――悔しさという意味で印象深いレースはありますか。
 「去年のインカレでのメドレーリレーです。日本学生新記録を出したうえで2番だったのがすごく悔しかったです。栁川くん(栁川大樹・令7政経卒=現名岐不動産)と智信くん(五味智信・令7商卒=現ミキハウス)という日本を代表するトップスイマーがいる中でも負けてしまったのは、自分がもう少し速かったらなという思いもありましたし、来年は絶対勝ちたいなというふうに強く思った瞬間でした」

――ここまで水泳を続けられてきた原動力は何ですか。
 「水泳が楽しいという純粋な思いだと思います。本当に練習もきついし嫌なことばかりだし、楽しい瞬間なんて年に1回あるかないかですが、毎日少しでも楽しいと思いながらじゃないと続けられなかったと思います。今思い起こせば楽しかったのかなと思います」

――一番きついと感じる練習は何でしたか。
 「長く泳ぎ続ける練習です。同期に周回遅れをすることもあって、苦しかったのですが、いっぱい頑張って自分を高めたという意味では成功した練習だったかなと思います」

――水泳人生で一番大変だった練習は何ですか。
 「アメリカ合宿ですね。間違いなく人生で一番きつかったのがアメリカです。時差ボケが解消できなくて、眠れないのに朝3時半に練習開始だったので2時50分に起きる生活で、時差ボケとかどうするの?と思ったまま3週間過ごしました。練習もきつかったし、時差ボケも解消できなかったいうところが印象に残っています」

――同期の選手と遊びに行ったエピソードを教えてください。
 「多摩センターのイルミネーションに一緒に行きました。タピオカを飲んでBeReal.を撮りました(笑)。ディズニーにも行きましたし、結構いろいろなところに行きましたね。この前の浜松の合宿も、4年生でベッド2つしかないんですけど5人でぎゅうぎゅうになりながらホラー映画を観て騒いだり、本当に楽しい経験をさせてもらったなと思います。この縁は一生大切にしたいです」


――学校練とクラブ練で練習場所が違いますが、その点で感じることはございますか。
 「特に境は感じなくて、みんな(大学に入る前から)知り合いですし、同期で全中(全国中学校大会)の優勝者5人くらいいますからね。遠藤渚(理工4=八王子学園八王子)とは中学生の時リレー組んでいたこともありましたし、みんな長い付き合いです」

――3連覇に向けてポイントになるところはどこでしょうか。
 「やはりリレーの3種目だと思っていて、得点が2倍になるというところもそうですし、リレーで勝つとみんなの士気がすごく上がるので、そういったリレーで全部優勝して、チームに勢いをつけることかなと思います」

――改めてチームとしての目標とご自身の目標を教えてください。
 「チームとしては天皇杯3連覇、個人としては100メートル平泳ぎでの優勝、メドレーリレーでの学生新記録での優勝、200メートル平泳ぎでの3枚決勝というところを目指して頑張ります」

――最後に応援してくださる方々に一言お願いします。
 「本当にたくさんの応援のおかげで頑張ってくることができました。最後まで応援のほどよろしくお願いします」

――ありがとうございました。

[寺井和奏]