
インカレ事前インタビュー⑥ 成田実生「すごくドキドキワクワク」/日本学生選手権
9月4日から4日間、大学競泳界最大の大会・日本学生選手権(インカレ)が行われる。今シーズン最後となる大学対抗戦。『mighty』(力強い、偉大)というスローガンのもと、男子は総合優勝3連覇、女子はシード権獲得を目指す。
今回は、成田実生(情コミ1=淑徳巣鴨)のインカレ事前インタビューをお届けする。
(このインタビューは8月25日に電話にて行われました)
――世界選手権では、400メートル個人メドレーでの銀メダル獲得おめでとうございます。振り返ってどのような大会になりましたか。
「メダルの獲得が一番大きな目標だったので、そこを400メートル個人メドレーで達成できたというところは、目標の達成率としては良かったかなとも思うのですが、全体的に見ると、200メートル個人メドレーと400メートル個人メドレーでは、世界大会で初めて自己ベストを更新できた反面、200メートル背泳ぎでは、自己ベストを出せたら決勝、準決勝進出ができていて、3種目全てで自己ベスト更新という目標もあったので、やはりまだうまくいかなかったこともありました。そこはまた再挑戦をしてできるようになるまでやり続けたいなという気持ちになった大会でした」
――宿舎では池江璃花子選手(横浜ゴム)と同部屋だったということですが、特に印象に残っている池江選手の姿はありますか。
「今大会は池江選手が日本チームのキャプテンを務めてくださいました。その中で特に印象的だったのが、毎晩レースが終わるごとに日本チームのグループラインでその日に自己ベストを更新した人や決勝に進出した人、メダルを獲得した人などに『おめでとうございます』というメッセージを送っていたり、みんなで頑張ろうというメッセージを送っていたことです。世界大会で自分のことで精一杯なはずなのに、そのようなチームへの気配りや、自分のことだけじゃないという姿がとても印象的でした。私は自分のことでいっぱいいっぱいだったので、将来はそんな先輩選手になっていきたいなと思いました」
――現地での部屋割りはどのように決まるのですか。
「部屋は水泳チームの総務の方が事前に決めてくださっているので、現地に行くまで分からなくてドキドキワクワクでした」
――帰国後は表敬訪問もされていましたね。周囲の反応はいかがでしたか。
「表敬訪問で、各スポンサーさんの会社にも訪問させていただきました。すごく支えていただいていたのは知っていましたが、実際にその会社に伺って『おめでとうございます』と言っていただいたりして、こんなにもたくさんの方に支えていただいてるんだなと実感できたのがすごく印象的でした。あとは、チームメイトや友達など、たくさんの方にも応援していただいたりメッセージもいただけて、すごくうれしい気持ちでいっぱいでした」
――帰国してからのお祝いなど、オフのエピソードがあったら教えてください。
「帰国して何日かしてからすぐにルネサンスの合宿があったので、実はまだ行けてないんです。帰国して3日間ぐらいはオフでアウトレットには行ったのですが、マッサージをしに行ったり、合宿もすぐ控えていたのであまり満喫できずという感じでした」
――3年後のロス五輪に向けて今後も世界大会が控えていますが、今大会を踏まえてどのような選手になっていきたいですか。
「明治大学に入学する時に目標を書く色紙があったのですが、そこに一つの目標としてロス五輪で200メートル個人メドレーと400メートル個人メドレーの2種目でメダル獲得という目標と、そのために今回の世界選手権でメダルを獲得する経験を積むということを書きました。それをまず今大会で一つ目というか、初めのステップを踏めたことは、今後の自信になりますし経験として生きると思います。その反面、今大会では200メートル個人メドレーでメダルを取れなかった悔しさと、世界での自分の立ち位置も痛感しました。3種目を目指すかはまだ分からないですが、個人メドレーにかける思いが400メートルと200メートルどちらにも強いので、ロス五輪ではその2種目でのメダル獲得であったり、あとはタフさをずっと課題にしてるので、タフな選手になれるように頑張りたいという気持ちがあります」
――ここからはインカレについてお伺いします。インカレに対してはどのようなイメージをお持ちですか。
「日本一盛り上がる大会というイメージがあります。聞いているだけで想像もつかないですが、日本一盛り上がる大会で一番強いのが明治大学というイメージがあるので、そのチームで戦うというのがすごくドキドキワクワクします」
――レース以外に楽しみなことはありますか。
「二つあります。一つ目は、この前明治のグループラインで応援グッズの案の連絡が来ていたのですが、それが海外で使っていそうな応援グッズでかっこよかったんです。結果ももちろんですが、明治大学で応援グッズを作ったりするのも楽しいなと思いました。二つ目は応援つながりで(決勝の)入場の時にグータッチをしているシーンを見たことがあるので、それがすごく楽しみです。200メートルを泳ぐ前にプールサイド歩くことがないので、多分(歩くのは)初めてだと思います」
――400メートル個人メドレーは一番最初のレースになりますが、その点はいかがですか。
「緊張もありますが、世界選手権でも一番最初の種目を泳ぐことを経験できて、もちろん自分のために泳ぎますが、自分のために泳いだ結果、チームのいい流れにつながっていけばとも思ってるので、そういう気持ちで臨みたいと思います」
――最近の大会では400メートル個人メドレーは最終日にあることが多かったと思いますが、種目の順番が違うと大会を通しての過ごし方も変わってくるのですか。
「この間の世界選手権や選考会(日本選手権)でもそうだったのですが、400メートル個人メドレーが最終日にあって、特に大会期間が世界選手権のように長いと、途中の期間も調整しすぎないというか、ある程度の距離をアップ練習で泳ぎつつ、その400メートル個人メドレーに向かっていく感じなので、(400メートル個人メドレーが)最初にあるのと最後にあるのでは、中日の過ごし方が少し違うのかなと思います」
――リレー種目を含め、ハードな出場になるかと思います。大会中の過ごし方はどのようにお考えですか。
「こんなにタフなレースになるのが久しぶりなのでやはり少し不安もあるのですが、しっかりイメージを膨らませていきたいなと思っています。全種目で決勝に進むことができたら10レースになるので、気持ちの切り替えというところはうまくできるように準備したいと思っていますし、リレー種目は4年生の引退レースになるので、そういう気持ちもすごく自分を奮い立たせる気持ちの一つになると思うので、そういうことも思い出しながら、1本1本気持ちを込めて泳ぎたいなと思います」
――リレー種目の経験はどのくらいありますか。
「高校では去年、関東高校(関東高校競技大会)やインターハイ(全国高等学校総合体育大会)でのフリーリレーで決勝の舞台で泳ぐことができましたが、インターハイとインカレは日程が似てると思っていて、リレー種目が少しへばってしまうようなイメージというか、去年そのような結果になってしまったので、その時の経験も生かしつつ、チームのみんなの気持ちも自分の力に変えて、最後まで力を振り絞れるような泳ぎをしたいと思います」
――女子選手は練習場所もバラバラですが、リレー種目の練習はどのくらいされているのですか。
「引き継ぎ練習などはクラブも違うのでできないのですが、私は特に8継(4×200メートルフリーリレー)での優勝、学生新記録を目標にしているので、その種目は特に(レースを)イメージして練習しています」
――同期の選手との関係性はいかがですか。
「同期の選手は何人か高校の時から知っていた選手はいたのですが、初対面の選手もいたりして、最初は少し緊張もあったのですが、4月の春六(東京六大学春季対抗戦)の後にみんなで1回目の同期会で焼肉に行きました。選手もマネジャーの皆さんも男女関係なく集まってすごく楽しかったです。あとは、言語の授業が一緒の選手がいたり、全員ではないですが、和泉キャンパスで先輩や同期で集まったりして、みんなでお昼を食べることもあって、練習場所は違うけど会える機会も多いです」
――今後同期の選手とやりたいことはありますか。
「春六の同期会の時にまだ入部してなかった選手が1人いたので、その選手も含めてもう1度ご飯に行きたいです。あとはみんなで遊びに行ったりしたらすごく楽しそうだなと思うので、そのような理想もあります」
――改めてインカレへの目標と意気込みを教えてください。
「個人種目では出場する200メートル個人メドレーと400メートル個人メドレーの2種目で2冠をすることです。リレー種目では8継もそうですが、4継(4×100メートルフリーリレー)でも優勝を狙える位置にいるので、8継では学生新記録での優勝、4継でも優勝という目標があって、メドレーリレーでは決勝進出という目標があります。簡単な目標ではないと思いますが、今までの自分の経験や、チームの応援を力に変えて、目標を達成できるように頑張りたいと思います。その先にシード権があると思うので、みんなで頑張りたいと思います」
――ありがとうございました。
[寺井和奏]
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