
帝京大を苦しめるもリベンジならず/練習試合
菅平合宿の最終試合。多くの観客からの注目を集める中、帝京大との試合が行われた。試合は開始早々に失点するも、激しい攻防を見せ、帝京大に食らいつく。続く後半もお互いに譲らない展開が続くも、最後は一歩及ばず。悔しい結果となったが、関東大学春季交流大会(春季大会)の王者に対して接戦を繰り広げた。
◆8・24 練習試合(サニアパークDグラウンド)
▼対帝京大A戦
明大A21{7―14、14―14}28帝京大A〇
「この合宿のターゲットを帝京大にしていた」(ゲームキャプテン・スクラムハーフ柴田竜成・営4=秋田工)と気合十分で臨んだ帝京大との一戦は苦しい展開から始まった。開始1分、帝京大のスクラムから大きく外へと展開され自陣深くへの侵入を許してしまう。ボールを奪い、キックでエリアの回復を試みるも上手く→うまくいかず、カウンターから先制点を奪われる。「最初、簡単にトライをとられたのは痛かったが、自分たちのやること、シンプルなことをしっかりとやろう、切り替えてやろうという話をした」(左ロック菊池優希・政経4=山形中央)。明大は反撃に転じようとするも、帝京大の堅い守りを前に思うように攻撃ができない。それでも前半30分、コート中央、左センター伊藤龍之介(商3=国学院栃木)のキックから敵陣深くでボールの再獲得に成功。そこからテンポよくボールをつなぎ、フルバック古賀龍人(商1=桐蔭学園)がトライ。ゴールも決まり7-7と相手に追いつく。「自分たちがどんどん勢いに乗っていければ、相手にプレッシャーを与えられると思っていた。そこの部分を最大限に生かして、最後相手が内に寄ったところで、外に呼んでトライができたので良かったよ」(古賀龍)。しかし前半終了間際、明大は早い出足からいいディフェンスを見せるも、自陣で反則を重ねてしまい、帝京大の有利な展開に。「前に前にという意識が強すぎて、ペナルティーを犯してしまった」(柴田)。そこから帝京大にジリジリと前進されると、トライを奪われ、7―14で前半を終えた。
堅い前半とは対照的に後半はボールが大きく動く展開になった。後半開始から帝京大にノーホイッスルでトライを取られるも、後半3分、左フランカー最上太尊(商4=仙台育英)のスティールからチャンスをつくると、敵陣5メートルラインでモールを形成。最後は左プロップ田代大介(営3=大分舞鶴)が押し込み、14―21に。点差をつけさせない。さらに得点を重ね、流れをつかみたい明大。菊池が帝京大のラインアウトをスティールするなど好プレーを見せる。「相手のラインアウトを研究していたので、割り切って自分たちが飛べて、そこでトラップした場所に相手が飛んでくれた」(菊池)。しかし22分、自陣での反則から帝京大にボールを持たれると、相手のフォワードでのアタックに押され、ボールはインゴールへ。その後も帝京大のペースで試合が進み、苦しい流れが続く。だが、そんな状況をルーキーが打ち破る。42分、自陣22メートルライン付近でボールをもった古賀龍が3人をかわす圧巻のランを見せ、一気に敵陣深くに侵入。素早いサポートからボールをつなぎ、菊池が決め切った。さらに後半終了間際、帝京大の攻撃をうまく守りカウンターにつなげると、敵陣ゴール前でのラインアウトを獲得。バックスもモールに参加しトライラインに迫る。しかし、帝京大のディフェンスに阻まれトライとはならず。「自分たちのインパクトが出せずに、モールをコントロールされてしまった」(フッカー西野帆平・文4=東福岡)。21―28で試合を終えた。
菅平合宿での最後の試合となった帝京大との一戦。敗北とはなったものの、完封負けを喫した春季大会での対戦からの大きな成長を感じることができた。次の目標は関東大学対抗戦の優勝。明大ラグビー部の躍動に期待が高まる。
[虻川隼人]
試合後のコメント
西野
――フォワードのセットプレーを振り返っていかがですか。
「ラインアウトの部分は全部自分たちのクオリティーを出せたし、相手ボールも取れてラインアウトの部分は圧倒できていたイメージです。スクラムの部分は春に比べると自分たちの中でいいスクラムを組めたかなという印象でしたが、相手にペナルティーを取られた部分もあったので、そこは80分間やり通すというところはまだまだだったと思いました」
菊池
――試合全体を振り返ってみていかがですか。
「自分たちのミスから帝京大がそのままスコアする流れが多くて、自分たちのミスをこれから修正していくべき点かなというのは思いました」
――近場のフォワードでの攻防はいかがでしたか。
「帝京大学さんは順目にフォワードを当ててくる感じだったんですけど、自分たちはしっかり我慢できて、前に出るディフェンスができたていたのは印象的でした。その上でちょっと前に行きすぎてペナルティーが多かったので、そこをしっかり修正していきたいと思います」
柴田
――ハーフタイムに話したことはありましたか。
「やることは間違っていなかったので、もう1回ブレークダウンのところや、ディシプリンのところをしっかり守っていければ、絶対勝てるという話をしました」
――今回合宿全体通しての総括はいかがですか。
「筑波大には負けてしまったんですけど、全体を通してチームとしてすごく成長できたなと思っています。でも帝京大には1トライ、1ゴール差で、この差はまだまだ大きいと思うので、東京に帰ってまた突き詰めて練習したいと思います」
古賀龍
――後半の大きなゲインを振り返っていかがですか。
「(キックで)エリアを取るというのを前半からしていて、相手も多分蹴ってくるだろうなって思っていたと思うので、そこで内が開いているのが見えたので、そこを思い切って走りました」
――秋シーズンの意気込みをお願いします。
「しっかりチームの優勝に貢献できるように頑張ります」
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