
(男子)三浦『オペラ座の怪人』お披露目 ジャンプにほろ苦さ/サマーカップ2025選手権男子FS
大会3日目となった11日。選手権男子FS(フリースケーティング)の演技が行われた。三浦佳生(政経2=目黒日大)は新プログラムを披露するもジャンプに苦しみ12位に、磯和大智(営1=京都両洋)は21位で大会を終えた。
◆8・9〜12 サマーカップ2025(木下カンセーアイスアリーナ)
▼選手権男子FS

「ファーストジャンプ(4回転ループ)が終わった時点でもう跳べる気がしなかった」と、三浦は演技後に淡々と振り返った。1本目以降跳んだジャンプは回転が抜ける場面が目立ち、ダブルジャンプやシングルジャンプと認定され得点に大きくブレーキをかけた。6分間練習でこそ4回転サルコーの着氷、4回転ループの調整、さらに「本番だけ」と話していた4回転トーループも練習の段階で降りるなど、コンディションを懸念させる要素は多くなかった。しかし「脳の中では自分がいつも跳べていた時のイメージは残っている。けれど体が追いついていないのが現状。(ジャンプ)単発では、今日の6練のように跳べていたので、シンプルに不調とかそういった問題ではない」と、曲を通した実践での不安定さを指摘した。TES(技術点)は29.13と、本来の演技からはかけ離れているものの、焦りは見せない。「自分は自分の状況を一番理解している」と、終始落ち着いた表情を見せた。また、ジャンプのミスが目立ったものの、表現力、スケーティングでは光るものがあった。裾と手首にかけての白と黒のグラデーションが鮮やかな衣装。新プログラム『オペラ座の怪人』に合わせた振り付けと体の使い方で魅了した。PCS(演技構成点)は75.50点を獲得し、自身も一定の手応えを口にする。「滑りのポジションだったり、そういった部分が思った以上にできているので、そこはいい収穫」と前を向いた。今後も出場予定の大会が多く迫ってくるが、どのように調整をし、状態を上げていくかに注目が集まる。

今大会のFSで4回転トーループに2本組み込んだ磯和。5月のサイニチホールディングス杯では4回転1本とトリプルアクセル2本の構成であったが「(4回転は)日によるが、5割から8割(降りられている)。アクセルより確率がいい」ことから4回転ジャンプを選択した。ロックな曲調に乗せ、流れるように1本目の4回転ジャンプを跳んだものの転倒。続く2本目も転倒とミスが続き「自分が演技中何をやったかな、何もできていない感じ」と苦い表情で振り返った。続くジャンプでも乱れが見られたが、ロックな曲調に合わせた力強い滑りとキレのある動きで魅せた。次戦は本戦の東京選手権。在学中の目標である全日本選手権(全日本)出場に向けて「ジャンプを全てまとめられるように、練習量をまずは増やして体力をつけたい」と意気込んだ。
[髙橋未羽、橋本太陽]
試合後のコメント
三浦
――目指すところはどこでしょうか。
「やっぱり五輪は一つ目標にしているので、今日の演技で何言ってんだと思われるかもしれないですけど、いやもうそんなことはなく、自分は自分の状況を一番理解しているので、そこは目標として胸を張らせていただこうと思います」
――全日本まであと4カ月、間に合わせていく考えでしょうか、それとも時間が足りないという認識でしょうか。
「足りないと言えば足りないんですけど、ただそれはどの選手もそうなので。足りないから間に合わないではなく、足りないけど間に合わせていくしかないのが五輪出場の条件だと思いますし、選考は全日本だけではなく、グランプリ(GPシリーズ)だったりも選考対象になってくるので、そこに自分の本来に近い形で臨めればいいのかなと思います」
磯和
――プログラムを演じる上で意識していることはありますか。
「まだ何も意識できてないです。振り付けが宮本賢二先生なのですが難しすぎて、今は振りをこなすことに精いっぱいです」
――大島淳コーチからは演技後に何か声を掛けられましたか。
「いろいろと大島先生らしい言葉をいただきました」
関連記事
RELATED ENTRIES