
(男子)三浦半年ぶりの実戦復帰 新プログラムで会場沸かせる/サマーカップ2025選手権男子SP
8月9日より木下カンセーアイスアリーナにて、サマーカップ2025が開幕した。初日の9日は選手権男子SP(ショートプログラム)の演技が行われ、明大からは三浦佳生(政経2=目黒日大)、丸山英希(法2=宇都宮短大付)、磯和大智(営1=京都両洋)が出場。約半年ぶりの実戦となった三浦が4回転のコンビネーションジャンプを着氷し、9位につけた。
◆8・9〜12 サマーカップ2025(木下カンセーアイスアリーナ)
▼選手権男子SP

今シーズン初戦を迎えた三浦は、2月の四大陸選手権以来、およそ半年ぶりの実戦となった。披露したのは新プログラム『Sunset on M.』。昨シーズンSPに引き続き、ブノワ・リショー氏による斬新な振り付けを曲の世界観に落とし込み、会場を沸かせた。中でも観客を驚かせたのは、プログラムの開始位置。ジャッジ席の前に両手をつき頭を下げ、強気な表情で滑り始めた。囲み取材後には「(曲が流れるまで)少し気まずかった(笑)」と笑みをこぼした。演技冒頭の4回転サルコーと3回転トーループのコンビネーションジャンプはGOE(出来栄え点)1.94を記録する。だが、その後の4回転トーループは3回転となりノーバリューに。「6分間練習では跳ばず、本番だけの回数制限を設けている」と、ケガの影響を考慮しトーループに関しては引き続き慎重な姿勢を見せた。得点は伸び切らず、71.53点で9位発進となったが、FS(フリースケーティング)で巻き返したい。

磯和は昨シーズンからの継続となるSP『INSAME』を披露した。冒頭のトリプルアクセルは回転が抜けてしまい、1回転の判定となったものの、その後の3回転フリップ、3回転サルコーと3回転トーループのコンビネーションジャンプはしっかりと着氷。演技を終え「あまり練習ができてない状態だったので、(ジャンプが)2本入っただけでも自分の中ではよくやったなという感じ」と振り返った。FS(フリースケーティング)では2本の4回転ジャンプを予定構成に組み込んでいる。大技の成功が高得点のカギとなってくるはずだ。

丸山はSP、FSともに一新し、心機一転初戦に臨んだ。『Take me to Church』は「プログラムに定評のある操先生に振り付けていただいた。ステップを一番見てほしい」と話すように、気持ちのこもった演技を見せた。前半のコンビネーションジャンプ、3回転サルコーを着氷し、勢いに乗る。しかし、演技後半のジャンプは、やや詰まり気味になるなど、序盤に比べ失速。「前半決まって安心して、少し詰めが甘かった」と反省の色を見せた。惜しくもFSには進出できず「他の試合でぜひ見てほしい」と、次戦を見据え前を向いた。
多くの選手がシーズン初戦となる今大会。五輪シーズンの試金石として、FSでの演技にも注目が集まる。
[髙橋未羽、橋本太陽]
試合後のコメント
三浦
――プログラムをつくるにあたって、ブノワ・リショーさんとはどういったお話をされましたか。
「『優真(鍵山・中京大)と駿(佐藤・政経4=埼玉栄)よりいいプログラムをつくってください』とお願いしたので、自分の中ではここまでいい形でこれてるかなと思います」
――現状は何パーセントで滑れていますか。
「まだ全然20、30パーセントという段階です。(ジャンプは)単発で跳べても曲の中で通せていないので、そこはまだまだかなと思います」
磯和
――丸山選手や大島選手(光翔・令7政経卒・現富士薬品)をはじめチーム埼玉の選手がたくさん出ていて、声援も大きかったですが、実際にいかがでしたか。
「びっくりしました。本当にでかくて怖かったくらいで。ものすごく両サイドからも聞こえて。正直うるさいです(笑)」
――継続のプログラムですが、今シーズン見せたい部分はありますか。
「SPはとにかくジャンプの確率を上げる。必ず降りるというところを重点的にしたいと思っています」
――本日の演技を100点満点で表すと何点ですか。
「普段なら30、40点ぐらいですけど、このような状態なので、自分の中では7、8割ぐらいじゃないかなと思います」
――次戦は東京選手権ですが、次戦までにやりたいことがあれば教えてください。
「この試合が終わったら靴を変えて。納得いくまで調整する感じでいきたいなと考えています」
丸山
――演技後半は体力的に厳しかったのでしょうか。
「(体力的に)とてもきついというわけではないですが、精神的な部分で油断してしまったという感じですね」
――SP、FSともに変更した理由を教えてください。
「まだお願いしたことのない振付師さんにお願いして、スケーティングなど、プログラムの面でもっと成長したいなと思って変えました」
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