(5)本紙記者が男子新体操を体験!

1999.01.01
 前回は新体操のルール紹介をした「新体操への招待」。しかし、新体操の魅力を紹介しているものの、実際にやってみないと本当の新体操の魅力を伝えることはできないということで、今回は本紙記者が実際に男子新体操を体験してみた。
 今回、新体操の指導を仰いだのは三宅(法2)だ。体験する前、私の頭をよぎったのは「柔軟性のない人間が新体操をできるのか」という不安。しかし「そこまでの柔らかさは求めない。柔らかすぎるのもあまりよくない」(三宅)という一言で少し不安が解消された。不安の中、まずは入念なストレッチ。運動をまったくしていない私にいきなりの柔軟体操は厳しいものだった。ストレッチのとき意識することは「足先までしっかりとピンと伸ばすこと」(三宅)。たった数分の柔軟体操なのに両脚は悲鳴をあげ、額から汗がにじみ出る。私が悪戦苦闘し苦痛に満ちた顔をしている反面、三宅は終止笑顔だった。

 次に、男子新体操の基本かつ重要な「姿勢」を正す練習。この練習は全身を映し出す鏡と向き合って行う。力の加減が必要とされるこの練習は大変難しく、なかなか理想の基本姿勢にたどりつかない。「基本姿勢でいかに自分をかっこよく見せるかが重要!」と三宅の指導にも熱が入る。

 基本姿勢をなんとか形にしたところで、いよいよ手具を使っての練習だ。ロープでは高く投げてキャッチする練習をした。「自分から取りに行くのではなく、落ちてきたのを自然に受け取る感じ」と三宅。目の前で高く投げ上げられたロープの持ち手の部分は見事に三宅の両手に吸い込まれた。こんなことできるのはすごいと普段取材していて感じているが、こうして間近で見るとより一層感じられた。私も挑戦してみたが、何回投げてもなかなか手につかない。結果20回ほど挑戦して、よい形ではなかったが一度だけキャッチに成功した。

 次に取り組んだのはリング。最初硬い素材でできていると思っていたが、意外に柔らかく驚いた。ここでは高く掲げたリングをうまく滑らせて首に通す技を練習した。手首の動かし方とリングを手から離す瞬間がこの練習のすべて。ロープほど難しくはなかったが、手首と離す瞬間のどちらかに意識がいってしまうので集中力が要求された。

 続いてスティック。三宅は「スティックは一番演技のバリエーションがあるから、いろんなことに挑戦してみて」と自由な練習を求めた。しかし「高く投げて取れずに落としたらスティックは折れることもある。過去に何本も折った」(三宅)ということも。折れるかもしれないという危険性にビクビクしながらも、手具を使った練習でスティックが一番楽しかった。。

 最後にクラブ。持ち手の部分は木でできており、当たるとこれがなかなか痛い。痛さを覚悟しつつ両手に持ち、それぞれが逆の回転を描くように投げてキャッチする練習を行った。この練習が一番難しく、最後までうまくキャッチするには至らず悔しかった。

 以前取材で三宅の「新体操をやっていてすごいと言われるけど、実際にやってみようと思ってくれる人は少ない。できないという先入観は持たずに、まずはやってみてほしい」という言葉を受けて実現した今回の体験。最初はやはり「新体操は難しいしできるわけないだろうな」と思っていた。柔軟体操をしているときは、普段体を動かしていないということもあって本当に苦痛で仕方なかった。<しかし、手具を使っての練習になると「自分でもやろうと思えばこれだけのことをやれる」と不思議と楽しいという気持ちが強くなっていた。ロープをキャッチしたときは嬉しかったし新体操の楽しさを実感することができた。「できない」という先入観は持ってはいけない。楽しんでやる気持ちが大事なのだ。三宅を見ていても、本当に新体操を楽しんでいる表情そのものだった。

 最後に、体験入部をさせていただいた体操部のみなさん、ありがとうございました!

~三宅がエキシビションに出演~
◆11・22(土) 第25回十六大学対抗体操競技交歓大会しもつき杯(首都大東京南大沢校舎)
16:30~17:00

アクセス:京王相模原線南大沢駅下車徒歩10分