
(3)もう一人のエース――清水つぶら/2008主力上級生特集
射撃との出会い
清水が射撃を始めたのは高校生の時。ライフル銃を撃つ先輩の姿にあこがれ、射撃という競技に身を投じる。「最初のころは銃を撃つのが怖かったけど、実際に撃ってみると面白くなった」。徐々に射撃の魅力に取り込まれていった清水は、その競技性に目覚め始めた。楽しむことが中心だった射撃が、結果を求める「競技」へと少しずつ変化していく。その後インターハイでの活躍を機に明大をはじめ、数々の大学からオファーを受けるほどに彼女は成長した。
AR(S‐40) =エア・ライフル立射40発 |
404.6 |
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SBR(3P‐60) =小口径火薬銃3姿勢60発 |
621.8 |
SBR(P‐60) =小口径火薬銃伏射60発 |
579.5 |
※関東学生春季選手権・第38回東日本選手権・第4回日本学生選抜選手権・関東学生秋季選手権・第63回国民体育大会・第55回全日本学生選手権での成績の平均 |
個人から団体へ
「(当時)明治の女子が強かったから、その中で自分ももっと上手くなりたい」。その思いから清水は明治大学に進学する。本学は日大、中大と並んで常に関東圏で優勝争いを繰り広げている日本有数の強豪校。ハイレベルな争いの中で、清水は新たな射撃の魅力を見つけた。「大学では全員で試合に向かっている感じなんです。高校まではどちらかというと個人単位でやっていたんですが」。実際、競技をするときに銃を撃つのは一人で、競技の性質上応援や歓声は存在しない。それでも、銃を撃っているその姿の後ろには、常にチームの存在があった。「高校の時は気持ちの弱さが弱点だったけど、明治に入ってからは気持ちを強く持てて集中できました」と、今までにはなかった「チーム」の存在に後押しを受け、清水は好成績を残し続けた。個人では幾度も入賞を経験し、団体では常にチームの核として高得点をたたき出す。女子部の中心選手として、明治を支え続けた。
これからの清水・これからの明治
部を引っ張ってきた4年生として、彼女が後輩に残した言葉。「射撃は団体でやっていることだから、一人ひとりがしっかりと責任を持って動いてほしい」。その中には、彼女が大学で見つけたチームの大切さが集約されているように思えた。大学での大会日程はすべて終えたが、清水は今後も射撃を続けるという。「山梨の協会に入って、記録会や団体戦で優勝したい」。明治という舞台から去っても、彼女の射撃生活はまだまだ終わりそうにない。OBとなっても華々しく活躍を続けるであろう彼女の姿は、きっと後輩たちに勇気を与えるだろう。
◆清水つぶら しみずつぶら 営 石和高 160㎝
【2008主力上級生特集】
第1回 – (1)次代を担う――大城弥生/2008主力上級生特集(2008/11/01)
第2回 – (2)凛々しい女子エース――木村如志/2008主力上級生特集(2008/11/02)
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