WUG事前インタビュー① 長尾佳音/FISUワールドユニバーシティゲームズ

2025.07.16

 7月16~27日にかけて、FISUワールドユニバーシティゲームズ(WUG)がドイツで開催される。2年ごとに開催され、学生を対象にした国際総合競技大会である今大会。競泳競技には、明大水泳部から5人、ヘッドコーチに佐野秀匡監督が選出された。WUGに挑む選手たちの思いとは。
 今回は100メートル自由形、200メートル自由形、4×200メートルフリーリレーに出場する長尾佳音女子部主将(営4=武蔵野)のインタビューをお届けする。

(この取材は7月1日に行われたものです)

――合宿を振り返っていかがですか。
 「最近では早慶戦に参加させていただきました。そこで本番前の最後の試合という感じだったので、課題を明確にできた合宿期間だったかなと思います」

――見つかった課題とは何でしょうか。
 「私の強みとして、レースの最後のラストスパートという部分があるので、200メートルだと50メートルの3本目のところであったり、400であると100の三つ目のところのラップをもうちょっと上げられるといいですね。最終的なタイムも今回は自己ベストに届かなかったんですけど、ラストを上げられると更新できるかなというふうに思います」

――2次合宿だったと思いますが、1次合宿はどのくらいの期間行われていたのでしょうか。
 「1次合宿は1週間ぐらいあったと思います」

――合宿の間、多くの選手と長く過ごしたと思いますが、情報共有など交流はされましたか。
 「結構全体的に、男子の選手とも女子の選手とも話しました。今回試合があったので、レースに行く時の声かけをして、チームの雰囲気を良くしようというのがチームとしてありました。いろいろな選手とできるだけレース前に声かけ合ったりしました」

――日本チーム全体としてのカラーはありますか。
 「世界をたくさん経験してるベテラン選手が意外と少なくて。フレッシュで、勢いのある選手が多いです。今回の試合でもベストを更新している選手が多かったり、チャレンジャーで勢いのある選手が多いチームかなと思います」

――その中でも特に勢いのある選手を挙げるとしたらどなたでしょうか。
 「女子の選手で言うと、背泳ぎの澤響花選手(青学大)です。日本選手権からも出場種目全てで自己ベストを出していて、その後の試合でもずっと自己ベストにほぼ近いようなタイムで泳いでいました。好調をずっと長い期間キープしていて、勢いがあるなと感じました」

――長尾選手個人の話に移ります。現在の調子を教えてください。
 「今回日本チームのミーティングで、本番前の最後の試合なので、このくらいのタイムで泳ぎたいというプランを考えたりして、しっかり試合に臨んでいました。自分がこのぐらいのタイムで泳ぎたいなというところはクリアできていたので、自分が思っていたよりはしっかり練習できていました。練習の成果は試合で発揮できていて、調子は結構いいんじゃないかなと思っています」

――そのタイムとは、具体的にどのあたりになってくるのでしょうか。
 「今回は1本しかレースがなかったので、その1本っていう中で自己ベストまで持っていくのは少し難しいのかなというところはありました。春の日本選手権の時は強化していたので、200メートルも400メートルもその時の予選のタイムをターゲットにしていました」

――日本選手権では、200メートル自由形で1分59秒85で4位に入りました。
 「その前の年に、夏に日本学生選手権(インカレ)で59秒7という自己ベストを出していたので、そこをもちろん狙っていた部分はあったので、少し足りなかったっていうところは悔しい部分ではあります。でも最近は2分を頑張れば切れるというところまで来ているのが確認できました。そんなに悪いタイムではなく、結構いい結果だったんじゃないかなと思っています」

――400メートル自由形に関してはいかがでしょうか。
 「400メートルもやはり夏に出した11秒台があったので、11秒台まで乗せたかったなというのはあります。でもラップの部分はそんなに悪くなかったので、夏は最後の後半のスパートがすごくいいタイムだったので、そこがもう少しそれに近かったら自己ベスト出たんじゃないかなというところはあります」

――以前からご自身の強みを「後半の追い上げ」とおっしゃっていますが、改めて現在のレーススタイルをどのように捉えていますか。
 「最後のスパートを上げられるというのと、自分のレースのラップを見ていても、最後(のタイム)が上がっているレースが最終的な記録もいいなと感じています。そこは変わらず今も自分の強みかなと思っています」

――今大会はコーチ含め、明大の選手が多く選出されています。発表された当時の心境などを教えてください。
 「前回大会、私がユニバーシアードに出場させていただちた時も、明治の方がたくさんいて、佐野監督も一緒に来られて。やはりチームメートの人がいると、すごくやる気が出ますし、仲間がいるだけで頑張れるなと感じました。今回も明治の選手がいてくれてすごくうれしいです。その後にインカレ(日本学生選手権)があるので、他の選手たちにとっても(インカレに向けて)燃えるような気持ちになってくれるように、良い結果が伝えられたらと思います」

――初出場の明大の選手も多いと思います。前回大会を経験した長尾選手から見てどのように写っていますか。
 「他の明治の選手も、夏のインカレや日本選手権でもずっといい記録で泳いでいた選手が今回選ばれているんじゃないかなと思います。練習も明治の学校練習は多分厳しいんじゃないかなと思いますし、監督も合宿にずっと参加していらっしゃるのでいつもと変わらない環境でできていますよね。しっかりそのドイツに行っても結果を出してくれるんじゃないかなと思っています」

――佐野ヘッドコーチから全体に対しては、どのような声掛けがされていますか。
 「若い選手が多いので、前回大会は社会人の選手もいたので、日本チームのレベルもすごく高い感じはありました。今回は全員学生で、他のチームに強いところはあったりすると思うんですけど『若い選手がいることで、逆にどんどんチャレンジしてビビらずいけることが強みになっていると思うので、そこを生かして本番でも泳げたら』というふうにおっしゃっていました」

――もう間もなく開幕ですね。これからのスケジュールを教えてください。
 「一旦解散して、また7月7日に集合してナショナルトレーニングセンターでみんなで調整の最終合宿をします。そのまま13日にドイツに旅立ちます」

――ドイツは訪れたことはありますか。
 「初めて行きます」

――海外でのレースは今大会で何回目になるのでしょうか。
 「試合で行ったのは、中学生ぐらいのアジアエイジという試合が初めてです。それと、前回のユニバーシアードで中国に行かせていただいてという、試合だけで言うとその2回ですね。あとは合宿などで行ったりはあるんですけど、レース遠征自体は意外と経験は少ないです」

――ヨーロッパでの合宿はありますか。
 「ヨーロッパは1回もないです」

――初のヨーロッパでの試合に向けて、何か対策などはしていますか。
 「今回は時差が結構あるというところをずっとコーチたちと話しています。行ってからレースまでにしっかり慣れないといけないなと感じています」

――特に時差対策ということで、その他にも特に気をつけて臨みたいことを教えてください。
 「一番は食事ですね。日本と違ってお米だったり、自分が食べたいなと思うものが必ずあるとは限らないですし。海外だと決勝のレースがすごく夜遅い時間に行われるので、次の日の朝の予選にすごく響きます。それを前回ユニバーシアードに参加してすごく感じた部分だったので、今回は同じ失敗をしないようにというところはすごく考えています」

――改めて出場種目を教えてください。
 「個人種目としては、200メートル自由形、400メートル自由形。4×200メートルのフリーリレーに参加します」

――3種目それぞれ、目標のタイム、レースプランなどを教えてください。
 「200メートル自由形は昨夏に出した59秒70をクリアして、59秒50、できれば前半の59秒40台まで載せないと海外の選手と戦って上位にいけないですね。前回200メートルは準決勝で終わってしまったので、決勝の舞台でしっかり上位に入れるようなところまで戦いたいです。400メートル自由形も前回予選で1本で終わってしまったので、今回はその時から自己ベストも伸びているので、ちゃんと泳げれば確実に2本はあるんじゃないかなと思っています。そこもしっかり決勝にいきたいです。入りの部分は200も400も意識して練習しているので、後半の強みは残しつつ、前半がうまく入れれば、自己ベストはおのずと出るのかなと感じています。リレーに関しては、コーチたちからもどこの国が強いかをいろいろ出していただいて、できれば優勝争いまでいきたいです。あとは、みんな学生なので、学生新記録というのも、順位とは関係なく記録としてターゲットにしようと、チームで話が出ています。そこも更新したいなと思っています」

――大学4年生として、インカレと並んで集大成となる大きな大会です。ご自身の中で、今大会の位置付けはどのように捉えていますか。
 「前回大会出場させていただいて、今回2回目で、自分としてはリベンジしたい気持ちがあります。その後に最後のインカレもありますけど、その一つ前の試合で1回自己ベストを更新して、それをさらにインカレで最後更新したいです。最後のインカレに取っておかず、ここで強化してきた部分を全部出したいです。自己ベストを出して、海外で活躍する、結果を残してくるというところを今回は特に意識して臨みたいなと思います」

――ありがとうございました。

[橋本太陽]