フィギュアシーズン開幕! 江川が『アヴェ・マリア』披露/アクアカップ

 7月5日にアクアカップSP(ショートプログラム)が行われた。シーズンの開幕を告げるこの日には、明大から周藤集(政経1=ID学園)、江川マリア(政経4=香椎)、奥野友莉菜(商1=駒場学園)が出場。周藤は昨シーズンからの継続プログラム、江川、奥野は新プログラムをお披露目した。

◆7・6〜7 アクアカップ(アクアリンクちば)
▼ジュニア男子

▼シニア女子

  江川は新プログラム『アヴェ・マリア』を初披露した。自身の名前の由来となるこの曲を、大学ラストイヤーという節目に選曲。「いろいろな編曲がある中で、自分でいろんな曲を聞いて探した。その中で(選曲したのは)お客さんが見た時に柔らかい豊かな気持ちになるような感じのイメージ」と語る。その言葉通り、和やかな曲調に合わせ、表情豊かに演じた。さらに昨シーズン末に組み込んでいた3T3T(3回転トーループ+3回転トーループ)のコンビネーションジャンプを3F3T(3回転フリップ+3回転トーループ)へ戻し、基礎点の向上を狙う姿勢も見せた。この日は前半2本のジャンプで加点を得られなかったが、総合得点は60点に迫る59.47点。SP60点台後半へ向け、細かい要素の精度を上げていきたい。

(写真:曲の悲しさを表現した奥野)

 奥野は新たなプログラムである『Danse mon Esmeralda』を披露した。この曲は、ミュージカル『ノートルダム・ド・パリ』の中の1曲で、登場人物であるカジモドが、処刑されて亡くなった後のエスメラルダに向けて送る歌。奥野は「カジモドの悲しさを表現したい。実際に賢二先生(振付師の宮本賢二さん)には『汚らしくもきれいに踊って』と言われている」と語る。エレメンツでは、昨シーズン苦戦した3L z3T(3回転ルッツ+3回転トーループ)のコンビネーションジャンプがカギとなる。今大会では、惜しくも回転不足となったが、大きなミスなく滑り切り「シーズンの最初の試合からしっかりまとめることができたのは、すごく良かった」と手応えを感じていた。

(写真:軽快な踊りを見せた周藤)

 周藤は継続のプログラムとなる『Take Five』を演じた。ドラムの音に身を任せるように、ジャズ調の曲に乗せ軽快な踊りを見せる。冒頭のトリプルアクセルでは加点の付くダイナミックなジャンプを見せ「綺麗に着氷できた」と、幸先のよいスタートを切る。しかし、以降はコンビネーションジャンプで回転抜け、最後のスピンでは予期せぬ転倒を起こすなど精彩を欠く。ノーバリューとなったスピンについては「勢いをつけすぎてすっぽ抜けてしまった」と悔やんだ。それでも「ジュニアグランプリの選考会後から1週間ほど練習は休んでいた。その中で試合で(トリプルアクセル、3回転ループを)しっかり決められたので良かった」と、プログラム全体の出来に納得の表情を見せた。

[髙橋未羽、橋本太陽]

試合後のコメント
江川
――曲を決めるにあたりお母様とはお話しましたか。
 「自分の心の中では(『アヴェ・マリア』を)ずっと使いたいという思いがあって、それをお母さんにサプライズで披露したくて。お母さんに直接この曲を使ってほしいと言われたことはないんですけど、でも使ったら絶対に喜んでくれるので(笑)。相談せずに決めて、決めた後に言いました」

――伝えた時はどういうリアクションをされましたか。
 「意外と驚いていなかったです(笑)」

奥野
――衣装はどのようなものになりますか。
 「少し民族っぽい衣装ではあるんですけど、そういう見た目で赤茶やオレンジといった感じの色になるかなと思います」

――明大の部練は参加しましたか。
 「2回参加しました。あまり人数は集まっていないですが、明大には有名で本当に上手な先輩方がたくさんいらっしゃるので、そういう方の練習を間近で見られるというのは、私的にもすごく勉強になりますし、あとは監督も部練にいらっしゃるので、そこで少しご指導いただいたりして、すごくいい練習ができています」

周藤
――大学生になって初めての夏を迎えますね。学校とスケートのバランスはいかがでしょうか。 「最初の1カ月ぐらいは大学にほとんど毎日行っていて。僕は通信制の高校に通っていたので「こんなに辛いのか」となりました(笑)。先輩たちから楽単など教えてもらっていたので、今は練習といいバランスを保てています」

――今シーズンの意気込みをお願いします。
 「昨シーズンはケガもあって、いろいろ真剣に考えすぎたので、今シーズンはまず楽しむこと。それを意識して、楽しんで滑れたら次第に結果がついてくると思います。今シーズンのテーマは『楽しむ』です」

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