成長見せつけ7年ぶり優勝!しかし新たな課題も/全早慶明定期戦

1999.01.01
 11月1日、慶応義塾日吉記念館にて第61回全早慶明定期戦が開催された。本学は慶大にフルセットの末勝利、また早大にはストレート勝ちをおさめ見事優勝に輝いた。2位は作年優勝の早大で、3位は昨年と同じく慶大。本学の当定期戦での優勝は、2000年の第53回定期戦以来実に7年ぶりとなる。

 「絶対勝たなきゃいけないですね」。試合前このように話していた深町主将(政経4)。そんな気持ちで臨んだこの定期戦はOBも参加可能であり、本学からも4人のOB選手がメンバーにエントリーした。第1試合の相手は2部6位の慶大。余裕をもって臨んだ本学は、OBをはじめ、リーグ戦には出場していなかった選手を積極的に用いていった。「深町さんの後を引き継ぐセッターを育てていかないと」(廣本・商3)。12月で引退してしまう4年生の穴を埋めるため急務になっている新戦力の育成。しかし「実力も技術もまだまだ」(深町主将・政経4)というように、新しいメンバーを加えたチームは思うように機能しない。トスがうまくいかずボールがつながらないなど、基本的なミスが目立ち点を落としていく。第2、第4セットを取られ、まさかの最終セットまで持ち込んでしまった。このまま終われない本学は迎えた第5セット、メンバーをほぼスタメンに入れ替え一気に真剣モードに切り替える。15-5で第5セットを奪い、最後は意地を見せつけたものの、下級生の育成という課題が浮き彫りとなる試合であった。

 第2試合の慶大対早大はフルセットの末早大が勝利し、よって第3試合の明大対早大が優勝決定戦となった。「勝ちに行きます!!」と言う深町主将の宣言通り、早大戦では序盤からスタメンを起用。ここで1部で鍛えられた明大のパワーが炸裂した。芳賀(営2)の安定したレシーブから深町主将の的確なトス、それをエース廣本、関(文2)の強烈なスパイクや、佐々木(文3)のサイドからの攻撃、木村(法3)の安定かつ力強いスパイク、田辺(法2)の速攻など次々と決まり、息のあったプレーで得点を積み上げていく。特に廣本が繰り出す強烈サーブは相手を全く寄せ付けず、サーブが打たれる度に観客からどよめきがあがるほどであった。圧倒的な試合展開で第1セットを25-18で勝ち取ると、続く第2セットを25-14、第3セットも25-13でおさめ、20点取らせない試合で早大に圧勝した。早大にストレート負けした昨年に比べると、本学の急成長ぶり表す結果となった。

 全日本インカレもあと1ヵ月後に迫った。選手たちも今から気合十分!!と思いきや・・・どの選手からもあまり熱い声は聞こえてこない。「まだチームの気持ちはそこまでインカレに向かってないかもしれないですね。3連休をもらって、それから切り替えます!」(廣本)。一見クールでマイペースそうに見える明大選手たちだが、インカレの目標を尋ねると口をそろえて同じことを言った。それは「ベスト8以上」。話し合わなくても、チームは同じところを見据えている。本学が1部の強豪との戦いの中で培った力が発揮されればそう難しいことではないだろう。1部で培った力…それはなんといってもチーム力だろう。ここ1年で本学のバレーボール部は周りが見てもわかるほど雰囲気が変わってきている。去年までは試合に出場するメンバーだけで頑張っている印象が強かった。しかし今年の春季リーグあたりからコート外の部員たちもメガホンを手に応援し、チーム全体で試合に臨んでいるように思える。「1部にあがったことで、スタメンもそうでない選手達も全体的にモチベーションが上がってきていると思います」(廣本)。本学の急成長の要因はこの“チームとしてのまとまり”にあるといえるだろう。

 4年生は最後であり、今年の総決算となる12月の全日本インカレ。そこで一部を通して培ったチームの団結力を発揮するのに加え、次世代の下級生にもつながる試合を期待したい。