+109キロ級・辻本が好調 重量級のさらなる補強目指す/東日本大学対抗選手権

 1年の折り返しとなる今大会も、いよいよ最終日を迎える。ケガから着実に復帰への道を歩む新井陽生主将(政経4=尼崎工)に始まり、自己新記録をマークした畑上晃汰(営2=紀北農芸)、辻本侑矢マキシム(法3=家島)が好調ぶりを見せるなど全員が健闘した。また団体では6位と、表彰台には届かなかった。

◆7・4~6 第53回東日本大学対抗選手権(上尾市スポーツ総合センター)
▼102キロ級
8位 新井(S115 J143 T258)
▼109キロ級
8位 畑上(S118 J148 T266)
▼+109キロ級
4位 辻本(S135 J156 T291)
▼団体
6位 明大
※S…スナッチ、J…ジャーク、T…トータル

 この日先陣を切った主将・新井は4月に負った手首のケガが響き、惜しくも上位入賞とはならなかった。実践すらままならない状態での参加となるも、スナッチ、ジャークともに1本目は挙上させる。ジャークこそ2本目も成功を果たすも、除く3本は記録を伸ばすことができなかった。「悔しい結果だが、正直に(練習とコンディションを)振り返ってみれば妥当かなと感じる」。しかし反対に、ケガの功名として得られたものもあった。「手首が痛いなら、肩甲骨や肩周りの筋肉を柔らかくすることで補うしかないと思った。ケアはひたすら重点的にやってきて、その甲斐もあって(ジャーク)30キロ、40キロに乗れるようになった」。私生活の見直しを経て、厳しいコンディションの中で「本当に最低限ということはできた」と振り返った。

 今年度の重量級を担う存在として、新たに頭角を現しているのが畑上だ。3月の全日本学生新人選手権で5位入賞を果たしながら「同期たちに追いつけるように」と意欲を見せ、今大会ではジャークで自己新記録の148キロを挙上した。「もともと94キロくらいの体重だったが、この階級のために104キロくらいまで1、2カ月で増量した。コンディション自体は体重が増えてフォームがバラバラになってしまったが、アドバイスなどを貰いながら今回はうまくできたと思う」。ひと回り大きくなった体と向き合いながら、今大会での記録をうまく両立させた。

 +109キロ級の辻本は「暑さとの戦いだった」とコンディションが整わない中で試技に臨んだ。「引きが自分の中では重かったが、なんとかキャッチして粘れた」とスナッチは自己ベストから3キロ上の135キロに挑戦。これをなんとか挙上し、見事スナッチを3位で終えた。ジャークでは自己ベストである156キロを成功させたものの、3本目に挑戦した161キロは立ち上がり切れなかった。「丁寧にいこうと思って動きが自分の中で小さくなってしまった」と反省を見せ、さらなる伸びしろを感じさせた。

 団体としては6位と、各選手の不調が拭えないかたちとなった。しかし3月の新人・選抜選手権や5月の全日本個人選手権などを経て、順当なステップアップを果たす選手も同様に存在感を放っている。12月に開催される全日本大学対抗選手権で躍動する選手たちの姿が楽しみだ。

[松下日軌・大島菜央]

試合後のコメント
新井
――スナッチの2、3本目は失敗となりました。
 「ケガの再発が一番怖かったので、1度も触ってこなかった120キロに対して少し怖がってしまった部分もあります。ここで決め切るために今まで頑張ってきたので、そこを決めきれなかったのが悔しいです」

畑上
――3本目はスナッチ・ジャークともに取り逃がすかたちとなりました。振り返って詰めきれなかったなと感じている部分はありますか。
 「今回は〝抜き〟が早かったというのがあり、試合の1カ月前くらいからスクワットやフォーム練習では低重量の60キロ、スクワットでいえば120キロや130キロでしか組んでなくて、それでかなり脚の力が抜けてしまったなと感じています。今回の反省点は(負荷を)抜くのが早かったということで、もう少しギリギリまで自分の体を追い込んで、最後の1週間だけ抜く方が良かったかなと思っています」

辻本
――今大会で見つかった課題について教えてください。
 「やはり前々から言っている通り、脚の強化がまだまだ足りなかったというのが反省点ですね。前の大会では上がったんですが今回の大会では上がらなかったというのが、年々やはり自分の成長も見れて、脚の強化につながる結果になってきているというのが正直な感想です」