大接戦の軍配は対抗戦選抜に/第12回関東大学ラグビーオールスターゲーム2025

2025.07.07

 各大学の選り抜きの選手を集め、対抗戦選抜とリーグ戦選抜に分かれて戦う関東大学ラグビーオールスターゲームが今年も開催された。明大からは5名が選出。両チーム一進一退の接戦を繰り広げ、熱い展開となった。

◆7・6 第12回関東大学ラグビーオールスターゲーム2025(秩父宮ラグビー場)

▼対リーグ戦選抜

〇対抗戦選抜 34 {17―7、17―26} 33リーグ戦選抜

 出場選手は左プロップ伊藤潤乃助(文4=常翔学園)、スクラムハーフ柴田竜成(営4=秋田工)、右ウイング白井瑛人(商2=桐蔭学園)、高比良恭介(政経2=東福岡)、伊藤利江人(商3=報徳学園)。

 対抗戦選抜のキックオフから試合が開始した。8分、増山(筑波大)がキックしたボールが相手に渡り、自らチャージする。タッチダウン後、リスタートすると巧妙なパス回しで余りを作り岡部(日体大)が先制トライを勝ち取る。また11分、服部(早大)が蹴ったハイパウントキックを相手が処理できず、そのこぼれ球を対抗戦選抜がキャッチし、内側にパスを回して佐久間(立大)がグラウンディング。早々に2トライを連取した。その後は、両者共に慣れないメンバーとの連携に苦戦したために試合が膠着(こうちゃく)する。特に、「お互いが探り探りでやっていた」(伊藤潤)スクラムでコラプシングやアーリープッシュといったペナルティーを連発し、得点に結びつかない苦しい展開が続く。試合が動いたのは29分。相手がキックしたボールをチャージし、佐藤侃(立大)がトライを決める。しかし36分には相手が意地を見せ、ラインアウトから生まれたギャップを見逃さずにトライを返して17―7で試合を折り返した。

 後半開始9分、自陣でのスクラムを組むことになった対抗戦選抜はさらにペナルティーを与えクイックスタートでトライを許す。また、13分には屈強な外国人留学生を有する相手のモールに押し負け追加点を奪われ、前半とは打って変わって相手のペースになった。しかし15分、敵陣のスクラムでアドバンテージを獲得した対抗戦選抜は負けじとモールで押し込み、最後は白井がグラウンディングをした。「面白いことしようと思ってモールに入った」(白井)。20分、すぐさま相手がトライを返し、逆転される。この時点でスコアは22―26になった。25分、アドバンテージを利用して伊藤利が裏に蹴ったボールが跳ね返り、それを読んでいた高比良がキャッチしトライ。伊藤利もコンバージョンを成功させ、場内には「明大コンビ大活躍」の放送が響き渡った。「コールがあって蹴った。ペナルティーもあったのでチャレンジした」(伊藤利)、「利江人さんが裏に蹴ったボールが来たらいいなと思って走った」と信頼関係を示す。そして32分には今度は相手の逆サイドをついたキックパスで取り返されまた逆転。文字通り一進一退の展開となる。すると38分、内田(筑波大)にパスが回るとスピードをつけて4人をごぼう抜き、独走トライを決める。試合終盤にラインアウト、モールに持ち込まれるが、インゴールで相手のノットリリースザボールが判明しトライは取り消し。最終スコアは34―33とギリギリの戦いとなった。

 各々、懐かしいメンバーやライバルの選手と共に肩を並べて戦った関東大学ラグビーオールスターゲーム2025。大接戦の末、軍配は対抗戦選抜に上がった。これを機に良い影響を受けさらなる飛躍をする選手たちに期待である。

[近藤未怜]

試合後のコメント

伊藤潤

――個人の良かったところと反省点を教えてください。

「個人の良かったところとしてはスクラムのところで若干のリード取れたのはよかった部分かなと思っているんですけど悪い点にもつながっていて、スクラムで完全に勝ちきれなかったっていうのが悪い点として自分の中に残っています」

柴田

――服部(早大)とハーフ団を組んでみていかがでしたか。

「エリアのキックのところは味方にいて助かりますし、しっかりトークも追ってきていたので、相手になったらすごく嫌な存在だなと思います」

白井

――BKでのゲームメイクはどのようなことを意識しましたか。

「基本的には自分たちのアタックには強みがあると思うので、それを出しつつエリアを取るように意識しました」

高比良

――他の大学の選手と一緒にプレーするのはいかがでしたか。

「慣れない中やはりコミュニケーションが取れない分、そこでもプレーのミスっていうのがあったりしたので、今日改めてコミュニケーションの大切さっていうことを理解できました。明治に帰ってからも、これまで以上に密にコミュニケーションはしておいた方がいいと思いました」

伊藤利

――後半の点を取られてからのゲームメイクはどういったところを意識してプレーしましたか。

「自分たちでプレッシャーを受けて焦ってまたペナルティーというところが多かったので1回とりあえず落ち着いて、そこから自分たちがやりたいようにやれば、前半と同じように結構うまくいったのでもう1回原点に立って、しっかりと自分たちでやることを明確にしようと話しました」