
因縁の早大に大勝 昨年度の屈辱を晴らす/新人早明戦
灼熱の太陽が照りつける中、多くのファンに見守られながら新人早明戦が行われた。先制を許し、接戦になるかに思えたがフィジカルの強さで圧倒し大量得点。85-19で快勝した。
◆6・28練習試合(明大八幡山グラウンド)
▼対早大新人戦
○明大85{35-12、50-7}19早大
試合開始3分、明大ボールから始まるもペナルティから自陣スクラムを組むことに。ペナルティが重なり、相手のクイックスタートから先制トライを許してしまう。しかし9分にナンバーエイト安田快史(文1=関大北陽)が大幅にゲインして、スピーディーにボールを回し、相手のペナルティを誘う。敵陣でのラインアウトを左ロック熊谷鼓太郎(政経1=東福岡)がリーチを活かして難なく成功させ、FW戦に持ち込む。最後はフッカー井本章介(情コミ1=常翔学園)がグラウディングしスコアを並べた。さらに13分、相手ボールラインアウトを熊谷がスティールし、マイボールにすると井本がすかさずゲイン。流れに乗るままに16分には敵陣スクラムで勝ちきり、安田がトライを決め逆転する。「フロントローが押し切りたいという気持ちをバックファイブが受け継いでスクラムを組んだ。トライも生まれたので印象が良かった」(百武聖仁・政経1=東海大仰星)と語るようにその後もスクラムで優位に立つ。敵陣でプレーする時間が長くなるが26分にターンオーバーから相手に渡り、トライを返される。試合は拮抗(きっこう)するように思えたが、井本の巧みなキックが光り、自陣からの大幅ゲインに成功する。その後のスクラムで獲得した相手のペナルティを逃さずスクラムハーフ岩田大司(情コミ1=佐賀工)がクイックで自らトライ。「ゴール前は自分が仕掛けて、チャンスがあったら自分が行くようにした」(岩田)と強気な姿勢でチームを牽引(けんいん)した。さらには39分に右センター井手晴太(文1=成城学園)がダメ押しで追加点をもぎ取り、35-12で前半を終えた。
迎えた後半も前半の勢いそのままに明大ペースで進んだ。開始9分に、相手のミスキックから左センター長濱堅(商1=東海大相模)がトライ。11分に井手、18分には笠井大志(商1=国学院久我山)がトライを連取、スタンドオフ神尾樹凛(政経1=国学院栃木)がコンバージョンキックを着実に沈め、点差を突き放す。20分にはフルバック古賀龍人(商1=桐蔭学園)の50:22キックが会場を沸かせる。古賀の作ったチャンスを生かし、安定したラインアウトから右ウイング永沢拓夢(営1=国学院栃木)が得点を重ねた。「個人技じゃなくて、みんなが繋いでくれたトライ」(永沢)とチームの連携の良さを象徴するようなトライを見せた。さらに28分には笠井から瓜生丈道(法3=小倉)へと絶妙なパスが渡り、追加点を奪取する。「(サインプレーの)精度が高く、いい判断でチョイスできた」(瓜生丈道)。1週間の練習の成果を存分に発揮した。しかし33分、明大のペナルティから自陣でのラインアウトにもつれこみ、モールが上手く噛み合わず、相手にトライを許す。そこから試合はしばらく停滞するが、44分に相手のペナルティから敵陣ラインアウトの権利を獲得し、フィジカルで相手を圧倒。今度は明大がモールからのトライを成功させた。47分にも安田が最後のトライを決め、85-19の大差で勝利した。
因縁の相手・早大を相手に13トライの猛攻で圧倒した明大。「これから早稲田も強度をあげて仕上げてくると思う。今が本番ではないし、2年後、3年後に勝てるかが大切なので、このスコアはあまり気にせずに、この先負けないようなチーム作りをしていけたらいい」(井本)とルーキーたちは現状に満足しないストイックな姿勢を見せる。この先の活躍にさらなる期待がかかる。
[近藤未怜]
試合後のコメント
百武
――ゲームキャプテンとしてどんなことを意識して臨みましたか。
「高校時代は副キャプテンという立ち位置でしたがその時の経験を生かしてなるべく全体を見渡して、今何が必要かというのを考えてトークしていました」
井本
――セットプレーを振り返っていかがですか。
「ラインアウトのオプションでもいいオプションを自分たちでチョイスして前に出てトライを取れたシーンもありました。スクラムのところは自分たちの組みたいスクラムを全面的に出して、課題も見つかりましたが、いい感覚で試合終われたのは良かったです」
安田
――先制されましたが、前半の立ち上がりを振り返っていかがですか。
「予想外ではありましたが、いい修正ができて、チームでモメンタムを持てたので良かったです」
岩田
――スクラムハーフとしてゲーム運びに関して意識したことはありますか。
「FWをコントロールしてゴール前は自分が仕掛けて、チャンスがあったら自分が行くようにしたり、FWとBKの中心にいるポジションなので、よく声を出してコミュニケーション取ってプレーすることです」
井手
――ハットトリックの大活躍でしたが、ご自身のトライを振り返っていかがですか。
「FWがハードワークしてくれてパスを受け取るだけだったので、FWに感謝しています」
永沢
――早大と戦った印象はいかがですか。
「攻守の切り替え、自分たちがボールを失った後の反応がすごく早く、そこに少し前半苦しんだかなと思います」
瓜生丈道
――後半を振り返っていかがですか。
「前半は最後圧倒して、後半も0-0のつもりで守るっていう話だったので、しっかり最初に勢いをつけてそのまま最後までプレーできたのがよかったです」
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