関西勢下し選抜連覇! グランドスラムへ前進/全国大学選抜選手権

2025.06.25

 2年連続のグランドスラム達成に向け、負けは許されない全国大学選抜選手権。準々決勝では全員が二本を先取して勝利するなど王者の風格を見せ決勝まで順調に勝ち進むと、最後は土屋賢生主将(法4=関西福祉科学大)の突きで連覇を決めた。

◆6・22 全国大学選抜選手権(横浜武道館)
▼明大――1位
・2回戦
 ◯明 大4―1大産大
  山田太0―1田 村◯
 ◯長 倉2―0 森
 ◯山田健2―0中 川
 ◯土屋泰2―0森 岡
 ◯土屋賢2―0鈴 木

・準々決勝戦
◯明 大5―0大阪公立大
 ◯土屋泰2―0 安
 ◯山田健2―0河 野
 ◯山田太2―0小 池
 ◯大 谷2―0原 田
 ◯土屋賢2―0樋 口

・準決勝戦
◯明 大3―1龍谷大
 ◯山田健1―0宮 澤
 ◯山田太2―0河 元
  長 倉0―2三 根◯
 ◯土屋泰2―0 米
  土屋賢0―0前 田

・決勝戦
〇明 大3―1関 大
  土屋泰1―1後 藤
 〇山田太2―1内畑谷
  大 谷1-2三 好◯
 ◯山田健2―0小 浜
 ◯土屋賢2―1岡 田

 昨年度優勝校の明大は2回戦から登場。先鋒の山田太粋(法2=岩槻)は「高校の時にも試合をしていた選手(との対戦)だったが、後輩に負けたくないという気持ちがあり、あまりにも固くなってしまった」と、田村(大産大)に残り26秒で一本を決められ、惜しくも敗戦。しかし後続の4人が連勝し大産大に勝利すると、勢いに乗った明大は、準々決勝、準決勝も着実に勝ち上がり、決勝の舞台へと駒を進めた。

 決勝は3年連続で関大との一戦に。2年前には敗北を喫し、グランドスラムへの道を閉ざされた宿敵と、今年も決勝で対峙(たいじ)することとなった。先鋒戦には土屋泰生(文2=関西福祉科学大)が出場。「ずっと流れが相手のペースで、自分のやってきたことが3分間の試合でうまいこと出せなかった」。突きで一本を先取したものの、残り10秒のところで胴蹴りを決められ引き分けに終わる。続く次鋒の山田太は中盤に一本先取されたが、得意の突きで後半は鋭い攻めを見せ逆転勝利。しかし、中堅の大谷流生(法3=大商大堺)が敗れ、勝負は再び振り出しに戻される。1-1で迎えた副将戦には、ここまで全勝の山田健斗(文4=桜丘)が登場。互いに一歩も譲らない展開が続いたが、残り36秒で一本を決めると、すぐに2本目を連取し勝利。「(土屋)賢生と(土屋)泰生に教えてもらった、我慢することを意識して重点的にやっていって、時間をかけて勝つことをずっとやっていた」(山田健)と勝因を語った。優勝の懸かった大一番の大将戦。土屋賢は開始5秒で一本を取られ「『やばい』と思ったが、一本取り返した瞬間、来たなと思った」。すぐに突きで一本を奪い追いつくと、その5秒後に渾身の突きが決まり、優勝を手繰り寄せた。

 今大会、明大は全試合で強豪校の集う関西圏の大学との対戦。「関西はパワフルで気合のある、迫力のある拳法をしてくるので、そこで飲まれないようにするのが、これから全国とか、個人戦では大事になってくる」(土屋泰)。関西勢との対戦を通じて得た経験は、後期の全国大会への大きな糧となるはずだ。2年連続のグランドスラム達成へ向けて、明大は一戦一戦に確かな手ごたえを感じながら、歩みを進めている。

[塩谷里菜]

試合後のコメント
土屋賢主将
――今年度はディフェンディングチャンピオンとして、昨年度とは違った背景で挑むことになりました。
 「去年までは強い4年生の先輩が3人もいたので、レギュラーから3人も抜けてしまうというので不安な部分とかもあったのですが、僕はチームのみんなを今でもずっと信頼してきたので、信じて戦い抜くことができました」

――決勝では、勝てば優勝が決まる場面で回ってきました。
 「主将として、やっと後輩たちに『かっこいいところ見せられるチャンスくるやん!』と思いました」

山田健
――最優秀選手賞に選出されましたがいかがですか。
 「めちゃめちゃうれしいですね。いつも一本取られて返すということが多かったので、ストレートで勝てたというのが、すごい自分としても成長できたかなと今回思いました」

――副将での最優秀選手賞は珍しいケースでした。
 「楽な試合ではなかったというのは正直なところあったので(決勝は)最初(土屋)泰生が引き分けになって、そこから大谷が負けて、気持ち的に絶対勝たなあかんなと思ったので。主将にも『絶対健斗がカギやから絶対勝てよね』と言われて、もうそこで決めたので、もう楽して主将を勝たせたろうと思いました」

土屋泰
――チームとして良かった部分はございますか。
 「一致団結していた時はとても良かったなと思っています。みんながグランドスラムのための一つ(の大会)と思ってやっていて、自信に満ち溢れているような感じで、みんなアドバイスして、いい雰囲気で試合できていたのかなと思います」

山田太
――グランドスラムに向け、一つのヤマ場となる大会でした。
 「歴代でも明治が一番落としてしまっている大会だと思うので、やはり実力差があったとしても、5人制という少ない人数で、一人のミスも許されないようなところだったので、今まで以上にというか、一番気を引き締めての大会でした」

――優勝という結果を今後にどうつなげていきたいですか。
 「この結果におごらずに、一人一人が個人として見つめ直し、戦い方であったり、技術であったりをしっかり見つめ直してこれからやっていけたらなと思います」