
大東大戦 春季大会を完勝で終える/関東大学春季交流大会Aグループ
猛暑の八幡山で大東大と対戦。明大は前半から攻守で主導権を握り続け、60―14でノーサイド。関東大学春季交流大会(春季大会)の最終戦を白星で飾った。
◆6・23 関東大学春季交流大会Aグループ(明大八幡山グラウンド)
▼対大東大戦
〇明大60{20―0、40―14}14大東大
帝京大戦での敗北から1週間。春季大会最終戦となった今試合に、明大は下級生を多く起用して臨んだ。「若いチームということで、一人一人発信して、コミュニケーションを大切にした」(ゲームキャプテン・スクラムハーフ柴田竜成・営4=秋田工)。
試合序盤には明大のディフェンスが光った。前半5分と11分には自陣ゴール前まで攻め込まれるも、粘り強いディフェンスを見せいずれもノートライに抑える。守備の姿勢から虎視眈々(こしたんたん)と得点の機会を狙う明大は、17分に相手ボールラインアウトの乱れに反応したフッカー高比良恭介(政経2=東福岡)の突破から左へ展開。最後はフルバック阿部煌生(政経2=流経大柏)が快足で抜け出し先制トライを奪った。続く大東大のアタックシーンでは、阿部や左ロック菊池優希(政経4=山形中央)が好タックルを連発。さらにブレークダウンの攻防では幾度も相手ボールに絡みつき、ボールをスチールする場面も見られた。ディフェンスから試合の流れをつかんだ明大は、25分にラインアウトからモールを押し込み高比良がそのままグラウンディング。また、ここまでの一連の攻撃で大東大に2枚のイエローカードが出ていた。数的優位を得た明大はさらに攻撃の手を激しくする。29分には相手陣22メートルラインでのラインアウトから速攻を仕掛けると、ナンバーエイト藤井達哉(政経3=東福岡)がブレークしトライ。続く33分にはターンオーバーから右へ展開し、相手陣内でテンポよくフェーズを重ねると、柴田の突破からまたしても藤井が連続トライを奪う。「周りがしっかりと(トライを)取れるシチュエーションを作ってくれたので周りに感謝したい」(藤井)。大東大に得点のスキを与えないまま、20―0で試合を折り返した。
後半も立ち上がりから猛攻を仕掛ける明大。1分に右センター大和哲将(政経2=佐賀工)と右ウイング白井瑛人(商2=桐蔭学園)の快走で大きくゲインすると、ゴール前でのショートフェーズを重ね菊池が中央にグラウンディング。スタンドオフ萩井耀司(商2=桐蔭学園)のコンバージョンキックも決まり27―0とする。6分にはスクラムの猛プッシュでペナルティーを得ると、ラインアウトから中央へ展開。菊池の突破からオフロードパスを受けた左フランカー中川功己(営3=流経大柏)がインゴールへ。その後大東大に2トライを奪われる。しかし28分、途中交代で入った右ロック小椋健介(情コミ4=桐蔭学園)の突進で大きく前進すると、そこからテンポよくアタックを重ね、パスに合わせトップスピードで走りこんだ左センター蓬田雄(政経4=流経大柏)がブレークしトライ。小椋と蓬田、途中交代で入った2人の好プレーで明大は再度勢いづく。続く34分のスクラムでペナルティーを得ると、ラインアウトからモールを押し込みアドバンテージを獲得。その勢いのまま途中出場の右プロップ山口匠(政経3=流経大柏)が中央にボールを抑えた。37分には自陣から粘り強くフェーズを重ね相手陣10メートルラインまで前進すると、ラックから初紫紺のスクラムハーフ小倉光希矢(商2=国学院栃木)が素早く持ち出し強気にアタックを進める。ボールを受け取った阿部がブレークし、30メートル近くを走り切って中央にグラウンディング。コンバージョンも決まり53―14と突き放した。そして試合終了間際、ルーキーがファインプレーを魅せる。44分、途中出場でウイングに入っていた古賀龍人(商1=桐蔭学園)の50:22キックがさく裂。自陣から一気に相手陣5メートルラインまで攻め込むと、モールを押し込みフッカー木谷光(商3=桐蔭学園)がグラウンディング。コンバージョンも決まり60-14でノーサイドの笛が鳴った。
今試合での勝利により、明大は4勝1敗の準優勝で春季大会を終えた。今大会は最終的に帝京大、明大、早大の上位3校が勝ち点差1で並ぶ緊迫した大会となり、秋の関東大学対抗戦もこの3校による三つどもえの戦いが予想される。来るべき激しい戦いに向け『完遂』を掲げる明大の次なるターゲットは、この夏。「暑い時期が続くが、この夏きついことを乗り越えれば絶対に優勝が見えてくると思うので、またチームで修正して頑張っていきたい」(柴田)。勝負の夏はここから。頂を目指し、紫紺の戦士たちの戦いは続く。
[加藤晃誠]
試合後のコメント
柴田
――チームで良かった点と反省点を教えてください。
「良かった点は、前半きつい場面が続いたんですけど、そこで我慢して修正してスコアできたことです。反省点は自分たちのゴール前になった時に危機感があまりなくて、タックルが高かったり順目に回るのが遅かったりしたので、そこのマインドのところを高めていきたいと思います」
――萩井選手がスタンドオフで伊藤龍之介選手(商3=国学院栃木)が12番でしたがチーム内で話したことなどはありましたか。
「難しいプレーはせずに、シンプルに縦のオプションとかエリアをうまく使ってプレーをしていこうという話をしていました」
右プロップ檜山蒼介(情コミ3=尾道)
――復帰戦に向けて準備されたことはありましたか。
「明治なので、スクラムのところをすごくずっと意識していましたし、練習中からコーチの方にずっと言われていたので、そのおかげで今日いいスクラムが組めたと思います」
藤井
――夏までに改善したいことはありますか。
「1回抜けたところは良かっんですけど、ディフェンスでしんどくなってしまい走れていなかったので、もっと運動量上げることと、2人目のつなぎで激しく行くところを改善していきたいです」
伊藤龍
――今日の試合のゲームメイクやテンポ感についてはどのような印象を持ちましたか。
「ゲインが切れなくなる中で、テンポを早くするだけじゃなくて、一旦落とすとか、コントロールの部分はまだまだ改善点と思うので、そこをもっと修正してやっていきたいと思います」
――ハーフタイムにはどのようなお話しがありましたか。
「大まかに、今やっていることは間違ってないので、タイミングだったり幅とか深さだったり細かいところをしっかり修正しようっていう話をして、それをしっかり体現できたから(後半)いい入りができたと思います」
右プロップ佐藤蓮(文2=常翔学園)
――チームの収穫と改善点を教えてください。
「収穫としては、入りは悪かったけれど、しっかり守りきって先制点を取れたことです。完封できなかったので、時間が経つにつれて乳酸が溜まっていく時にどれだけ守れるかという正確性が課題になってくると思います」
阿部
――春シーズンのBKの収穫があれば教えてください。
「タレントがそろっている中で、自分たちは基礎を徹底してラグビーしたいという話になっている中で、基礎を徹底しながらも、スキルフルにラグビーができていました。良かった所もあったんですけど、メンタルの面でまだ整わない部分もあったので、そこを修正して、夏しっかり帝京にリベンジしたいと思います」
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