試合後コメント/全関東学生選手権

2025.06.19

 全関東学生選手権(全関東)が日本武道館で行われた。2日間にわたり奮闘を見せた選手たちのインタビューをお送りする。(このインタビューは6月15日に行われたものです)

若林優弥主将(農4=小笠)
――団体3位という結果をどのように受け止めていますか。
 「本当に悔しい結果だなと思っています。練習での的中が試合で続いているという感じだったので、練習通りといえば練習通りの試合運びだったのですが、法大に昨年、一昨年も決勝で負けて、インカレでも負けて、今年は絶対に勝とうという思いで臨んだんですけど、その(法大との)試合だけ練習よりも少し力が出せず、勝ち切れなかった悔しさが大きいです」

――1年生を2人起用されました。1年生の奮闘ぶりはいかがでしたか。
 「二的を引いていた其上達也(農1=東京農大三)は、腕の持病で(弓を)引き切れるかも分からない状態だったのですが、チームの的中率を見て『もう頼む、お前しかいない』ということで託しました。そんな中でも『大丈夫です』と言って出てくれて、すごく頑張ってくれたなと思います。四的で引いていた藤鷹暉士(政経1=都立井草)に関しては、練習から調子が良いわけではなかったですが、プレリーグが終わってから射もどんどん良くなっていました。またすごく真面目な子で、自分が怒ったりプレッシャーをかけたりしても、自分の射に向き合って考えて引いていることが分かっていたので、自分は(試合に)出し続ける判断をしました。的中率的には2人とも満足のいくような結果ではなかったと思うんですけど、まだ1年生なのでこの悔しさを糧にこれからの4年間の弓道をもっと楽しんで、勝っていい思い出を作ってほしいと思います」

――応援はいかがでしたか。
 「応援の声はすごくて、自分が引いている時や集中している時でも入ってくるぐらい大きい声で応援をしてくれていたのが印象的でした。選手外の部員の子たちは少ない人数ながらも全力で声を出してくれていますし、OB・OGの方も自分たちの応援をしにわざわざ会場まで足を運んでくださってうれしかったです。的中した後の矢声も、全力で出していただいているのが伝わってきたので本当に力になりました」

増田皓太(理工4=富士宮西)
――団体3位という結果をどのように受け止めていますか。
 「個人の話からすれば、全関東は1年、2年、3年と決勝まで進むことができて、今年も決勝まで進んでトロフィーを取りたいなと思っていた大会だったので、率直に3位という結果はすごく悔しいです。3位決定戦では23中とすごくいい的中で、いい回し方や準備をして、ここでしっかり出せた試合だったのかなとは思ったので、最後にいい形で締められたのは良かったなとは思います。ですが、それはやはり準決勝で出しておけば決勝に行けたかもしれないという悔しさがありましたし、そこで自分の実力のなさを実感しました。準備の仕方を再確認して、また選抜(全国大学選抜)に向けていい準備をしていきたいと思います。総合的に評価すれば、今大会はすごく未来につながるような試合だったのかなと思います。1年生2人が入ってこのような結果が出たこともそうですし、2年生も出ていましたし、3年生で初めてのトーナメントに出た選手もすごく活躍してくれて、ここまでやれたことは大きな収穫だったのかなと思います。この収穫を持って帰って、もう一度みんなでいいチームを作り上げて、選抜に戻れたらいいかなと思います」

――個人戦を振り返っていかがですか。
 「僕は個人戦は緊張しないタイプなんですけど、八寸1本目ではじかれてしまったのはすごく悔しかったですし、4年生なので個人で大学弓道に出られる機会はシーズンを通して全関東、インカレ(日本学生選手権)、東西(東西学生選抜対抗試合)だけになってしまった中、3回のチャンスの1回目をつかみ切れなかったのはすごく悔しいです。インカレに向けて、しっかりと八寸の練習してみたりとかいい結果を残せるように準備をしていけたらいいのかなと思う中で、個人的には団体戦でやり切った気持ちが少し出てしまっていたので、インカレの団体戦でやり切った後でも自分のことに集中してやっていける集中力もまた身に付けないといけないと思っています」

――選抜に向けて、どのような練習をしたいですか。
 「選抜は明大が一度しか優勝できていない大会なので、自分たちの舞台でそれを達成したいという気持ちが大きいです。今大会を通して、緊張した場面で各々課題も見えたと思いますし、自信になる点も見つかったと思うので、しっかりとそれをフィードバックしていきたいです。また、練習自体の雰囲気を悪くするわけではないですけど、やはり勝ちにこだわるためには少し厳しい雰囲気で練習しなければいけない場面が出てくると思うので、しっかりとメリハリをつけて練習する必要があると思います。そうすれば自分の描いたイメージ通り、書いた原稿通りに事が進んでいくと思っています。自分が書いた原稿通りに進めるために、気持ちを切り替えて選抜に臨めればいいかなと思っています」

中嶋航大(農3=帝京長岡)
――準決勝で皆中を出せた要因はどうお考えですか。
 「若林さん、増田さんという普段は抜かない4年生たちが、大前と落ちで挟んでくれている状況で1本ずつ抜いてしまう中、上級生の自分と里見(州平・理工3=北見北斗)はもう絶対に抜いたらいけないという覚悟を決めて、死ぬ気でやったことだと思います」

――卒業された先輩方も見られましたが、応援は力になりましたか。
 「昨年の4年生は試合という緊張した場面で場を和ませてくれたり、優しく包んでくれるような、すごく賑やかな先輩たちでした。今大会は明大が普段の練習から的中が低かったりと厳しい状況での試合だったんですけど、温かいOB・OGの人たちの声かけや優しさがあったからこそ、緊張もいい感じに和らいで、いい状態で臨めたと思います」

――選抜に向けて、どのような練習をしたいですか。
 「自分としては、4年生が中た矢を◯で続けて、4年生が抜いてしまったとしても絶対に×を1本で止めるというのが自分たち3年生の仕事だと思うので、しっかり自分たちが4年生を支えていけるような流れをつくれるようにしていきたいと思います」

里見
――今大会に向け、どのような練習をしてきましたか。
 「自分は元々あまり的中率が高くなくて、自分の欠点である、緩んで離れてしまう射を改善しようと練習から頑張ってきました。結局、改善は少し間に合わなかったんですけど、本番はとにかく緩んでもいいから的に向かって、ちゃんと押し切ることを意識して、とにかくシンプルな考えで臨もうという意識でいました」

――準決勝での初矢で、メンバーの×が続いた中で崩れなかった要因はどこにありますか。
 「自分はアリーナで引くのが大学生になって初めてで宮下(雄琉・営2=坂戸西)と交代して入ってから『緊張は絶対するし、震えてもいいからとにかく弱気にはならないで』ということをみんなからずっと言われていて、とにかくビビっても強気でやるということを意識してしました。××で回ってきたときはかなりビビりましたが、そこを意識して×を止めることができました」

――準決勝から3位決定戦へチームでどのように気持ちを切り替えましたか。
 「次の選抜に向けての勝ちにしようという話をして、立に入る直前に若林さんが『24射皆中しよう!いやする!』と言ってくれて、それがあったおかげであまり相手を意識せずに中ることに集中できたので、いい結果になったのかなと思います」

加藤ほの美(政経3=前橋育英)
――団体3位という結果をどのように受け止めていますか。
 「昨年と同じところで負けたことが、すごくショックでした。絶対に勝てた試合だったのに、それを逃してしまったというのは私自身の未熟さ、精神的な未熟さがすごくあります。技術的な面もありますが、特に今大会は精神的な未熟さがすごく出てきてしまって、自滅した感じがあるので良くなかったです」

――今年度最初の大会にどのような気持ちで挑みましたか。
 「自分が団体の中で一番上ということが今までなかったので、正直自分でもどう取り組めばいいか良く分からなかったことなど色々あって、うまくはできなかったと思います」

――準決勝から3位決定戦までに調子を戻した印象がありましたが、意識したことはありましたか。
 「準決勝は初矢を抜いてしまって、そこから立て直そうと思ったものの空回りして自滅した感じだったので、3位決定戦ではとりあえず初矢は絶対入れるというのを意識して、抜いても落ち着いて次ができるようにという心持ちでいました」

落合風香(法2=国学院)
――団体戦を振り返っていかがですか。
 「先週の試合から的中率が落ちてしまって、団体メンバーとして出られるかどうか微妙なところだったのですが、自分なりに頑張れたと思います」

――3位決定戦では皆中でしたが、その要因はどうお考えですか。
 「準決勝からの切り替えがうまくできて、今までよりも少しリラックスした状態で吹っ切れてできたからかなと思います」

――選抜に向けての意気込みを教えてください。
 「今大会は私は引っ張れる側にはいなかったので、選抜は私が引っ張れるような的中を出したいと思います」

齋藤和音(農2=小笠)
――見米彩選手(令7理工卒)が卒業されて、今大会落ちを任された時の心境を教えてください。
 「引いてみたら思ったより楽に引けたんですけど、試合前日はすごくプレッシャーを感じて不安に思いました」

――予選から3人交代なしでの出場でした。メンバーについてはいかがですか。
 「大前の加藤さんは中てくれるだろうという信頼もありましたし、中の落合も普段の練習から中てくれる感じがして、そのおかげで落ちでも落ち着いて引くことができました」

――介添の位置には野村真奈選手(営4=坂戸西)がいらっしゃいました。どのような声をかけてもらいましたか。
 「引いている際の声かけで、自分がうまくできなかった射の次に『落ち着いて引いてくるよ』としっかり見てくれていたり、いい矢が出た時も声をかけてくれてモチベーションを保つことができました」

白根瑞季(政経2=都立東)
――個人戦を振り返っていかがですか。
 「久しぶりの大きい会場での試合で、私は団体メンバーではあったものの会場でまだ1本も引いてない状態だったので、すごく緊張していました。心臓がバクバクで、1本目から体は止まっているのに脈打っていて、試合だなというのを感じました。1本目は少しだけ緊張に飲まれてしまって、中りはしたけど自分の思い通りではなかったですが、そこから切り替えて2本目、3本目はだんだん良くなりました。周りにいる先輩たちからの『どんどん良くなっているよ』という言葉で安心しながら引いていました。4本目から八寸になって、この試合に限らずどの試合も八寸になった時点で順位や結果が決まってくるというのは分かっていたので、その前の3本を経て、自分が何をすべきなのか、ずっと心臓は鳴り止まない中でそれをどう楽しむか、どう冷静でいるかということを考えながら引いて、本当にうまく中ることができたな思います」

――優勝できた要因はどのように考えていますか。
 「先週くらいから調子が良くなってきていた自信と、何がどうなったら中るか、外すかということを理解できて、その上で自分が弓を引いている中でも、今こうなったからこうなってしまうかもしれないという予測ができるようになりました。冷静に考えられたからこそ、動作と考えが一致して的中につながったと思います」

――今後の意気込みを教えてください。
 「私は選抜メンバーではないので、さらに次のインカレに向けて、まずはメンバー選考の6人に入るために、私はまだ安定感がないので、その不安定さを先輩に指導していただいたり、同期と一緒に引きながら成長していきたいです。あとは、自分で考えたことを言語化して、その上で動作を一連の動きになるようにすること、安定することが私の目標です。インカレの選抜メンバーに入って、この日本武道館で優勝したいと思います」

其上
――団体戦を振り返っていかがですか。
 「緊張した中でも、大学に入って初めての試合でいい射が出たのかなと思うんですけど、詰めきれなかった部分もあるので、そこを次に生かせたらいいなと思います」

――大学最初の大会にどのような気持ちで臨みましたか。
 「単純に楽しく引きたいなという気持ちで、実際にその楽しさを味わえて良かったなという思いです」

――法大に対する印象はありましたか。
 「本当にオーラがあると感じました。試合でも全然抜かなくて、そういうオーラや流れに少し引っ張られてしまったなと感じます。次は自分たちがそれを相手にやりたいという気持ちでいっぱいです」

藤鷹
――緊張はありましたか。
 「緊張しかしなかったです。自分が普段やっていることを冷静に分析して、やりたいことをやり切るというより、緊張に飲まれてしまった部分が思っていたより多くありました」

――大学最初の大会にどのような気持ちで挑みましたか。
 「高校のときから憧れの大会だったので、日本武道館で初めて引くのに向けて自分の課題を必死に分析したり、絶対優勝してやるという気持ちで練習してきました」

――選抜への意気込みを教えてください。
 「今大会ですごくいい経験ができたと思うので、選抜までの2週間を濃い期間にして、まずはメンバーに入って、そして全部中られるように頑張っていきたいと思います」

――ありがとうございました。

[寺井和奏、君嶋亜美果]