春の早明戦 重戦車体現し早大に完勝/関東大学春季交流大会Aグループ

2025.06.09

 岐阜メモリアルセンター長良川競技場で行われた春の早明戦は明大の完勝に終わった。重戦車を体現するスクラムと手堅いディフェンスで早大に付け入るスキを与えず45―12の完勝。553日ぶりに早大から白星をつかんだ。

◆6・8 関東大学春季交流大会Aグループ(岐阜メモリアルセンター長良川競技場)
▼対早大戦
 ○明大45{19―7、26―5}12早大

 開始7分、早大ボールのスクラムを明大が猛プッシュしターンオーバー。得点には結びつかなかったもののいきなり重戦車の意地を見せつけた。「スクラムのところは1週間準備してきて相手がどうこうというよりは自分たちのスクラムをどこまで高められるかと思っていた」(右プロップ山口匠・政経3=流経大柏)。明大の初得点は18分、敵陣スクラムからナンバーエイト藤井達哉(政経3=東福岡)がスクラムからボールをキャリーしトライライン目前へ。その後ピックアンドゴーを重ね最後は山口がねじ込んだ。その後両チームはキッキングゲームを展開。しかしスタンドオフ萩井耀司(商2=桐蔭学園)の飛距離のあるキックでテリトリーは徐々に明大優勢に。余裕のあるエリアで試合を進めていく。「伸びすぎたキックもあったが、比較的いいキックは蹴れていた。キックをうまく使いながらFWを楽に前に出させたところは良かった」(萩井)。そして32分、敵陣のモールからBKが展開。右ウイング白井瑛人(商2=桐蔭学園)がディフェンスのギャップを突き追加点を上げた。しかし38分に初失点を喫すると失点は許さなかったものの規律に苦しむ時間が続いた。「ペナルティーがある中でもトライを取られずに前で止められる部分は良かった。(次の試合では)ペナルティーを抑えて、前に出るっていうディフェンスは継続したい」(山口)。前半ラストプレーの47分、スクラムハーフ柴田竜成(営4=秋田工)から左センター平翔太主将(商4=東福岡)とつなぎ、最後に左フランカー最上太尊(商4=仙台育英)が左大外にグラウンディング。19―7で試合を折り返す。

 後半も明大が試合をコントロールした。7分、白井がノットリリースザボールを獲得すると後半からスタンドオフに入った伊藤龍之介(商3=国学院栃木)がすぐに大外にキックパス。再び最上が左大外に抑えた。「外で呼んでいたので、それに反応して空いているスペースにボール運べた結果がトライにつながった」(伊藤龍)。しばし試合は停滞し23分にトライを許したものの、その後は明大が畳みかけた。31分に最上がこぼれたボールをトライエリアに持ち込みハットトリックを達成。「早明戦という大きな試合で結果をだせて良かった」(最上)。39分に平翔がブレークし右中間にトライ。さらに43分にBKが綺麗にボールをつなぎフルバックに入った伊藤利江人(商3=報徳学園)がスペースにランニング。左中間に飛び込みダメ押しのトライを決めた。「ボールに絡みにいくことを重視していて哲将(大和・政経2=佐賀工)のいいスキルでそういうところから狙っていけてよかった」(伊藤利)。平のコンバージョンも決まり春の早明戦を45―12の完勝で終えた。

 昨年度2戦2敗に終わった早大を圧倒した明大。今試合特に光ったのはスクラムだ。昨年度の春の対戦ではセットプレーに苦しんだ明大だったが反対に今試合では圧倒。何度もペナルティーを獲得した。次節の対戦相手は帝京大。昨年度春の対戦では引き分けたものの対抗戦、選手権で2連敗を喫している相手だ。最後の白星は3年前の春の対戦。ファンは勝利を待っている。浜松で歓喜に湧く明大の姿に期待だ。

[佐藤比呂]

試合後のコメント
フッカー西野帆平(文4=東福岡)
——セットプレーを振り返っていかがでしたか。
 「ラインアウトはいいイメージでできました。ヤンボーはもうちょっとプレッシャーをかけたいなってところと、スクラムのところは少しばらつきがあったので、もう一度自分たちのセットアップなどを見直していきたいです」

山口
——帝京大戦に向けて意気込みをお願いします。
 「もちろん警戒してきた相手だし、早稲田に勝った分プレッシャーも高いと思うので、それを押しのけるぐらい1週間準備して自信満々の状態で臨んで勝てるようにしたいです」

最上
——トライを振り返っていかがですか。
 「1トライ目はラインアウトからのサインプレーだったのですが全員がオプションになってトライできたので良かったです。3トライ目に関しては味方がディフェンスでボールを奪ってくれたのでそのまま行けました」

萩井
——BKを振り返ってみていかがでしたか。
 「BKは前半はいいモメンタムをつくって縦に縦にどんどん仕掛けられたので良かったと思います。後半は前半で縦に行った分、しっかり裏を生かしてトライまでつなげられていたので良かったなと思います」

伊藤龍
——早大のBKの印象はいかがでしたか。
 「主力が少ない中で、服部(亮太・早大)だったり秀法さん(福島・早大)だったりが引っ張ってきているとは思うんですけど、やっぱり野中さん(健吾・早大)だったり由高(矢崎・早大)だったりがまだ出ていないので、彼らが出てきた時にまた1段階、2段階レベルが上がると思うので、そのレベルの相手にもしっかり対応できるようにここから練習していきたいなと思います」

伊藤利
——帝京戦への意気込みをお願いします。
 「ビデオを見てもすごく強いし、フィジカル面とかもスキルの面とかもレベル高いと思います。こっちも明治のプライドを持ちながら、スキルとか前面に今日の試合以上に出したいと思います」