
粘りの攻撃で早大戦をドローで終える/関東大学リーグ戦
霧がリンク上に立ちこめる中、早々に先制点を奪ったのは明治だった。DF長岡のブルーラインから放ったシュートはきれいにGKの左肩口を抜く。一気にこの勢いに乗りたい明治。しかし、それから立て続けにペナルティーが取られ、明治のベンチは消沈していった。さらに早大の容赦ない攻撃が明治の選手たちを翻弄させ、体力を奪っていく。「反則が続き出る人も限られて、勢いがなくなった。ベンチの声も小さくなった」(江端)。ピリオド通してのシュート数は上回っていたものの、納得のいくゲームが出来なかったことは確かだ。
続く第2ピリオドは、控え室での梁取部門主将の活が利いたのか、開始からベンチのかけ声が鳴り響く。味方のファインプレーや豪快なチェック一つ一つに沸くベンチ。アンラッキーな形で早大に得点を許したが、どこか集中力に欠けた第1ピリオドに比べ、動きに精鋭さを取り戻した。
そして1点ビハインドで迎えた第3ピリオド。しかし第2ピリオドの勢いは途切れることはなく、「これからこれから」「絶対いける!」というベンチからのかけ声がリンク上の選手たちを後押しする。そして5:48、近藤がゴール右側から放ったパックをGKがキャッチングミスをし、それを詰めていた江端が左側の開いたゴールにワンタッチで押し込む。あと1点――。しかし、残り10分を切った時だった。ゴール前での粘りを見せた早大が逆転ゴールを決め、会場にいる明治サイドの誰もが落胆の表情を浮かべた。「遂に負けるのか」。誰もがそう思った。リンクを駆ける選手以外は。
そしてその直後、ゴール前の混戦状態の中、近藤が打ったパックがゴールネットを揺らす。その瞬間、まるで優勝したかのように選手たちは喜びを爆発させた。「俺ら(これまで十分)やってきたから出来るよ」と試合前の梁取部門主将の言葉が頭をよぎる。選手たちの諦めない気持ちが再び明治に流れを引きよせたのだ。
1回戦を勝ち点13で1位通過を決めた明治。しかし気を休めることなく、すぐに2回戦目の中大戦が待っている。「1日しか空かなくて大変だけど、ここでいいゲームができるかにかかっている」(梁取部門主将)。2年待ち望んだ“優勝”の二文字を手にするまで彼らの戦いは終わらない。
明大 | 早大 | 東洋大 | 法大 | 中大 | 日大 | 勝ち点 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
明 大 | – | △ | ○ | ○ | ○ | ○ | 13 | |
早 大 | △ | – | ● | ○ | ○ | ○ | 10 | |
東洋大 | ● | ○ | – | ● | ○ | ○ | 9 | |
法 大 | ● | ● | ○ | – | ○ | △ | 7 | |
中 大 | ● | ● | ● | ● | – | ○ | 3 | |
日 大 | ● | ● | ● | △ | ● | – | 1 |
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No. | Name (C/A) | Pos. | 備考 |
---|---|---|---|
GK | |||
31 | 寺島悠介 | GK | 昨年度から安定した守りを見せる明治の正GK |
第1セット | |||
19 | 近藤勝将 | FW | よく走るパワフルなFW。1年次から1セットで活躍。今試合、全得点に絡む活躍 |
14 | 江端勇人 | FW | スピードを活かしたキープ力と得点力が持ち味 |
16 | 高田昌虎 A | FW | 持ち前の走力とテクニックで果敢にゴールを目指す。前線の要 |
77 | 梁取慎也 C | DF | センス抜群のキャプテン。シニア日本代表 |
8 | 長岡佑弥 | DF | 決定力のあるDF。白樺学園時代はキャプテン |
第2セット | |||
10 | 木谷大介 | FW | 小柄な体格を生かしたスピードが売り |
22 | 田中 遼 | FW | 前年度リーグ戦では明治の得点王。今リーグ戦では2セットの要 |
61 | 土屋輝幸 | FW | よく走り積極的なプレーヤー。2007U-20世界選手権のキャプテンを務める |
4 | 坂田 駿 | DF | 大柄な体格で攻めにも参加できるパワーのあるプレーが魅力 |
21 | 赤坂優輔 | DF | DFながら積極的なプレーをする。 |
第3セット | |||
88 | 外崎裕将 | FW | 駒大苫小牧高出身。体格を活かしたキープ力のある選手。 |
39 | 草野 作 A | FW | 安定したプレーに定評がある |
18 | 古市達也 | FW | センスのあるFW。積極的なプレーをする |
12 | 今川征治 | DF | 守りに定評のあるDF。北海時代はキャプテン、現在はスケート部総合主将 |
44 | 島影大希 | DF | 積極的なDFで攻撃にも参加 |
第4セット | |||
17 | 高橋皓平 | FW | 高身長をいかしたプレーが魅力 |
11 | 角橋裕樹 | FW | お父さんは元日本製紙クレインズのプレーヤー |
91 | 関戸大輔 | FW | 部内一の高身長。当たり負けない強さもある |
30 | 金塚佑輔 | DF | 安定した守備でチームを支える |
7 | 増田隆宏 | DF | 敵のFWによくプレッシャーをかけるDF |
>> Next Game
10月13日(月)17:30~
対中大2回戦(DyDoドリンコアイスアリーナ=西武新宿線・東伏見駅前)
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